・営団地下鉄→東京メトロ8000系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
8113以下10連
営団時代、幕車の3次車8113以下10連
2002.5.2 東急田園都市線藤が丘駅にて撮影
 1981(昭和56)年、それまで東急の車両を借り入れて運転していた半蔵門線用の自社車両として投入されました。6000・7000系を基本とした20mのアルミ車体ながら、初めて1段下降式の側窓やフロン沸騰冷却式のチョッパ装置を採用し、冷房準備工事も行われました。運転台は東急8500系に合わせたT形のワンハンドルマスコンが営団では初めて採用されています。
 当初は6連と8連でしたが、2次車の投入で全て8連化、1990年の5次車投入時までに8連7本、10連12本となり、1994年、05系初期車のような構体の中間車(6次車)を増備して全て10連となりました。
 冷房準備車だった1〜3次車は1988年以降に冷房化された他、増備途中では3次車12〜14編成の登場後半年程度東西線で運用されました。東西線運用時はツーハンドルマスコンでしたが半蔵門線への移籍に合わせてワンハンドルマスコンへの改造が行われています。その後しばらくは大きな動きがありませんでしたが、2004年から2015年にかけて大規模改修工事が実施され、同時に制御方式がチョッパ制御からVVVFインバータ制御に変更されています。6000系、7000系よりも後の実施であり、両形式の後期改造車と同様の5M5T編成、2レベルIGBTへの変更で統一されています。
 2021年4月時点では10連19本が在籍していましたが、18000系投入による置き換えが発表されており、あと数年で引退が予想されます。2022年4月現在は10連16本に数を減らしています。
 チョッパ車(三菱)走行音[sub8kcma.mp3/4.87MB]
 8000系は全編成とも7000系と同じAVF方式のチョッパ制御で、フロン沸騰冷却式が当初から採用されたため、6000・7000系初期車にあったような送風に起因する騒音は解消されています。この車両の個体差なのかどうかは不明ですが、力行中常にチョッパ音が鳴っていました。このファイルの最後の駅間がおそらく100km/hオーバーの無惰行運転のようですが、チョッパ音が途切れませんね。
 録音は東急田園都市線あざみ野→江田→市が尾→藤が丘間です。
 チョッパ車(三菱)走行音[sub8kcmb.mp3/3.03MB]
 こちらは別の編成での録音になります。同じく三菱製チョッパ装置の搭載車ですが、こちらは60km/hくらい(?)であっさりとチョッパ音が止まります。こっちが普通だとは思いますが。日立製チョッパ装置の車両は、気づいたら録音しないうちになくなっていました。それと、6000系や7000系よりも歯数比は高速向けに振られているようですね。起動時のモーター音が重たくなるはず、ですがよく分かりませんね。
 録音は東急田園都市線梶が谷→宮崎台→宮前平間です。
 VVVF改造車走行音[sub8kima.mp3/1.68MB]
 更新工事(B修)とともにVVVF改造された車両の走行音です。改造からそれほど時間がたっていない頃の録音になります。チョッパ時代の6M4T編成から05系最終グループなどと同じ5M5T編成に改められています。非同期モードの音は05系よりも音程が低めで、大きくはっきりしていて、ほぼ一定の高さで「ヒュルヒュル」と鳴るタイプです。非同期モードの間に上がってくるモーター音は近鉄のシリーズ21のような大きな唸りが混ざっていますね。歯数比が高速向けだからなのか、単純に三菱製モーターだからか、どちらでしょうかね。
 録音は東急田園都市線鷺沼→たまプラーザ間です。
 VVVF改造車走行音[sub8kimb.mp3/5.15MB]
 こちらは別の編成での録音になります。上のファイルよりも非同期モードに高めの成分が多いでしょうかね。すごく微妙な感じですが。モーターの「唸り」などの特徴は上のファイルとも同じですね。ドアチャイムも営団タイプのものです。
 録音は東急田園都市線藤が丘→市が尾→江田→あざみ野間です。この付近は下り線の走りはかなりいいのですが、上り線はイマイチみたいですね。藤が丘と江田の2駅に、東急お得意(?)の超高速通過分岐器を備えた待避線があります(江田は上下線両方、藤が丘は上りだけ)。
 VVVF改造車走行音[sub8kimc.mp3/10.0MB]
 同じくVVVF改造車の走行音で、東武の複々線区間での録音になります。ある程度の速度は出してくれるのですが、急行線から停車させるには分岐を通過する駅(つまり急行線の外に通過線がある駅)が交互に現れるので、複々線区間でストレートに飛ばす区間は残念ながら皆無ですね。結局東武動物公園から南栗橋の末端区間の方がいい走りになるんです。
 録音は東武伊勢崎線西新井→草加→新越谷間です。
 VVVF改造車走行音[sub8kimd.mp3/6.81MB]
 同じくVVVF改造車の走行音で、もう1本、田園都市線内での録音です。高速走行が続く区間での録音です。非同期モードの間に上がってくるモーター音は小さめですね。
 録音は東急田園都市線市が尾→藤が丘→青葉台→田奈→長津田間です。
 VVVF改造車走行音[sub8kime.mp3/6.57MB]
 同じくVVVF改造車の走行音で、最後にようやく、JR仕様のドアチャイムで改造された編成の走行音です。東武側の末端区間での録音です。東急側での走りにはかないませんが、とりあえず90km/hは超えてくれます。100km/hまで上がるかどうかは運次第ですが…。
