・701系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
クハ700-19以下2連とクハ700-8以下3連
共に秋田所属でラインカラー張替え後のクハ700-19以下2連(左)と張替え前のクハ700-8以下3連
2003.9.14 奥羽本線弘前駅にて撮影
 1993年、東北地区に残っていた客車列車の置換えとワンマン運転実施により効率化を図るために登場した交流専用の3扉ロングシート車です。発電ブレーキ付のVVVFインバータ制御で、秋田地区に投入された0番代では補助電源が電動発電機でしたが、1994年度の100番代と東北本線向けの1000番代ではSIVになり、1996年には田沢湖線用の標準軌セミクロス車5000番代、1998年にはロングシートで回生ブレーキ付の1500番代、1999年には山形新幹線新庄延長用の5500番代が登場しています。
 発電制動車はサイリスタ混合ブリッジ回路によるコンバータが、回生車ではIGBTによる3レベルPWMコンバータが使用され、共にインバータ部はパワートランジスタによる3レベルインバータとなっています。
 新製配置は青森、秋田、盛岡、仙台、山形で、東北地方の多くの電化路線で活躍しています。2009年度からは主変換装置や補助電源装置などの機器更新工事が始まっており、E721系との互換性の強い機器構成となりました。
 青森所属車は2010年12月の東北新幹線新青森開業に伴い青い森鉄道に譲渡となり、青森への配置はなくなりました。また、それ以前にもIGRいわて銀河鉄道や青い森鉄道に譲渡された車両や、両社からの発注による701系1500番代と同等の車両なども活躍しています。
 走行音(0番代3連)[701-0a.ra/369KB]
 秋田地区に投入された0番代車の走行音です。この地区にのみ3連が投入されており、これはその3連の走行音ですが、特に音が違うということもないようです。中速域以上では加速が重たそうにも感じられますが…。パワートランジスタを使ったインバータだということですが、209系と似たような音で、非同期モード(もしかすると最初から同期モードかも)の音がよく響くことと、回生ブレーキではなく発電ブレーキであるために電気ブレーキの失効する速度も高く、ほとんどVVVFらしい音になっていない、という違いがあります。
 録音は、清水さん提供で奥羽本線北常盤→川部間です。
 走行音(0番代2連)[701-0b.mp3/2.03MB]
 こちらは同じく秋田地区の0番代で、2連の走行音です。3連と比べると中速域以上の加速感の違いがわかるのではないでしょうか。また、秋田新幹線区間での録音のため、100km/h超まで加速してくれます。
 この車両に関しては、中速域で音階を奏でているように聞こえてきますね。車輪のフラットも気になりますが…。
 録音は奥羽本線刈和野→峰吉川間です。
 走行音(100番代)[701-1a.mp3/1.82MB]
 秋田地区に投入された100番代車で、補助電源装置をMGからSIVに変更したことによる番代区分のため、走行音の違いにはつながりません。とは言っても、モータのロットの違いか、メーカの違いか、低速域でよく唸るモータが使われているようです。また、中速域ではヒュルヒュルと、そして高速域では風切り音みたいな音が耳につきますね。他にF2-106編成でも録音したことがありますが、低速域についてはこの車両よりも激しく唸るくらいでした(いろんな雑音が多かったので公開はしてませんが)。
 録音は東北本線東白石→北白川間です。もとは秋田地区に投入された車両ですが、山形新幹線の新庄延伸による秋田地区の余剰車発生と常磐線北部区間のワンマン運転開始のため仙台地区に転属し、いつの間にやら常磐線限定でもなくなり、という流れのようです。その後E721系の追加増備などによりほとんどの100番代車は秋田に里帰りしました。
 走行音(1000番代110km/h運転)[701-1ka.mp3/2.77MB]
 盛岡地区と仙台地区に配置された1000番代の走行音です。1000番代への区分はパンタグラフの変更が主な理由のようです。
 録音した車両は長らく仙台車両センターに配置されていましたが、2011年8月に盛岡に転属していたようです。2012年4月の乗車時、仙台地区のラインカラーのままでしたが。
 この車両の音については、大きな特徴はないように思いますが、パルスモードの切り替わりの度に、他の車両よりもはっきりとした音になっているところが多いようにも思います。
 録音は東北本線平泉→前沢間です。盛岡支社管内では110km/h運転の実施区間がかなり長いようです。この区間については前半に速度制限があり、1分45秒付近からの再加速以降、本領発揮となります。
 走行音(1000番代)[701-1kb.mp3/1.91MB]
 同じく1000番代車の走行音です。この車両の音は、取り立てて特徴もない、普通の音のようにも感じられますが、起動時など、少し軽い響きでしかも出足が速いように感じます。
