・321系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
クモハ321-5以下7連
クモハ321-5以下7連
2006.1.1 東海道本線塚本駅にて撮影
 2005年、207系の次を担う通勤電車の主力として登場しました。103系の置換えペースを速めることも念頭に、低コスト化が図られています。
 車体は軽量ステンレス製で、断面形状は223系を基本とし、妻窓は廃止、207系のようなオフセットした貫通扉も通常位置に戻すなどされています。また、床面には弾性のあるゴムチップを詰めることで騒音や振動の抑制を図っています。
 編成構成は6M1Tの7連であるものの、各電動車には1C2Mの2レベルインバータ1台を搭載し、1台車駆動としたため、実質的には3M4Tの207系と同じMT比になります。本形式ではサハが1両設定されているものの、基本的には全電動車とする思想で、床の構体を電動車用1種に統一することを目標としているそうです。
 7連39本が製造され、東海道・山陽緩行線をはじめ、福知山線やJR東西線、片町線などで幅広く運用されています。
 走行音(東洋)[321ta.mp3/1.17MB]
 東洋製のVVVF装置を搭載した車両の走行音です。甲高い一定音の非同期モードから、大きな唸りが1回のような2回のような、という東洋電機2レベルIGBTそのものの音です。ただし、同期モードについては比較的低めの唸り方です。もっとも、この種のVVVF装置を搭載する車両には他の制御方式からの改造車も多く、高速向きの歯数比に設定されていて、結果的にこの車両と似たような響きになる例はあったと思います。
 録音は福知山線生瀬→西宮名塩間です。手頃な駅間距離であることと、駅名が気に入って採用した区間です(笑)
 走行音(東洋)[321tb.mp3/1.95MB]
 同じく東洋製VVVF装置の車両です。こちらの方が駅間が長く、速度も上がっているかと思います。とは言っても、207系では120km/h出せる東海道線の茨木→摂津富田間でも321系は100km/hを超えるのがやっとという非力車両(抑えているだけとも言われますが…)のため、頑張っている雰囲気はあっても実際には速くない、という車両です。
 録音は福知山線武田尾→道場間です。トンネルばかりです。
 走行音(東芝)[321sa.mp3/1.23MB]
 東芝製のVVVF装置を搭載した車両の走行音です。東芝製2レベルIGBTの標準的なVVVF音ですが、同期モードへの入り方が、やはり321系独特な響きのように感じます(後に登場する225系も同じですが)。ちなみに、321系の3種類のVVVF音で、判別に絶対の自信を持てるのがこの東芝製ですね。
 このファイルに限りませんが、321系のレール継ぎ目通過時のジョイント音は、籠もった独特の響き方なんですよね。近鉄シリーズ21に似た部分もあるとは思いますが、近畿車輛の提唱するゴムチップ方式による影響、と言うことなのでしょうかね。
 録音は東海道線高槻→摂津富田間です。
 走行音(日立)[321ha.mp3/1.10MB]
 日立製のVVVF装置を搭載した車両の走行音です。VVVF音のパターンが東洋製とよく似ており、判別が難しいです。とは言っても、非同期モードの音が揺れているのがはっきり分かりますし、停車時には毎回ではありませんが純電気ブレーキ(日立では全電気ブレーキと呼ばれますが)のような、より甲高い音に切り替わるところがありますので、その2点で聞き分けるしかないようです。日立製なのだから、もっと非同期モードの最後に盛大に上がっていく音があればいいのですが、JR東日本E531系等と同じく、短めの非同期モードにされています。
 録音は東海道線岸辺→吹田間です。
・その他の写真
 クモハ321-34以下7連です。D10編成以降はパンタ2台搭載で登場しており、後に初期車も2台搭載に変更されました。JR東西線区間以外ではこの通り、前側のパンタグラフは折り畳まれています。
 2007.9.1 東海道本線塚本駅にて撮影
 クモハ320-7の室内です。座席は非常に簡素な造りで、座面が高くて浅い、まるで初期の103系を劣化コピーでもしたような、というのが正直な第一印象でした。案内表示器も写真の通り液晶画面を天井から吊り下げるという、ロングシート車にはあまり適さない配置をされているのも気になるところですね。
 2006.1.1 東海道本線高槻駅にて撮影
 D5編成、モハ321-10のVVVF装置で、東洋電機(または三菱)製です。パワーユニットの形状は比較的日立の形のように見えるのですが、東洋電機製がこの形状です。装置の銘板は裏側でなければ見えない(しかも車体の影になりやすいため極めて見にくい)ため、地元の人でないとまともに調べるのは無理ですね…。一応、東洋電機の銘板の制御器と、三菱電機の銘板の制御器の両方が存在するようなのです。
 画像を拡大して見たところ、向かって右側の、大きなパワーユニットの中にVVVF用とSIV用の両方の素子が内蔵されているようですね。それを示すような名称板が付いています。
 2006.1.1 東海道本線塚本駅にて撮影
 D27編成、モハ320-54のVVVF装置で、日立製です。パワーユニットの形状にある程度の日立らしさはあるものの、東洋(三菱)も日立的な特徴を持っていることもあり、はっきり言って見慣れていないと区別できるものではありません。
 2006.12.23 東海道本線新大阪駅にて撮影
 D2編成、モハ321-4のVVVF装置で、東芝製です。東芝製としては珍しい外形なのですが、パワーユニットの網目の中に注目すると、各相ごとのユニットの中央付近に、縦方向にズラッと並ぶボルトのような物が、東芝らしいと言えるのかもしれません。目が細かく見えると言う点で東芝が一番識別しやすいですが、それでも今ひとつですね。
 2006.1.1 東海道本線塚本駅にて撮影

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