・キハ183系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
キハ183-3563以下5連
「北斗14号」キハ183-3563以下5連(182-2551+キロ182-2553+キハ182-2560+183-4562)
2006.10.30 函館本線苗穂〜白石間にて撮影
 1979(昭和54)年に試作車が、1981年から量産車が製作された特急形気動車で、キハ80系の置換え用として登場しました。先頭の「スラントノーズ」が特徴で、普通車の車内には簡易リクライニングシートが採用されました。
 編成は最大10両での組成が考慮され、両先頭車に発電エンジンを搭載するほか、発電機付の中間車(キハ184形)が準備されました。以上試作車と0番代車は、1983年までにキハ183形(先頭車)4+20両、キハ182形(中間車)6+48両、キハ184形(発電機付中間車)1+11両、キロ182形1+10両が製造されました。
 JR化直前の1986年には、車内アコモの改善やスピードアップへの対応が図られた、500番代車が登場しました。エンジンのパワーアップと、貫通形先頭車やハイデッカーグリーン車の登場、連続窓風の側窓などが特徴となりました。このグループはキハ183形500代(発電機なし・トイレ付先頭車)7両、1500代(発電機付・トイレなし先頭車)7両、キハ182形500代(中間車)14両、キロ182形500代8両が製造されました。
 1988〜90年には、更なるパワーアップによる130km/h運転準備車としてキハ183形1550代(発電機付・トイレなし先頭車)16両、キハ182形550代12両が製造され、このグループの一部と、キロ182形500代には、ブレーキの改良など、130km/h対応の本工事が93年頃に実施されました。
 現在では試作車が全廃されるなど、初期車を中心に廃車も発生していますが、「北斗」「オホーツク」「とかち」「サロベツ」「まりも」など、まだ北海道内各方面で活躍を続けています。
 0番代走行音[dc182-0a.rm/1.28MB]
 キハ182形0番代にはDML30HSI形エンジン、キハ183形0番代にはDMF15HSA形エンジンが搭載されています。どちらも同世代のエンジンで、DMF15系列は12気筒のDML30系エンジンを半分の6気筒に縮小したような造りとなっています。このため、どちらのエンジンも同じような音をたてます。
 DML30HSシリーズであることから想像のつくとおり、キハ65形などと同系統の音が鳴るのが特徴です。キハ65形の500PSに対して、440PSでの使用と、やや出力を絞っていますが…。
 録音は「とかち5号」西早来信号場(南千歳-追分間)→追分間です。
 キハ183形0番代は録音していませんが、キハ40系とほとんど同一の装備のようですし、正直、どうでもいいかな、と。
 キハ183形1500番代走行音[dc183-15.rm/2.76MB]
 国鉄末期に登場した500番代シリーズの先頭車で、発電セット装備のため、小形の走行用エンジンを搭載した車両です。エンジン形式はDMF13HSで、同時期の一般形気動車にも広く採用された、直噴式エンジンの初期形になります。このタイプはエンジン音がだいぶこもった雰囲気になってしまうことが特徴です。しかしながら、変速機形式が、一般形気動車のDMF13HS搭載車とは異なり、キハ183系用の変速機を使用していることから、高速域の雰囲気は少し違うようです。
 録音は「北斗4号」登別→東室蘭間です。加速途中で携帯電話の着信音(?)を鳴らしている者がいたようです。放送では耳にタコができるくらい、マナーモードにするよう…、と言われているのに…
 キハ182形500番代走行音[dc182-5a.rm/2.56MB]
 上と同じ、500番代シリーズの中間車、キハ182形500番代の走行音です。キロ182形500番代や、トイレ付先頭車であるキハ183形500番代も同じエンジンを装備しています。
 こちらはDML30HSJ形エンジン装備で、直噴化と高回転化が施されたことで、キハ65形よりも強力な、550PS設定となりました。そのため、エンジン音もかなり変化し、発車時の「ガルルル…」はかなり弱くなったものの、音量は相変わらず大きいです。また、ギア音のようなものが比較的大きく聞こえます。(個体差かもしれません)
 録音は「北斗4号」伊達紋別→洞爺間です。
 キロ182形500番代走行音[ds182-5a.rm/1.80MB]
 キハ182形500番代と同じ足回りを持つ、キロ182形500番代の走行音です。
 客室の場所が、従台車側から、エンジン直上くらいまでしかないため、エンジン直上での録音が限界となります。この音も、エンジン直上付近での録音であるため、変速機からの音やギア音などがほとんど聞こえてきません。それに、ジョイント音もほとんど聞こえてきませんね。グリーン車の居住性を重視したせいなんでしょうかね(そうだとしても実際には自動ドアがうるさく、乗務員も含め出入りが多いから決して静寂な空間には絶対にならないというオチがありますが))。
