・営団地下鉄→東京メトロ5000系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
5007以下10連
営団地下鉄時代の5007以下10連
2003.5.3 東西線南行徳駅にて撮影
 1964(昭和39)年、東西線高田馬場-九段下間の部分開業時から使用されてきた車両で、当時日比谷線で活躍していた3000系と同等の性能で、20m4扉のセミステンレス車です。当初の3両編成から、営業区間の延伸と共に7連への増結、更には混雑緩和のために最終的に全編成が8M2Tの10連とされました。
 制御方式は抵抗制御で2両1ユニットの1C8Mの構成とされ、100kWのモータを使用しました。2M1Tの組成でスタートし6M1Tの7連を経て8M2Tの10連の組成へと変化しました。
 1981年までに7次にわたり増備が繰り返され、途中では千代田線にも使用されたものの、同線(分岐線除く)は6000系に統一され、5000系は東西線に集中配置となり、千代田線から東西線への転属が発生した1981〜1990年頃が7連20編成と10連28編成合計420両の最大勢力となりました(他に千代田線分岐線用に3連2本あり)。また、1966年の2次車と1967年の3次車では一部がアルミ車体で製造され、これらは7連3本となりました。
 1989年からは冷房改造工事が行われ、同時に制御システムが抵抗制御から界磁添加励磁制御に改められ、回生ブレーキの機能が追加されました。国鉄で研究されてきた抵抗制御車の省エネ化改造が営団地下鉄と東武の一部で実行された(国鉄・JRでは実績なし)ものとなります。
 1991年から経年による廃車が始まり(その前に事故廃車は2両ありましたが)、初期には冷房改造対象とならなかった車両の廃車や東葉高速鉄道への譲渡のために除籍された車両が中心となりました。1999年頃からは05系の追加増備により冷房改造済の車両も廃車が進みました。最終的には2007年3月に東西線からは撤退し、千代田分岐線に残ったアルミ車3連2本は2014年に05系初期車の更新車投入により撤退しました。
 東葉高速鉄道への譲渡車は10連12本分の120両となりましたが、東葉高速鉄道1000系となった車両はそのうちの10連10本の100両でした。こちらも後継車として2000系が投入されたことから2004年から廃車が始まり2006年に全車が営業運転を終了しました。
 抵抗制御車走行音[sub5kra.mp3/3.89MB]
 北綾瀬支線に1999年まで残っていた抵抗制御車の走行音です。録音したのが北綾瀬支線でもあり、大した速度も出さないわけですが、特にモーターの音が界磁添加励磁制御に改造された車両が違うものになったわけでもないことが、一応分かるかと思います。それにしても、起動時の「チュイーン」以外はあまりはっきりしないモーター音のような。
 録音は北綾瀬支線綾瀬→北綾瀬間です。ちなみに、ここに残っていた抵抗制御車の3連×2本は東西線から移ってきたアルミ車の3連×2本に追い出される格好で廃車され、5000系は完全に界磁添加励磁制御車に統一されたこととなります。離脱した車両であればその後も東葉高速仕様への改造待ちでの在籍とかはあったみたいですが。
 界磁添加励磁制御車走行音[sub5kfa.mp3/7.30MB]
 こちらは東西線で最後まで活躍した冷房改造車で、冷房による排熱でトンネル内の温度が上昇してしまう分、発電ブレーキによる発熱を回生ブレーキに吸収させることで温度上昇を防止するために界磁添加励磁制御に改造された車両です。本当は国鉄が古い抵抗制御車にこのような改造をすることを考慮して開発していた方式のはずなんですが、これを利用したのは結局この営団5000系と、京阪の一部の車両だけのようです。
 ちなみに、この方式に変更すると、回生ブレーキは25km/h程度で失効してしまい、抵抗制御車の発電ブレーキよりも狭い範囲でしか作動しません。このため、減速時、モーター音が途切れてから扉が開くまでの時間は抵抗制御よりも長くなっているはずです。もっとも、もともとの音がもやもやとしていて分かりにくいのでこの車両の場合は余りよく分かりませんが…。
 録音は東西線葛西→浦安→南行徳→行徳→妙典間です。後ろから2両目で録ったというのに行徳の停車直前に警笛の音が…。それはいいとして、この時代の駅の自動放送で、「行徳、行徳です。1番線はニシフナ『プーー(発車ブザー)』です。」ってなっていまして、これ、少しブザーのタイミングがずれていたら、行き先の部分に放送禁止用語でも使ってるの?と、ふと思ってしまったりします。時々本当にそのような鳴り方になるらしいですが。
 界磁添加励磁制御車走行音[sub5kfb.mp3/9.83MB]
 同じく冷房車で界磁添加励磁制御に改造された車両の走行音です。JR線への乗り入れ列車での録音になります。この走行音も籠もったようなはっきりしない音ではありますが、高速域の音が何箇所か、はっきりと聞こえてきますね。古い世代の三菱製の直流モータによくある響きのようにも感じました。
 録音はJR中央緩行線中野→高円寺→阿佐ヶ谷→荻窪→西荻窪→吉祥寺間です。
 界磁添加励磁制御車走行音[sub5kfc.mp3/4.59MB]
 こちらは東葉高速線内での録音となります。車内が空いている分だけ音がよく聞こえているような…。
 録音は東葉高速鉄道線村上→八千代中央→八千代緑が丘間です。
・その他の写真
 5009以下10連の営団時代の写真で、妙典駅開業記念のステッカーが付いていた時の撮影です。そういう時期ですので、妙典駅、真新しいですね。
 2000.3.13 東西線妙典駅にて撮影
 千代田線北綾瀬支線で運用されていた5951以下3連です。千代田線所属車ですので当然ながら緑色のラインカラーとなります。また、新CS-ATC化のタイミングで分岐線5000系はステンレス車3連2本が廃車となりアルミ車が東西線から転属してATCの改造などが行われたのが特筆されます。
 2001.11.8 千代田分岐線北綾瀬駅にて撮影
 アルミ車体の5150以下10連です。メトロになった後の撮影はこれ1枚しかありませんでした。東京メトロのMのマークは水色の1種類だけで、東西線のラインカラーに近く(まぁ、写真見れば同じではないのですが)、この5000系が一番似合っているように、個人的には思いました。
 2004.10.16 東西線西船橋駅にて撮影
 営団5000系の一部は西船橋〜東葉勝田台間を結ぶ東葉高速鉄道に売却されました。車体更新などが行われていますが、基本的な仕様は営団5000系の冷房改造、界磁添加励磁制御化改造が行われた車両と同等です。写真は1081以下10連です。
 2000.5.3 東西線葛西駅にて撮影
 同じく東葉高速鉄道1000系の1060以下10連です。
 2003.5.3 東西線南行徳駅にて撮影
 5247から5016号車方向の室内です。壁の色が黄色の近い、かなり濃いクリーム色なのが特徴です。
 2004.10.16 東西線西船橋駅にて撮影
 東葉高速鉄道1000系の1059から1050号車方向の室内です。確か営団5000系で更新された車両も同じような薄いクリームの化粧板になっていたように思います。シートモケットはたぶん東葉車独特のカラーだと思います(あまり記憶が残ってないけど…)。
 2003.2.22 東葉高速鉄道線東葉勝田台駅にて撮影
 5312号車の台車です。
 2003.5.3 東西線南行徳駅にて撮影

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