 録音は東武日光線杉戸高野台→幸手→南栗橋間です。
・その他の写真
 1次車でトップナンバーの8101以下10連です。東京メトロへの移行後で行先表示器は3色LED化後(現在は更にフルカラーに交換済らしい)、更にVVVF制御への更新工事も施工された後の撮影です。中間の8600形と8700形(写真の6両目と7両目)は8000系最終増備の6次車で、車体断面は05系初期車と同じになっています。このため、車体裾の高さがその2両だけ不揃いになっているのが分かると思います。他に、窓の大きさなど細かな違いも多数あります。
 2016.12.28 東急田園都市線あざみ野駅にて撮影
 1次車の8106以下10連です。新造時は6両編成で、2次車として中間車が増結されて8両編成に、そして最終6次車で更に2両増結して10両編成になった変わり種の編成と言えるのではないでしょうか(他にも1次車で6両編成で登場したものはありますが、一応同じ1次車として中間車を増備して8両になってたようです)。
 この写真も東京メトロへの移行後で、行先表示器は3色LED(現在はフルカラーに交換済らしい)、VVVF制御への更新後です。
 2017.5.1 東急田園都市線あざみ野駅にて撮影
 2次車の8007以下10連です。07〜09の3編成のうちの8両と1次車06編成の増結用2両が2次車です。08と09編成は4次車で増結されたのできれいな10両編成になりましたが、07編成は1次車の各編成と同じように6次車を組み込んで10両化されたため、やはり編成途中に異なる車体の車両が入ります。この写真の向きだと4両目と5両目が該当します。
 この写真も東京メトロへの移行後で、行先表示器は3色LED、VVVF制御への更新後です。
 2018.8.13 東急田園都市線鷺沼駅にて撮影
 3次車の8114以下10連です。3次車の12〜14編成は10両編成で初めて新造された8000系であり、半蔵門線での運用前に一時的に東西線に投入されて05系登場までのつなぎの役割を果たした特異な経歴の持ち主となります。他には1、2次車の暫定10連化用中間車もありました(こちらは4次車用車両の先行投入のような感じ)。
 この写真も東京メトロへの移行後でVVVF制御への更新後ですが、行先表示器はここまでの写真とは異なり、フルカラーLED仕様になっています。
 2018.8.13 東急田園都市線たまプラーザ駅にて撮影
 4次車の8115以下10連です。4次車は11編成の10両全車と、15〜19編成のうちの8両(残り2両は4次車で新造済の中間車)と、08・09編成の中間車が該当します。4次車は半蔵門線の半蔵門〜三越前間の延伸用の車両でした。
 この写真も東京メトロへの移行後でVVVF制御への更新後です。行先表示器はフルカラーLED仕様で、準急表示の状態になります。
 2021.11.28 東急田園都市線あざみ野駅にて撮影
 5次車の8110以下10連です。三越前から水天宮前の1区間の延伸用に製造された編成で、ただ1編成の増備となりました。編成としての増備はこの編成が最後であり、最後に空いていた10番編成となった形です。
 この写真も東京メトロへの移行後でVVVF制御への更新後です。行先表示器は3色LED仕様の時期の写真です(今はフルカラーらしい)。
 2016.12.20 東急田園都市線あざみ野駅にて撮影
 8212号車から8112号車方向の室内です。更新工事完了後の撮影となりますので、大形の袖仕切や7人掛けシートの途中のつかみ棒などが完備されています。ドア上には液晶表示器が付いていますね(これは更新時期によるもので、全車ではないですが…)。
 2016.12.28 東急田園都市線長津田駅にて撮影
 8814号車の三菱製チョッパ装置です。この8000系は6000系3次車や7000系2次車の登場からしばらく時間が経った頃の設計で、6000系4次車や7000系3次車の母体ともなった車両であるため、仕様はこれらの車両とほぼ同じで、チョッパ装置はフロン沸騰冷却式のものが当初から使用されています。形は6000系や7000系も同じです。
 2002.5.2 東急田園都市線藤が丘駅にて撮影
 8816号車の日立製チョッパ装置です。日立製についても、6000系4次車以降や7000系3次車以降と同じ形状になります。
 2002.5.2 東急田園都市線長津田駅にて撮影
 8801号車の三菱製VVVF装置です。6000系や7000系のVVVF更新仕様の複雑さと比べたら物足りないくらいにあっさりしていて、8000系のVVVF更新車は全てこのタイプの装置となります。6000系4次車以降や、7000系では副都心線仕様化と同時にVVVF化されたグループが同仕様となります(もちろん、そのうちの三菱車、と限定されますが)。
 1C4M×1群または2群で10000系等と同じ思想での設計です。1群の車両は片面からだけ、2群の車両は両方の側面から同じ機器が見えます。
 2016.12.20 東急田園都市線あざみ野駅にて撮影
 8610号車のSIVです。東芝製で、東芝製らしいパワーユニットが見えていますね。10000系のSIVとも同形状のようです。
 2016.12.20 東急田園都市線あざみ野駅にて撮影
 8801号車の台車です。国内で初めて営業運転に投入されたボルスタレス台車で、SUミンデン式ボルスタレス台車と分類される形状で、SS-101形です。
 2016.12.20 東急田園都市線あざみ野駅にて撮影

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