 録音は「とかち10号」十勝清水→新得間です。
 キハ183形3550番代走行音[dc183-55.rm/2.32MB]
 JR化後に登場した550番代シリーズの先頭車で、「スーパー北斗」登場に合わせ130km/h運転対応となった、キハ183形3550番代の走行音です。同種の車両では120/130km/h両対応のキハ183形4550番代や、そもそも高速化改造を受けていないキハ183形1550番代があります。
 エンジン周辺の改造は特になく、1550番代時代からのDMF13HZエンジンを装備しています。エンジン形式としてはNDCシリーズなどに広く採用されたタイプですが、変速機の違いからか、あまり高めの音は聞こえてきません。インタークーラーの音もほとんど聞こえてこないようです。編成中の他車が660PSエンジンに統一されていることもあり、たいしたパワーを出さなくても走れてしまうというのもあるのかもしれませんが…。この車両のエンジン音はかなり小さめという印象も受けました。座席下からのビビリ振動の音の方がよほどはげしかったですし…。
 録音は「北斗5号」洞爺→伊達紋別間です。
 キハ182形2550番代走行音[dc182-55.rm/2.33MB]
 JR化後に登場した550番代シリーズの中間車で、「スーパー北斗」登場に合わせ130km/h運転対応となった、キハ182形2550番代の走行音です。130km/h化にあたってのエンジン周辺の改造はなかったようで、登場時から600PSエンジンであることに変わりはありません。インタークーラー付となり、500番代と比べても一つ世代が変わった感があります。直結段でもう少しエアー音みたいなものが聞こえてもいいようには思いますが…。
 録音は「北斗5号」洞爺→伊達紋別間です。
 キロ182形2550番代走行音[ds182-55.rm/2.35MB]
 「スーパー北斗」投入時、「北斗」のグレードアップのため、キロ182形500番代から改造されました。元来、550番代シリーズ(NN183系)投入時、グリーン車の増備がなかったため、NN183系での組成であってもグリーン車だけは500番代以前の車両でした。
 この車両は、キロ182形500番代のDML30HSJエンジンにインタークーラーを追加することで、DML30HZエンジンに改造されています。その関係でキハ182形550番代(現2550番代)とは音が違うとは思うのですが、そもそもグリーン車は車体構造が違いすぎるため、単純比較ができません。
 録音は「北斗5号」洞爺→伊達紋別間です。台車から遠く、ジョイント音も聞こえないため、どこまでが走っている時間なのか、よくわかりません。
 キハ183形200番代走行音[dc183-2a.rm/1.73MB]
 1992年以降、「北斗」130km/h運転化のための編成組替えをするため、NN183系の捻出に伴うパワー不足を補うため、キハ183形0番代をエンジン換装し、キハ183形200番代が登場しました。エンジン、変速機とも換装され、変速1段・直結2段仕様となりました。しかし、直結1段仕様で変直手動切替の従来車と連結するため、運転士による変直切替操作は残っています。このファイルでは1分11秒付近で変直自動切替が、1分45秒付近では直1→直2の切替が入り、1分48秒付近では運転士による変直切替操作が行われているようです。
 直結2段仕様の変速機に交換されたことから、従来のキハ183系とは一線を画した、新世代気動車の走行音に変わっています。
 録音は「とかち5号」新得→十勝清水間です。
 キハ183形200番代走行音(空転あり)[dc183-2b.rm/1.30MB]
 同じくキハ183形200番代の、空転ありの走行音です。出力アップされてはいますが、台車形式が変わっていないこともあり、おそらく1軸駆動のままなんでしょう。ここまで派手に空転する気動車には当たったことがありませんでした。
 録音は「とかち9号」南千歳→駒里信号場(南千歳-追分)間です。
 キハ183形200番代加速音(空転あり)[dc183-2c.rm/1.07MB]
 同じくキハ183形200番代の、より激しい空転音です。変速段の、起動後まもなく、ノッチ段数を上げた途端に大空転が始まります。直結段への自動切替は一体どう判断したのやら…、と思ってしまいますが。
 録音は「とかち9号」駒里信号場発車時です。
 キハ182形200番代加速音[dc182-2a.rm/717kB]
 1994年にキハ182形0番代4両を機関換装(同時に変速機なども)し、600PSへの出力向上をした車両です。変速機は変速1段・直結3段の仕様となりました。
 音声ファイルでは、31秒付近で直結1段、43秒付近で直結2段、54秒付近で運転士による変直切替操作のためのノッチオフ、1分4秒付近で直結3段と進んでいます。1分54秒付近では再加速のため軽く空吹かしが入っています。
 キハ40系の機関換装車では、再加速の際、中立位置での1ノッチ投入による空ふかしと、直結段でのノッチ投入による空ふかしと、2回の空ふかしが入りますが、この車両やキハ183形200番代では、そうはならず、1回の空吹かしだけのようです。
