・1000形(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
1237以下6連(左)と1317以下4連
「白幕車」1237以下6連(左)と「黒幕車」1317以下4連
2002.7.11 京急川崎駅にて撮影
 1958(昭和33)年、10年後に開始される都営地下鉄浅草線との直通運転に備え800形として試作されたことに始まる3扉ロングシート、18m車体オール電動車編成の形式です。試作車は2連2本が製造され、当初は非貫通形の先頭車でした。量産第1陣も非貫通形で登場し(全て貫通形に改造済)、61年の量産第2陣からは貫通形先頭車の登場となりました。64年製の車両では側面の行先表示機が登場時から設置され、71年には新製冷房車が登場し、このグループでは主要機器の製造メーカーが機器の種類によって担当を割り振る形となり、同時に主電動機の出力も75kWから90kWに増強されています。
 78年まで増備が続き、最終的には356両の大所帯となりました。2100形や新1000形に置換えられる形で2005年3月までに冷房改造車が、2011年3月までに全車が廃車となってしまいました。高松琴平電鉄に改造・譲渡され余生を送る車両もあります。
 走行音(初期車・東洋)[kq10t1a.mp3/742KB]
 1959年登場の量産第1陣から62年製の車両までのグループが電装品の区分で言う初期グループで、録音した車両はこのうちの最後の生き残りである1071-1072の2連です。残念ながら三菱製の電機品を積んだ車両は全廃されてしまいました。
 音の特徴としては、起動時によく「唸って」いますね。減速時も「逆唸り」がよく出ているみたいです。高速域は何かがこすれるような音が大きく聞こえていますが、たぶん個体差の部類なんでしょう。比較対象がないので詳しくはわかりませんが・・・。
 録音は生麦→京急新子安間です。停止間際にコンプレッサの音が聞こえますが、これは対抗列車のもので、1072号車のコンプレッサはレシプロ式(1000形ではこの編成しか現存しない)で、「ドドド…」という感じの雰囲気になります。
 なお、この部類に入るものは、試作車2編成(1095-1096)と、1009F〜1025F、1029Fのうち1029-1030、1041F、1045F(以上非貫通先頭車で登場、全て4連)、1049F〜1057F(以上4連)、1071F〜1077F(以上2連)、1113Fのうち1115〜1118、1119F、1125F(6連)が該当します。
 ちなみに、同時期の三菱車は、1001F、1005F、1029Fのうち1031-1032、1033F、1037F、1061F、1065F(以上4連)、1069F(2連)、1101F、1107F、1113Fのうち1113-1114(以上6連)です。
 走行音(中期車・三菱)[kq10m2a.mp3/776KB]
 こちらは1964年から68年までに製造された車両が属するグループです。このグループまでは非冷房で登場していますが、冷房改造の工事は76年から82年にかけて優先的に進められたそうです。東洋車と三菱車とが半々くらいですが、三菱車の廃車が優先的に進められてしまい、2002年の新1000形投入に伴い、ついに全廃になってしまいました(救援車代用で2両だけ残るという噂も耳にしますが)。三菱車については、2002年の初めまで残ったのは6連3本だけで、自動戸閉切放装置を装備しないため(4連の有効長しかない梅屋敷で特殊な操作が必要?)、基本的に川崎以南の普通運用に限定されていたようです。
 音は1000形の中では三菱車の人気が高いような雰囲気が京急系のサイトから感じられるのですが、乗ってみて即納得しました。起動時の爆音と言い、どことなく国鉄急行形と似たような雰囲気をもつ中速域の加減速音と言い、そして停車直前にも鳴る爆音と言い、個人的には好みのタイプです。しかも、最近気付いたことですが、よく聞くと高速域ではMT46チックな音も響いているようです。特に1237号車ではよく聞こえていたのですが、残念ながらきれいな録音ができないうちに引退してしまいました。
 録音は鶴見市場→京急鶴見間です。始めに上り勾配がある(高架線に上がっていくため)関係で加速力はだいぶ落ちていますが、それでも普通車の最高速度である95km/hに到達していると思います。
 空転・滑走音(中期車・三菱)[kq10m2b.mp3/687KB]
 こちらは上と同じ三菱車の、空転・滑走音です。空転はそれほど激しいものではないのですが、1000形三菱車の空転はこの時にしか聞いたことがありません。一番滑りそうな鶴見市場下り方で一度たりとも空転音を聞いたことがないのですが、あの場所って何か特殊な処理をしているんでしょうか…。この音の魅力は、なんと言っても減速時の滑走音ですね。下り勾配の途中で減速信号が出ていて、まずそこに向けて70km/hまで減速し、その後下りきったところに停車駅があるわけです。停車の直前には「爆音」が2度鳴っています。
 録音は下り普通車の、神奈川発車時と、八丁畷減速時の音を組み合わせています。
