・207系
クハ206-1以下7連
ドア窓の独特な処理が目立つ先行試作車、クハ206-1以下7連
1995.12.28 京都駅にて撮影
 1997年のJR東西線開業に向け、1991年に先行試作車、翌年に量産車が登場した通勤形電車で、JR西日本では初めてVVVFインバータ制御が採用されています。この車両では通常のVVVF制御とは異なり、チョッパによる電圧制御と低耐圧トランジスタインバータとを組み合わせた独特の構成となっています。
 1994年には東海道線向けに2+6両に分割可能な1000番代が登場しました。外観では冷房装置の変更やパンタグラフが1基のみ装備されもう1台は準備工事となった程度の変化でしたが、下回りに関してはそれまでのチョッパ+トランジスタインバータの構成を捨て、個別制御のGTOインバータとなりました。1997年の東西線開業直前の増備では主電動機が223系1000番代と同じ高出力のものに変更されています。
 現在では全てJR東西線直通列車の運用が中心となって、先行試作車の7両固定を除いて4+3連の組成に変更されています。特に0番代の3連は全て中間にモハ207形1500番代を組み込んで4連化され、3連は全て1000番代の1M2T編成となっています。両数は3連55本、0番代の4連23本、1000番代の4連19本、0+1000番代混成の4連16本、7両固定1本の計404両で全て網干総合車両所明石支所に配置されています。
 0番代走行音[207-0a.ra/211KB] 直接再生
 量産車である0番代の走行音です。チョッパと組み合わせた独特な制御装置を使用しているだけのことはあり、鳴っている音も雰囲気的には非常に独特です。チョッパ部分はGTOサイリスタを使っているそうですが、チョッピング周波数は201系などと同じなんでしょう。201系の音にVVVF音を重ねた、という雰囲気です。そのVVVF音は初期形のVVVFの変調パターンに近いものではあるようですが、少し重々しさというか迫力というか、そういうものが抜けた感じで、後に登場するJR東日本の209系や701系などが同じ音をたてているといってもいいのではないでしょうか。とは言っても、加速度が違うのか、この207系の方が音の変化は早いですね。
 録音はJR東西線大阪天満宮→北新地間です。
 0番代走行音(量産先行車)[207-0b.ra/197KB] 直接再生
 こちらは同じ0番代の中でも唯一の7両固定編成である、第1編成、量産先行車の走行音です。とは言っても量産車と特に違うところもないんですが・・・。夏に録ったものなんですが以外によく音が聞こえているんですよね。あるいはトンネルで反響しただけかもしれませんが・・・。
 録音はJR東西線北新地→大阪天満宮間です。
 1000番代走行音[207-1a.ra/384KB] 直接再生
 こちらは制御方式が劇的な変化を遂げた1000番代の走行音です。東芝製または、その共通設計と思われるGTOインバータの個別制御となっています。音はその中でもオーソドックスなものと言っていいとは思うのですが、減速時の音の変化が個人的にはすごく気に入っています。
 録音はJR京都線(東海道本線)茨木→摂津富田間です。100km/hを越えているのではないかと思います。他に110km/hくらい出ていた区間もあったんですがねぇ、車内環境が・・・。
 1000番代空転音[207-1b.ra/67.2KB] 直接再生
 こちらは1000番代の空転時の加速音です。別に雨が降っていたわけじゃないんですが、なぜかこの車両、このように非同期の直後の音が激しく上下するように空転するんですよね。223系0番代でも時々あるようですし、そもそもこの方式を最初に取入れた209系910番代でも同じような減少が確認できていますしね。こういう減少があるためになにか個別制御車は不安定な気がしてならないわけです。
 録音はJR東西線御幣島発車時です(京橋方面)。
 500+1500番代走行音[207-5c.ra/592KB] 直接再生
 こちらはJR東西線の開業に伴って登場した、0番代の3連の中に新製または、6連→4連や4連→3連の組成変更で余剰となったモハ207形1000番代を改造したモハ207-1500番代を組み込み、同時に0番代のモハを500番代に改番した編成です。従って、音はこのように0番代と1000番代が混ざった形になるわけです。もちろん連結部付近に乗ればの話しですが・・・。
 録音はJR東西線御幣島→加島間です。
・その他の写真
 クハ207-110以下7連です。後の3連は1000番代(クモハ207-1060他)です。0番代車に関しては製造時からモハ207形に2台のパンタグラフが搭載されていて、当初は2台とも使用していたのですが、JR東西線開業時に地下区間では2台、その他は1台となってしまいました。1000番代の4連ならばパンタグラフを搭載した車両が2両あるからまだしも、0番代の場合は1両だけですからねぇ・・・。格好もよくないし、わざわざ編成によって使用する個数を変えるのもどうかという気もします。
 2001.1.9 尼崎駅にて撮影
 クモハ207-1035以下7連(後3連はクモハ207-1051他)です。やはり先頭車前側にパンタグラフがある姿は好きです。ということでこの駅で写真を撮っていたわけですが、東海道線で1000番代の音を録ろうとした時といい、この時といい、狙うとなかなか来てくれないんですよね。
 2001.1.9 尼崎駅にて撮影
 先行試作車であるモハ207-2のVVVF装置です。この写真の一番左側に見えるのがチョッパ部分ではないかと思います。残り3つの冷却部分がパワートランジスタであろうと思います。パワートランジスタに関しては反対側にも見えることから、1C2M×2群の構成であろうと思われるわけですが、「C」の意味を厳密に考えると実際に論理部分がいくつあるかということになり、やはり1C4Mということになるみたいです。
 1999.9.7 尼崎駅にて撮影
 これは上記写真とは裏側に当たる写真です。車号はモハ207-21です。
 2001.1.9 尼崎駅にて撮影
 クモハ207-1022のVVVF装置です。個別制御4群となっていることもあり、3相×4=12個の冷却ユニットが見える、なかなか迫力のあるインバータ装置です。この車両が登場した頃のJR西日本はこのタイプのインバータが標準品になっていましたね。すぐにIGBTに移行してしまいましたが・・・。
 2001.1.9 尼崎駅にて撮影

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