 それにしてもこの車両、インタークーラーの音と思われる、排気音のような甲高い音がよく聞こえてきます。ここまで大きく聞こえる車両は珍しいのではないでしょうか。NN183系ではなくこの車両で「北斗」を組成してくれたらどんなに素晴らしいか…。
 録音は「とかち10号」芽室発車時です。
 車内放送(始発駅発車時)[hokuto4a.rm/708KB]
 「北斗4号」札幌駅発車時の車内放送です。たぶんグリーン車の車掌室から放送してるんだと思いますが、エンジンの回転がノイズになって放送の音声に乗ってくるんですよね。これはどうもキハ183系ではいつもこうなってしまうみたいです。
 この日の車掌さんは、「アルプスの牧場」のオルゴールが途中で止まってしまった後、もう一回オルゴールを回して強引に最後まで鳴らしていました。私はこの列車でしかこういった車掌さんには遭遇したことがありません。最後の放送では、中途半端に回し直したら一音たりなくて、もう一度回していたようですね。
 車内放送(始発駅発車時)[tokati5a.rm/658KB]
 「とかち5号」札幌駅発車時の車内放送です。こちらは普通に一回オルゴールを回して、止まったところで終わりにしてしまう、普通の鳴らし方でした。特にそれ以上コメントすることもなかったり…。
・その他の写真
 キハ183-215以下6連の「オホーツク4号」です。キハ183形0番代と、機関換装車である200番代は、このような「スラントノーズ」が特徴です。ちなみにこの日の編成は、キロハ182-4、キハ182-41、44、40、183-218と続きます。
 2006.10.30 函館本線苗穂〜白石間にて撮影
 臨時列車で富良野線に入線したキハ183-504以下6連です。120km/h仕様とされる車両と、110km/h仕様車の混結となっています(色も2色混ざってますね)。以下、キハ184-8、182-11、45、43、183-16と続いていました。
 2006.9.16 富良野線美馬牛駅にて撮影
 キハ182-40の室内です。タンチョウの模様のモケットですので、「おおぞら」系統の末期に使用されていたものと思われます。シートは簡易リクライニングでした。
 2007.4.30 札幌駅にて撮影(オホーツク6号)
 キハ182-108の室内です。キハ182形0番代の客室を縮小した上で、車端部に簡易運転台を設置した車両です。奥側が運転台となります。上のキハ182-40と似た車内ではありますが、デッキとの仕切壁が変更されているのが分かります。
 2007.5.1 根室本線帯広駅にて撮影(とかち10号)
 キハ182-225の室内です。指定席車での使用が前提のため、フリーストップ式リクライニングシートに交換されています。柄はやはり「タンチョウ」ですね。
 2007.5.1 根室本線帯広駅にて撮影(とかち5号)
 キハ182-505の室内です。N183系以降はフリーストップ式リクライニングシート装備で登場しています。この車両はモケットが「タンチョウ」柄になっていますが、モケット交換が実施されただけだと思います。
 2007.5.1 根室本線帯広駅にて撮影(とかち10号)
 キロ182-507のグリーン室内です。「スーパー北斗」投入時に実施されたグレードアップにより、3列配置に変更されています。ハイデッカータイプは基本的に全車このような室内であるはずです。
 2007.5.1 根室本線帯広駅にて撮影(とかち10号)
 NN183系である、キハ183-1552の室内です。奥側が運転台な訳ですが、助手側先頭部の客室からは前面展望ができる構造となっています。ただし、運転室は完全な半室構造のようで、運転士の操作や速度計などをのぞき込むのはほとんど無理なようです。
 ちなみにこの車両の座席はキハ283系仕様のようですね。
 2007.5.1 根室本線帯広駅にて撮影(とかち10号)
 キハ182-108のエンジンです。0番代原形の、DML30HSI形です。12気筒ですので、反対の側面にもシリンダヘッドが見える構造です。
 2007.5.1 根室本線帯広駅にて撮影
 キハ183-217のエンジンです。N-DMF13HZC形です。6気筒ですので、こちらの側面からしかシリンダヘッドを見ることはできません。
 2007.5.1 札幌駅にて撮影
 キハ182-225のエンジンです。DMF18HZ形という、化け物仕様のエンジンです。6気筒ですので、こちら側の側面からしかシリンダヘッドを見ることはできません。
 2007.5.1 根室本線帯広駅にて撮影
 キハ183-504のエンジンです。先頭車ではありますが、発電セットを持たない500番代ですので、エンジンはDML30HSJを装備します。
 2006.9.16 富良野線美馬牛駅にて撮影
 キロ182-507のエンジンです。500番代ですので、DML30HSJ形です。こちらも12気筒ですので、反対の側面にもシリンダヘッドが見える構造です。
 2007.5.1 根室本線帯広駅にて撮影

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