・関鉄キハ5000形
キハ5003以下4連(5003+5001+5004+5002)
取手花火大会の日の5003以下4連(5003+5001+5004+5002)
2016.8.13 稲戸井〜戸頭間にて撮影
 2009年、単行ワンマン運転用車両の増強のために登場した車両で、キハ2400形をベースにコモンレール式電子燃料噴射システムを採用したエンジンへの変更、台車を従来の住友金属製から新潟トランシス製への変更、客室内のロングシート途中へのスタンションポール追加などの変更が加えられています。
 一方でエンジン出力や変速機形式などはキハ2400形などと同一とし、従来車との混結運転への配慮をしています。
 この車両ではキハ2100形から2400形まで採用され続けた観光バスの「KaNaC」と同系統の塗装から上下の青帯(鬼怒川と小貝川を意味する)の間を常総線の赤が通っているとのイメージを持たせた新塗装に変更され、室内の配色もこれまでの赤系シートから青系シートに変更されました。走行関係では機関ブレーキ(細かくは排気ブレーキ)を常用する制御が追加されました。
 2009年と2013年(2012年度)に各2両の計4両が投入されました。特に2次車の投入後は取手口の単行運転も増えており、常総線全区間で運用されています。
 キハ5001走行音[knt50a1a.mp3/7.38MB]
 1次車のキハ5001の走行音です。エンジンは変更されていますが、それでも同じメーカーですし最近の気動車の走行音を支配する変速機の変更がありませんので、キハ2400形と大きな違いはないです、力行時は。ブレーキの時は開始速度によりますが、小さな空噴かしをして直結2段の排気ブレーキで始まり、60km/h付近で特大の空噴かしから直結1段の排気ブレーキに切り替わり、40km/h付近で空制のみになります。
 録音は騰波ノ江→黒子→大田郷間です。騰波ノ江の加速は3ノッチ起動から間もなく4ノッチに上げて一度ノッチオフしてポイント通過、その後は4ノッチで再加速していたようです。直結2段まで4ノッチのままだと思います。黒子の加速は3ノッチ起動でポイント通過のためにノッチオフ、その後は3ノッチで再加速を始めてすぐに4ノッチ、そのまま直結2段まで加速としていたようです。ブレーキについては2回とも直結2段から始まっていますが、どうしても直結2段の時間は短くなってしまいます。黒子の停車時は空噴かしから一瞬の直結2段の後すぐに特大の空噴かしですから、あまり優秀な設定には見えないんですよね…。
 キハ5001走行音[knt50a1e.mp3/9.85MB]
 同じくキハ5001の走行音です。
 録音は北水海道→中妻→三妻→南石下間です。北水海道の加速はほぼ4ノッチと思われます。直結2段まで加速しますが減速時の排気ブレーキ立ち上がりは特大空噴かしからの直結1段でした。中妻の加速は4ノッチで起動してからノッチオフでポイント通過をし、その後は再度4ノッチでの加速だと思います。直結段もほぼ4ノッチで直結2段まで進み、90km/h近くまで加速したものと思います。減速時は大きめの空噴かしから直結2段での排気ブレーキ、特大空噴かしから直結1段の排気ブレーキ、一度ブレーキを緩解してから再度直結1段の排気ブレーキがかかっています。三妻の加速も主に4ノッチで途中ポイント通過時に一度ノッチオフをしています。再加速は全て4ノッチだと思われます。この区間も90km/h近くまで加速しています。高速域では途中でノッチ段数を下げるタイミングもあったようです。減速時は大きめの空噴かしから直結2段の排気ブレーキ、特大空噴かしから直結1段の排気ブレーキと続きます。
 キハ5002走行音[knt50a1b.mp3/11.1MB]
 1次車のキハ5002の走行音です。特に目立った個体差もないと思います。