 この世代の三菱車は、1131F、1137Fのうち1137-1138-1141-1142、1161F、1167F、1173Fのうち1175-1176、1185F、1191F、1225F〜1237Fです。
 走行音(中期車・東洋その1)[kq10t2a.mp3/1.84MB]
 上記と同じグループの東洋車の走行音です。2002年頃に残っていた東洋車は1149F、1179F、1213F(以上4連)、1219F(6連)があり、この走行音はそのうち1149で録音したものです。東洋車の中で一番いい雰囲気が出ているように、個人的には感じています。起動時の「唸り」もかなり大きいですし、その後の加速音にも独特なものが感じられるような気がします。
 録音は特急の増結車で平和島→京急蒲田間と京急蒲田の加速です。
 走行音(中期車・東洋その2)[kq10t2b.mp3/1.57MB]
 こちらは1213での録音です。起動時の爆音は1149同様にきちんと響いていますが、その後の加速音がシンプルなように感じられます。減速時の「逆唸り」は1149よりおとなしいですね。
 録音は快特の前側への増結車(先頭車)で、京急蒲田→京急川崎間です。
 走行音(中期車・東洋その2)[kq10t2c.mp3/759KB]
 同じく1213での録音で、普通運用のものです。
 録音は生麦→京急新子安間です。
 走行音(中期車・東洋その3)[kq10t2d.mp3/1.51MB]
 こちらは1219で録音したものです。2002年の新1000形投入で6連化、更にその後には4連化され、廃車になったのですが、この録音は8連時代のもので、快特で110km/h運転を行っているはずです。聞けば分かる通り、起動時には「唸り」がほとんど聞こえず、まるで最終グループのような音をたてています。1179Fのうちの1179-1180もこれと同じような音をたてます。1183-1184のユニットは1149や1213のようにきちんと唸るのですが…。
 録音は京急蒲田→京急川崎間です。
 ちなみに、この世代の東洋車は、1143F〜1155F、1173Fのうち1175-1176、1179F、1201F〜1219F(6連)が該当します。このうち特異なのが1201Fで、当初1079-1080の2連として登場し、半年後に新造された1174〜1177を組み込み6連化され、更に約半年後には1202〜1205を組み込み、改番が行われ1201〜1206の6連とされたそうです。ちなみに、1173と1178は、1202〜1205と同時に新製され、すぐに1173〜1178の組成に変更されたようです。
 走行音(最終グループ)[kq10mta.mp3/1.53MB]
 1971年から78年にかけて製造された最終グループの新製冷房車です。このグループでは電機品が三菱製の制御装置と東洋電機製のモータと駆動装置の組み合わせに統一されたことが特筆されます。起動時の「唸り」は初期車等に比べてだいぶおとなしくなったようですね。ちなみに、新製冷房車は全て集中式のクーラーであるのに対し、これよりも古い、冷房改造車は分散型のクーラーであるため、屋上を見ると一目で区別できます。また、新製冷房車は88〜94年にかけて更新工事が行われ、その際に行先表示器の幕を黒地のものに変更しており、俗に言う「黒幕車」となりました。冷房改造車グループは逆に「白幕車」と呼ばれるようになり、これも一目で区別できる大きな違いです。
 録音は快特で京急蒲田→京急川崎間です。
 走行音(最終グループ)[kq10mtb.mp3/1.54MB]
 同じく最終グループの車両で、1341が先頭の、12連快特での録音です。後の編成が1321×8連でしたが、これも正確には1321〜1324と1325〜1328の4連2本を半固定状態で運用されていたものですので、外見上は4連×3本の編成です。音の違いは特にないと思います。
 録音は快特で京急蒲田→京急川崎間です。
 空転・滑走音(最終グループ)[kq10mtc.mp3/1.50MB]
 こちらは同じ最終グループ車両の空転・滑走音です。走り出すと間もなく、派手に滑り出します。一応1000形の名誉のために断わっておきますが、1000形は白幕車も黒幕車もなかなか滑らない車両です。起動時にこれだけ滑っても、中速域以上ではきちんと加速しています。滑走もそう頻繁に聞けるものではありません。よほど界磁チョッパ車や1M式のVVVF車の方が…。
 録音は京急蒲田→京急川崎間です。
 ちなみに、この1000形最終グループは、1251F〜1291Fが8両固定、1301F〜1345Fが4両固定、1351F〜1375Fが6両固定編成の番号とされていますが、最初の新製冷房車である1251F他18両は当初1251F、1257F、1263Fの6連3本だったものの、すぐに8連2本と2連1本に組み替えられ、翌年には8連2本と中間車6両が新造され、1251F〜1283Fまでの8両固定編成ができあがったようです。1291Fは数年のブランクの後に新造されたようです。また、1000形の最終増備車は1978年製ですが、この時には4連1本、6連2本、2連1本、8連1本が製造され、2連と8連は空き番号を使ったため、1079-1080や、1243〜1250という、逆戻りした付番がなされました。