 録音は東北本線船岡→槻木間です。
 走行音(1000番代)[701-1kc.mp3/1.58MB]
 同じく1000番代車の走行音です。中速域で、弱くではありますが、音階を奏でながら速度が上がっていくタイプのようです。その他は特に変わったところはないのではないでしょうか。全体的にも、1000番代が一番特徴が少ないグループであるようにも感じられます。
 録音は東北本線矢幅→古館間です。
 走行音(5000番代)[701-5ka.mp3/1.38MB]
 秋田新幹線開業時、田沢湖線区間の普通列車用として投入された車両です。1000番代をベースに標準軌の台車に履き替えられた車両ですので、音も特に変わりません。この車両については、パルスモードの切り替わり時などに、軽く「ヒュン」という雑音が乗るようです。
 録音は田沢湖線羽後長野→鴬野間です。最高速度は今ひとつの区間ですが、ストレートな加減速をしてくれます。
 走行音(5000番代)[701-5kb.mp3/1.97MB]
 同じく5000番代車の走行音です。最高速度である110km/hまで出していた区間ですので掲載してみます。トンネルがあったり、駅構内では何段階かに分けて減速したりと、あまりいい区間ではないんですがね…。
 録音は田沢湖線刺巻→田沢湖間です。
 走行音(1500番代)[701-15a.mp3/1.81MB]
 こちらは田沢湖線用の5000番代の次に登場したグループで、仙台地区に投入されています。一部セミクロス車なのか、と期待をさせられたものですが、従来通りのオールロングシート車でした。では何が違うのかといえば、CI装置のコンバータ部にIGBT素子を用い、PWMコンバータとすることでようやく交流回生ブレーキが使用できるようになったということです。そのため、従来屋上に設置されていた発電ブレーキ用抵抗器は見られなくなっています。一部雑誌ではインバータ装置の素子をIGBTにしたなどと書かれていたのですが、これは大きな間違いで、コンバータがIGBTになっただけで、インバータは従来通りのパワートランジスタですので、VVVF音は従来通りです。回生ブレーキの失効速度も従来車と合わせたのか、20km/h程度ですので、パルスモードが1回切り替わるかどうかというあたりで回生失効します。この他、モータに通電されている間常に「ジーー」という感じの音が比較的強く聞こえてきます。これはCI装置の付近から出ているように思われます。
 この車両に関しては、パルスモード切替と前後して「ヒュン」という雑音が強く聞こえてきます。5000番代の走行音にも同様のものがありましたが、この車両の方が明らかに強いです。減速時にも何回か聞こえてきますし。1500番代の後半の車号ではこのような車両が多いようです。
 録音は東北本線北白川→東白石間です。
 走行音(1500番代)[701-15b.mp3/1.47MB]
 同じく1500番代車の走行音です。登場からそれなりの年数を経過してからの録音であり、当然工場への入場も経験した後になりますので、モータが他車と振り替わったものと思われまして、1500番代後期車独特のヒュンヒュン鳴るモータではなくなってしまいました。1500番代の変調パターンで、普通の701系のモータの組み合わせ、といったところでしょうか。
 録音は東北本線花泉→清水原間です。
 走行音(5500番代)[701-55a.mp3/2.46MB]
 山形新幹線新庄延長に伴い製造された5500番代の走行音です。田沢湖線向けには一部ボックスシートが設置されましたが、こちらはオールロングシートでの登場でした。同じ路線で活躍している719系5000番代との接客設備の差はだいぶ激しいものがあります。
 モーター音はようやくVVVFらしくなったのが特徴で、回生ブレーキも停止直前まで効くようになりました。雰囲気的には209系とは少し異なっています。あとは1500番代同様「ジーー」という感じの音がよく聞こえています(このファイルではほとんど聞こえません)。
 701系の回生ブレーキはこの車両のように停止直前まで電制を使えるということが証明されたわけで、やはり1500番代は従来車と電制の切れるタイミングを合わせているだけ、ということなのでしょう。どうせぴったり合ってるわけじゃないんだから、1500番代だけでも電制の速度を広げてしまえばいいのに、と思いますが…。
 この車両については、全検時に1500番代後期車のモータでも流れてきたのか、加速時に何度もヒュンヒュンと鳴っています。
 録音は奥羽本線羽前中山→かみのやま温泉間です。断続的な加速ではありますが、この区間では110km/hまで達しています。
 走行音(5500番代)[701-55b.mp3/1.39MB]
 同じく5500番代の走行音です。最高速度は110km/hまでは出ませんが、ストレートな加減速をする区間の走行音です。登場からそれほど経過していない頃の録音ですので、新製時のモータだったのではと思います。ところどころ、レコーダの特性により高音のノイズが入ってしまっています…。