 録音は大田郷→黒子→騰波ノ江→大宝間です。大田郷では2ノッチ起動から間もなく3ノッチ、ポイント通過の時に一瞬だけノッチオフしてすぐ3ノッチで再加速し、途中で4ノッチに、直結段は3ノッチか4ノッチかのどちらかで加速していたのだと思います。直結2段まで加速しています。黒子停車の際の排気ブレーキは直結1段だけでした。黒子からの加速は3ノッチ起動で間もなく4ノッチに上げ、ポイント通過のため一旦ノッチオフし、更に4ノッチで再加速、そのまま直結2段まで加速しています。騰波ノ江停車時の排気ブレーキはきれいに2段階の音が楽しめます。騰波ノ江発車時も黒子と同様のパターンのようです。速度はそれほど出ていないものの、ほとんど速度が落ちない区間だったのか、排気ブレーキはきれいに2段階の音が聞こえてきます。
 キハ5002走行音(4連)[knt50a1c.mp3/14.7MB]
 キハ5002を先頭とした4両編成での録音です。取手での花火大会に合わせての4連運転ですが、花火開始となる時間帯に取手から水海道に向かう列車でしたので空いていました。当然車掌乗務となりますが、既に全車両がワンマン運転対応になっている時代ですし、自動放送を普通に使っています。設備上は2400形や2300形とも混結が可能なはずですが、やはり使い勝手の面なのでしょうか、こういう時は5000形だけで4連を組むようです。
 録音は戸頭→南守谷→守谷→新守谷→小絹→水海道間です。ほとんどの駅を2ノッチか3ノッチで起動し、主に4ノッチで加速していたようです。戸頭と南守谷の加速は直結1段止まりで排気ブレーキも直結1段のみ、守谷と新守谷の加速は直結2段まで加速し、排気ブレーキも直結2段から始まっています。小絹の加速は直結2段に切り替わろうとしたところでノッチオフし、下り勾配通過後に直結2段からの再加速をしています。更に車両基地付近でも再度直結2段からの再加速をしていました。水海道停車の排気ブレーキはもちろん直結2段から始まっています。
 キハ5002走行音[knt50a1d.mp3/10.0MB]
 同じくキハ5002の走行音です。取手〜水海道間のワンマン運転での録音になります。
 録音は守谷→新守谷→小絹→水海道間です。守谷は副本線からの発車のため2ノッチ起動から3ノッチに上げてポイント前でノッチオフ、ポイント通過後は4ノッチ加速だと思いますが直結1段止まりになります。新守谷停車の排気ブレーキも直結1段のみです。新守谷と小絹の発車時はどちらも3ノッチ起動で間もなく4ノッチに上げてそのまま直結2段まで加速しています。小絹停車の排気ブレーキは直結2段で立ち上がったもののすぐにもう一度空噴かしをして直結1段に切り替わります。小絹から水海道では下り勾配で一度ノッチオフ後、勾配通過後に直結2段から再加速しています。停車ブレーキの前に速度が落ちてしまい、直結1段のみの排気ブレーキになっていました。
 キハ5003走行音[knt50a2a.mp3/7.22MB]
 2次車キハ5003の走行音です。特に走行音の面での1次車との差はないようです。
 録音は南石下→三妻→中妻間です。加速はほぼ全て4ノッチのようです。三妻停車の排気ブレーキは直結2段から始まり、直結1段の途中でポイント通過(または信号による速度制限?)のため緩解し、再度空噴かしからの排気ブレーキ立ち上がりとなっていました。三妻からの発車時は3ノッチ起動でポイントをノッチオフで通過し、再加速を4ノッチでしています。直結2段まで加速するものの、駅間距離の割に出した速度が低く、排気ブレーキは直結1段スタートになってしまいました。
 キハ5004走行音[knt50a2b.mp3/3.52MB]
 2次車キハ5004の走行音です。
 録音は南石下→三妻間です。変速段と直結1段は4ノッチで加速していたものと思います。直結2段はノッチを絞っていると思いますが、それでも結構な速度まで上げています。停車時の排気ブレーキは直結2段から始まります。ポイントか信号かの速度制限のためか一度ブレーキを緩解しており、キハ5003の走行音と同じように再度の空噴かしが聞けます。