 2002年4月現在では、1243F〜1267Fと1283Fが8両固定、1301+1305F、1321+1325Fが8両固定扱い、1313F、1317F、1341F、1363Fが4連、1275Fと1291Fは5・6号車を1309Fと1345Fに組み込みいずれも6連、1333Fには2・3号車に1330-1331を組み込み、1337Fには1359-1360を組み込み、1357Fは6連のままながら中間に1377-1378を組み込み、1375Fは6連ながら中間に1365-1366を組み込み、という様々な編成替えの跡があり、新製時からの6連は1351Fと1369Fのみです(以上で6連は10本)。2連は1079-1080と1329-1332の2本です。
 2002年夏には1243Fから中間車が2両抜かれ、6連化されています(1225と1237の置換え用)。抜かれた2両は4連のいずれかの編成に組み込まれ6連化されるものと思われます。
・その他の写真
 現存最古の1000形である、1072以下12連です。夕方の上り特急9C〜下り快特9Aの増結車にたまたま入っているのを見かけてかなり慌てて撮影したものです。夕刻のダイヤは走行音を録るには完全に不向きですが、逆にこの写真を撮った時のような、絶対に他編成とかぶらないダイヤになっていたりもします(爆)
 ちなみに、増結編成は1072+1080、基本編成は1308以下8連(1308以下4連+1304以下4連で固定8連扱い)でした。この写真では後ろの様子までは分かりませんが、2+2+4+4の編成だったわけです。
 2002.8.12 京急蒲田駅にて撮影
 こちらは同じ編成の1072の台車です。TS-310という形式らしく、東急車輌製の車両が多く装備しているようです。現存する白幕車は全てこのタイプと思われます。
 2002.7.26 生麦駅にて撮影
 1149以下4連です。これも結構古い車両です。実は1225F・1237Fの次の廃車候補なのでは?と思えてならない・・・。
 2002.6.1 生麦〜京急新子安間にて撮影
 1218以下4連+1274以下8連です。平日と言えどもそう簡単に白幕車が優等列車の増結運用に入ることはないので、貴重な姿と言えるでしょう。それにしても、この日の夕方に一番上にある1071編成の特急〜快特運用充当もあり、大当たりの一日でした。
 2002.8.12 能見台駅にて撮影
 1219以下6連です。この撮影をする少し前までは1213Fの中間ユニットを組み込んだ8連だったのですが、新1000形(1001F)投入に伴い、中間2両が廃車となり1219Fは6連化、1231Fが廃車となりました。編成替えの時に重検が施工されたようで、台車等がきれいになっています。
 2002.3.21 京急鶴見駅にて撮影
 ついに廃車されてしまった、最後まで残った三菱車のうちの1編成である、1225以下6連です。
 2002.7.6 京急鶴見駅にて撮影
 川車-三菱製の1000形の多くが装備している、OK-18系台車です(車号は1230)。台車の知識はほとんどないのですが、この形が独特であることはすぐにわかります。
 2002.7.6 京急鶴見駅にて撮影
 こちらは新製冷房車です。このように集中式のクーラーを装備し、行先幕が黒地であることから一目で区別ができます。
 写真は1301以下4連+1305以下4連(以上の8両で固定編成扱い)+1329以下2連+1079以下2連で、4+4+2+2というすごい編成なのですが、残念ながら後部の連結部分はこの写真じゃ判別できないんですよね・・・。最近は1000形の優等列車もだいぶ減ってきましたので、そういう意味での価値もあると思っています。
 2002.7.31 新馬場駅にて撮影
 こちらは幌付バージョンの1344以下4連です。ごく一部の編成の品川方にしか幌がないので、上り列車を何本も撮影していない限りこの表情は写せません。
 2002.7.27 能見台駅にて撮影
 1079以下2連+1329以下2連です。この1079は、相当古そうな番号に見えますが、実はほとんど最後の頃に製造された編成です(確かこの編成の半年後くらいに1243の8連が製造されたのが最後かと)。
 2002.5.22 生麦〜京急新子安間にて撮影
 最後は「黒幕車」の台車です(車号は1286)。京急ファインテック久里浜事業所(旧久里浜工場)の一般公開の際、京急久里浜から見学客を満載して来た臨時列車だったりします。たまたま目の前に止まっていて、きれいな台車だったので写してみました。形式はTH-1000T形で、初期の車両でも一部試用された空気バネ台車が新製冷房車で本格採用となりました。
 2002.6.2 京急ファインテック久里浜事業所にて撮影(一般公開時)

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