 録音は奥羽本線天童→乱川間です。
 機器更新車走行音(1000番代)[701-1kia.mp3/1.95MB]
 機器更新により主変換装置をIGBT素子使用の、E721系と同等の装置に換装された車両の走行音です。0番代とそれ以外で形式名が違っていますが、補助電源の違いにより何か取り扱いが違うという程度だと思われます。
 数少ない4連の、中間電動車での録音です。4連はワンマン対応になっていないため、当初からドアチャイムの装備はありません(と言うか、機器更新のタイミングでも設置されなかったんですね…)。VVVF音についてはE721系と同様の、弱めのヒュルヒュル音の非同期モードですが、加速は非同期が長く減速は短いアンバランス形のE721系とは異なり、加減速とも50km/h付近まででバランスのとれたパターンになっています。
 録音は東北本線船岡→槻木間です。
 機器更新車走行音(1000番代)[701-1kib.mp3/1.81MB]
 同じく機器更新された1000番代車での録音です。2両ワンマン列車での録音のため、自動放送なども入っています。それにしてもフラットが…
 録音は東北本線桑折→伊達間です。
・その他の写真
 秋田から仙台に701系100番代を転用し、常磐線北部区間のワンマン運転を開始した際、この写真のように秋田地区用の姿のまま常磐線に運用されていました。
 写真はクモハ701-105以下4連(105番+102番)です。
 2000.2.27 東北本線仙台駅にて撮影
 クモハ701-6以下3連で、秋田配置の車両です。機器更新はまだ受けていない時の写真ですが、帯色の変更やパンタグラフのシングルアーム化、スノープロウ一体型のスカートへの換装などは行われているようです。それにしても雪の写り込みが…。
 2010.3.21 東北本線青森駅にて撮影
 クハ700-1005以下2連で、これは青森配置の車両です。主に東北本線一ノ関〜青森間と津軽線で活躍していました。盛岡支社としての統一されたカラーリングのようです。現在では青森車両センターに所属していた車両は、機器更新の上で青い森鉄道に譲渡されました。
 2003.9.14 東北本線青森駅にて撮影
 クモハ701-1036以下2連で、これは盛岡配置の車両です。東北本線一ノ関以北で運用されていて、一部はIGRいわて銀河鉄道への乗り入れも行っています。それにしても、郡山総合車両センターで検査を受けているんだと思いますが、床下が見事なライトグレーになってますね。
 2010.3.20 東北本線盛岡駅にて撮影
 こちらは仙台地区用の車両で、クハ700-1024以下6連(後の編成は不明)です。719系で使用されたラインカラーとほぼ同じものとなっています。この写真は先頭が1000番代2連、次が1500番代初期車2連、最後が1500番代後期車2連となっているようです。クモハの運転台側の屋上に、0、100、1000の各番代では抵抗器が載っていますが、1500番代と5500番代には搭載されていません。また、トイレの位置なども下の2枚の写真と見比べて頂くと、判別できると思います。
 2006.4.30 東北本線松川〜金谷川間にて撮影
 こちらは仙台地区用の車両で、クハ700-1507以下4連(後はクハ700-1505以下2連です。デザインは1000番代の仙台所属車と同じですが、1500番代ではクモハの運転台側屋上の抵抗器がなくなった点が大きな違いです。
 2006.5.15 東北本線国府多賀城駅にて撮影
 こちらは仙台地区用の車両で、クモハ701-1518以下6連(後はクモハ701-1512以下2連とクモハ701-1028以下2連)です。1500番代前期車ではクハの後位側にトイレがありましたが、1500番代後期車では、この写真でも分かるように、クハの運転士席の少し後に大型の車イス対応トイレが設置されています。
 2006.5.15 東北本線国府多賀城駅にて撮影
 こちらは田沢湖線用の5000番代車で、クモハ701-5001以下2連です。比較的明るめの色使いに変わったのが特徴と言えます。
 2006.12.2 奥羽本線大曲駅にて撮影
 こちらは山形新幹線新庄延長に合わせて増備された5500番代車で、クハ700-5501以下2連+クハ700-5508以下2連の計4連です。百位が5になっているのは1500番代同様回生ブレーキ仕様であることを意味しているのではないかと思います。もちろん千位の5は標準軌仕様という意味でしょうね。色は仙台地区仕様ですが、5000番代同様テールライトの位置が乗務員室窓上部に移されています(この写真ではヘッドライトが点灯しているので分かりませんが)。
 2000.2.26 奥羽本線山形駅にて撮影
 クモハ701-22からクハ700-22方向の室内です。秋田地区はこのように緑系のシートと妻面のパープル系の彩色が特徴です。
 2006.9.25 奥羽本線横手駅にて撮影
 クモハ701-104からクハ700-104(更に別編成が連結されてますが)方向の室内です。仙台所属時の撮影です。妻面の壁の色は秋田地区のパープル系、シートモケットは仙台地区のピンク色になってますね。