 キハ5004走行音[knt50a2c.mp3/13.2MB]
 同じくキハ5004の走行音です。上の録音から続けてのものです。
 録音は中妻→北水海道→水海道→小絹→新守谷間です。中妻から水海道は短い区間が続くのにどちらも直結2段まで進み、排気ブレーキも直結2段スタートでした。水海道の加速は2〜3ノッチでしばらくゆっくり加速し、直結2段で一度ノッチオフし、車両基地通過直後くらいから直結2段で再加速しています。録音した時期は小絹に向けて勾配を登りきったあたりで工事徐行があり、一度減速し、再度変速段から直結1段まで加速しています。小絹停車の排気ブレーキは直結1段のみです。小絹から新守谷は4ノッチで直結2段までの加速、排気ブレーキも直結2段スタートです。
・その他の写真
 キハ5001です。幌付となる下館方からの撮影です。車庫からの出区列車の撮影で、隣にはキハ5012が見えます。塗装が違うだけで形は同じですね(スカートの大きさとか、製造年次による差異は見られます)。
 2019.5.5 小絹〜水海道間(水海道車両区付近)にて撮影
 キハ5002で、幌付となる下館方からの撮影です。キハ5001と5002は2100形などと同じ小形のスカートを装着しています。
 2013.11.23 守谷〜新守谷間(開拓踏切付近)にて撮影
 同じくキハ5002で、「いきいき茨城ゆめ国体」ラッピング時の撮影です。こちらは取手方の幌なしの先頭部からの撮影でした。また、このラッピングは左右で微妙に変えていたみたいで、こちら側(取手行の列車の進行左側)は「いきいき茨城ゆめ大会」になってますね。パラリンピックみたいな障害者スポーツの大会をPRする側面になってたみたいです。反対側は「いきいき茨城ゆめ国体」と書いてありました。写真編集してて初めて気づきました…。
 2019.4.12 水海道〜北水海道間にて撮影
 キハ5003で、幌付となる下館方からの撮影です。タイトル写真の4連と同じ立ち位置で下り線を撮るとこんな感じになります。
 2019.4.13 稲戸井〜戸頭間にて撮影
 キハ5004で、車両基地公開時のヘッドマーク付の写真です。キハ5003と5004は大形スカートを当初から装着しています。
 2014.11.3 水海道車両基地にて撮影(一般公開時)
 キハ5001の室内です。キハ2100形から2400形まで続いてきた配色から、シートモケットを青に変更しており、どうしても寒々しい印象を受けてしまいます。外観のベースとなる白も青っぽい白ですし。取手寄りにある優先席が赤系のモケットになっています。
 2014.10.25 水海道駅にて撮影
 キハ5004の室内です。2次車では吊り手の形状が変更されています。寧ろ、5000形の1次車の時代でも丸の吊り手というのが珍しかったですね。
 2014.10.25 下館駅にて撮影
 キハ5002のエンジンです。従来のDMF13HZと比べてシリンダヘッド形状が変わり、特に下側のフレームが太くなったように見えます。
 2014.10.25 下館駅にて撮影
 2次車キハ5004のエンジンです。1次車との違いはないと思いますが、製造時期が離れているので念のため。新潟エンジンでコモンレール式を採用された例がキハ5000形の4両と鹿島臨海鉄道8000形の3両くらいしかないようで、希少な存在のようですね。
 2014.11.3 水海道車両基地にて撮影(一般公開時)
 キハ5004の台車です。キハ2100形から2400形までの台車とは全く異なる形状になっています。NDCシリーズでは最近ではこの系統のものが増えていたのではないかと思います。
 2014.11.3 水海道車両基地にて撮影(一般公開時)

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