・283系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
クロ282-1以下6連
「オーシャンアロー17号」クロ282-1以下6連
2006.12.24 大阪環状線大正駅にて撮影
 1996年、紀勢本線の「くろしお」系統の輸送改善を目的として登場した、JR西日本では初めての制御付自然振子式の特急形電車です。電気系統については223系1000番代で確立された思想を基本としていて、IGBTを用いた3レベルインバータを電動車1両に5セット搭載し、4個がモータ駆動用、1個が補助電源装置という構成は全く同じものです。台車は振子機構に対応したボルスタレス方式で、振子はJR北海道のキハ281系などと同じ曲線ガイド式となっています。
 当初は「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」の列車名でしたが、後に「オーシャンアロー」を経て287系の登場後は「くろしお」に統一されました。6連2本と両端が貫通形のモノクラス3連1本、片側に非貫通形グリーン車を配した3連1本の計18両で運用されています。
 走行音(日立)[283ha.mp3/4.50MKB]
 基本編成3号車に組み込まれ、ラウンジの設置されたモハ283形300番代は日立製のインバータ装置を積んでいます。歯数比の違いで駆動音はやや異なるものの、VVVF音は223系1000番代2次車の日立インバータと同じ音のようです。
 録音は「くろしお25号」の、阪和線日根野到着時→和泉砂川発車時です。自由席車ということもあり、客室の混み方がすごく、車単にあるラウンジスペースにて録音しています。日根野発車時は、人の通り抜けがあったため、自動ドアや足音などが入ってしまいました。
 走行音(三菱)[283ma.mp3/1.98MB]
 基本編成5号車のモハ283形0番代と、3連の8号車に組み込まれるモハは三菱製のインバータ装置を積んでいます。VVVF音は基本的に223系1000番代の三菱車と同じですが、歯数比の都合か、より加速力を高めようとして非同期モードが短いのか、同期モードに入るところで爆音に近い音の響きになります。回生ブレーキは妙に中途半端なところで切れますが、しばらく乗っていて、毎回この止まり方でしたので、こういう仕様なのだと思います。
 それにしても、回復運転モードな走り方とは言え、発車から1分そこそこの加速で120km/hに限りなく近いと思われるところまで上げているようで、1M2T編成なのに結構な加速力ですよね。
 録音は「くろしお31号」の、阪和線日根野→和泉砂川間です。
 加減速音(三菱)[283mb.mp3/2.46MB]
 上の走行音と同じ乗車時に録音したものです。阪和線内の途中停車駅のブレーキから加速までの録音ですが、これも回復運転モードのため、再加速の頻度が高く、聞き応えがあります。ちなみに、車輪のフラットによるゴトゴト音が低速域を中心に目立ちますが、これは隣(9号車)のクハからの音でした。車内放送が9号車の運転台から入ると、スピーカー越しにもフラットの音が聞こえてくるという、激しい状態になっていました。7号車寄りの車端付近の席を指定するか、迷ったんですよね…
 録音は「くろしお31号」の、阪和線和泉府中到着時と発車時です。これだけの走りであれば、和泉府中→日根野間の走行音を載せたいところなのですが、日根野駅のブレーキは回生失効してしまったので、残念ながらこういう載せ方にしています。それと、車内放送で列車遅れの原因を説明していましたが、西九条で乗車する前の案内は、上りの特急くろしお号が遅れたため、ダイヤの都合でこの31号も遅れるような案内だったのに、まるで違いましたね。
・その他の写真
 こちらは貫通形の先頭車であるクハ283-3以下3連+クハ283-1以下6連です。681系の思想と似てはいますが、この系列ではクロは非貫通形、クハは全て貫通形とし、更に3連は1本グリーン車付、1本はモノクラスとすることで、通常期は6連2本で2運用をまかない、6連の検査時には3連2本を併結した6連で1運用に充当することで、グリーン車の位置は逆になるものの2運用をこなすことができる、というわけです。繁忙期には予備車なしで9連2運用で走る形になり、1本はこのようにグリーン車1両の編成、もう1本は両端がグリーン車の編成となります。
 2013.1.5 京都駅にて撮影
 モハ283-301のVVVF装置で、日立製です。日立製は基本編成に組み込まれるモハ283形300番代だけに装備されていて、基本的に自由席車に当たります。形状は223系1000番代などと似てはいますが、なぜかそれぞれのパワーユニットの間に不思議な空間ができています。ひょっとすると、実は制御容量が大きいとか、理由があるのかもしれませんね。
 2013.1.5 京都駅にて撮影
 モハ283-1のVVVF装置で、三菱製です。223系1000番代の三菱製とほぼ同じ形状だと思うのですが、223系よりも少しパワーユニットのサイズが大きいかもしれません。
 2013.1.5 京都駅にて撮影
 モハ283-301の台車です。振り子式のため、中央部が大きく湾曲した梁の形状は見慣れたものですね。
 2013.1.5 京都駅にて撮影

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