 2008.1.25 東北本線白石駅にて撮影
 クモハ701-1007からクハ700-1007方向の室内です。盛岡所属車はこのように、紫色のシートが特徴です。妻面の壁は薄いピンク系だったように思いますが、ほとんど分かりませんね。現在はこの車両は青い森鉄道に移籍しています。
 2002.10.14 東北本線盛岡駅にて撮影
 サハ701-1001からクハ700-1016方向の室内です。仙台所属車はこのように、妻面の壁が木目調になっているのが特徴です。数少ない中間車でもあります。
 2008.11.6 東北本線仙台駅にて撮影
 クハ700-1506からクモハ701-1506方向の室内です。妻面の壁が木目調なのは1000番代の仙台車と同様です。1500番代の1次車のため、トイレは通常タイプで連結面寄り(写真の奥の方で左側)にあるのですが、写真では全く目立ちませんね。
 2008.1.25 東北本線白石駅にて撮影
 クモハ701-5001の室内です。5000番代ではこのように、千鳥配置のボックスシートが取り付けられました。結局701系で新製時からのクロスシート採用はこれだけで、後に秋田地区の0番代2連の一部編成に、同様のシートへの改造が行われただけです。
 2006.12.2 奥羽本線大曲駅にて撮影
 クモハ701-5508からクハ700-5508方向の室内です。仙台地区の狭軌線向け701系と同じような室内になります。
 2009.1.26 奥羽本線山形駅にて撮影
 クモハ701-5のVVVF装置です。これは海側の側面の様子です。左側2つのパワーユニットがコンバータ部、右側2つのパワーユニットがインバータ部と思われます。中央の1つはなんだか分かりませんが…。山側にインバータ部と思われるパワーユニット3個組があることを考えると、コンバータ部は単一系、インバータ部は1C2M×2群相当の構成になっているようです。ただ、わざわざ5000番代が出たときにモータ2個単位で開放できると紹介されていたことがあったので、それ以前の車両は制御単位としては4個一括とされているのかもしれません。
 2006.8.6 奥羽本線大館駅にて撮影
 クモハ701-8のVVVF装置です。これは山側の側面の様子です。山側にはインバータ部と思われるパワーユニット3つだけが見えます。
 2003.9.14 奥羽本線弘前駅にて撮影
 クモハ701-1036のVVVF装置で、海側の側面です。0番代と特に違いはありません。検査上がりだったようで、大変きれいな状態です。
 2010.3.20 東北本線盛岡駅にて撮影
 クモハ701-1516のVVVF装置海側です。一番左側にゲート制御部、次の2つのパワーユニットがコンバータ部、残りの3つがインバータ部であると思います。山側も同じ構成のものが見られ(しかも順序も同じ)、コンバータもインバータも1C2M×2群の構成になっているようです。
 2012.4.8 東北本線一ノ関駅にて撮影
 クモハ701-1506のVVVF装置山側です。海側と基本的に同じ配列のものがそのまま見えます。ただし、なぜか一番右のパワーユニットだけが少し小さいんですよね。ここが謎です。
 2008.1.26 東北本線郡山駅にて撮影
 クモハ701-5001のVVVF装置です。海側の写真
 2006.12.2 奥羽本線大曲駅にて撮影
 クモハ701-5005のVVVF装置です。山側の写真ですが、0番代などと同様、インバータ部の3相分のパワーユニットと思われる部分だけが見えます。
 2002.10.12 東北本線盛岡駅にて撮影
 クモハ701-5503のVVVF装置です。山側の写真で、1500番代と何ら変わりはありません。同じように一番右のパワーユニットだけが小さくなっています。それ以上は特にコメントすることもないでしょう。
 2009.1.26 奥羽本線山形駅にて撮影
 クモハ701-23のVVVF装置で、機器更新後の山側です。今回はE721系と同様、公式に1C2M×2群であることも謳われています。
 2010.3.21 奥羽本線秋田駅にて撮影
 クモハ701-1019のVVVF装置で、機器更新後の山側です。秋田地区のも仙台地区のも山側での撮影だけになってしまいました。残りはまた別の機会に…。
 2012.4.8 東北本線白石駅にて撮影
 クモハ701-19の台車です。209系などと同系統の軸梁式のボルスタレス台車です。
 2003.9.14 奥羽本線弘前駅にて撮影
 クモハ701-1036の台車です。0番代と特に違いはないと思います。
 2010.3.20 東北本線盛岡駅にて撮影
 クモハ701-5001の台車です。標準軌用の用が台車枠の形が単純なようにも見えます。
 2006.12.2 奥羽本線大曲駅にて撮影
 クモハ701-5503の台車です。
 2009.1.26 奥羽本線山形駅にて撮影


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