・36-R形(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
36-R1
36-R1
2020.9.20 リアス線久慈駅にて撮影
 2005年3月に36-600形として営業運転を開始しした、レトロ調の車体や内装が特徴の気動車です。「さんりくしおさい」の愛称が付けられています。従来のレトロ調車両である36-300形、36-400形のイメージを残した形となっていて、屋根上にはモニタ屋根の取り付けがされています。
 車体は三陸鉄道としては初めての20m級車体で、室内は間にテーブルを設置したボックスシートが48名分並んでいます。また、イベント使用のためのサービス機器としてカラオケ、ビデオデッキ、DVDプレーヤー等を装備しています。
 下回りは330psのエンジンと変直自動切替式の液体変速機、2軸駆動のボルスタレス台車などが採用されました。自動空気ブレーキ方式とすることで従来の36-100形、36-200形との併結が考慮されています。従来車は変直切替が手動式のため、併結時には切替指令が出せるようになっています。2014年2月に36-600形2両は電気指令式ブレーキに改造され、36-R形(36-R1、36-R2)に改番されました。
 36-R3は2014年3月の登場で、36-600形に準じたレトロ調の車体に、前年度に登場した一般車である36-700形の下回りを組み合わせた形態になっています。また、同時にお座敷車両である36-Z形も登場しました。36-R形、36-Z形はいずれも20m級車体、36-700形は18m級車体という違いがあります。
 36-R3は南リアス線、36-Z形は北リアス線にというように当初は振り分けて配置されましたが、2019年にJR山田線釜石〜宮古間が三陸鉄道に移管され、全線を一括して「リアス線」と改称されてからは旧3線区の区別なく運用されるようになっています。また、現在の36-R形、36-Z形はいずれも36-700形との併結が可能で、逆に36-100、36-200形とは併結できなくなっています。36-R形は通常の営業列車にも特に区別されることなく運用されています。
 36-R2走行音[36-R2a.mp3/22.7MB]
 36-R1、R2の2両は2005〜2006年に登場していますので、36-100・200形の冷房改造(機関換装)と36-700形登場のちょうど中間くらいの時期になります。登場時から変直切替は自動式だったようなので、36-600形時代との走行音の違いはブレーキ方式からくる差分だけだと思われます。
 加速時は約52km/hで直結1段に、約66km/hで直結2段に進段していました。ところどころの駅停車時に排気ブレーキを使用していますが、こちらは40km/hを少し割り込むくらいまで効いているようです。三陸鉄道の他車種(36-R3も含む)では排気ブレーキの途中でシフトダウンしていますが、この車両に関してはそのような様子がありませんでした。雰囲気からすると常に直結2段で排気ブレーキをかけているものと思われます。
 それにしても音の雰囲気が関東鉄道とそっくりで…。同じ時期に登場したのはキハ2400形(電気指令式ブレーキ装備車)だったようです。
 録音はリアス線(旧南リアス線)釜石→平田→唐丹→吉浜→三陸間です。特に三陸駅に向けての減速時にはきれいに排気ブレーキで減速しています。
 36-R2走行音[36-R2b.mp3/22.6MB]
 こちらは同じ36-R2の走行音で、上のファイルの続きの区間となります。
 録音はリアス線(旧南リアス線)三陸→甫嶺→恋し浜→綾里→陸前赤崎→盛間です。
 36-R3走行音[36-R3a.mp3/39.0MB]
 こちらは36-R3の走行音です。36-700形の2次車と同時に製造されており、車体長(当然重さも)の違いはありますが、基本的に同時期の36-700形と同じ音になります。ノッチオフして回転数が低下するときの音が目立つ車両でもあるようです(36-700形も全体的に同じ傾向みたいです)。
 変速段から直結1段への進段は約52km/h、直結1段から直結2段への進段は約67km/hでした。何箇所かの駅への減速時に排気ブレーキを使用していますが、ほとんどの機会がノッチオフと同時に排気ブレーキ開始の操作をしていたのか、空噴かしなしで排気ブレーキに移行するという気動車版の無惰行運転だったみたいです。公開している音声の開始時点は列車がやや遅れ気味だったせいもあるかもしれません。車内環境もありますが、前半はつまらない走り方していたような感じだったんですよね。周りが寝静まってしかも遅延気味で走りが元気になって、という区間を公開しています。
 録音はリアス線(旧北リアス線)田野畑→島越→岩泉小本→摂待→新田老→田老→佐羽根→一の渡→山口団地間です。
・その他の写真
 こちらは36-R2です。36-R1とR2は共通の外観です。タイトル写真の36-R1は北西側からの撮影、この写真は南西側からの撮影になりますので、エンジンがよく見えるサイドからである点は同じですが、前後は逆となります。
 2020.7.31 リアス線釜石駅にて撮影
 36-R3です。色が茶色系から紫系に変わるなどの変化が見られます。また、助手側の前面窓下に入ったマークなどがクウェートからの支援を受けて製造されたことの謝意を示す標記類だったかと思います。
 2020.9.19 リアス線宮古駅にて撮影
 36-R形ではありませんが、36-R3の兄弟車両と言うことで、ここで紹介しておきます。お座敷車両である36-Z1になります。
 2020.9.19 リアス線宮古駅付近にて撮影
 36-R2の車内です。なんだか妙に豪華に作られているような、というのが第一印象でしょうか。電灯がシャンデリアになってるのがすごいですね。ボックスシートには固定のテーブルがあり、結構シートピッチ広いです。
 2020.7.31 リアス線盛駅にて撮影
 36-R3の室内です。基本のイメージは36-R1、R2と同様ですが、電灯についてはシャンデリアを使い続けるメリットはなかった模様で、丸形の灯具に変更されています。
 2020.9.19 リアス線久慈駅にて撮影
 36-R2のエンジン付近です。36-100形、200形と比べると周辺機器の配置が変わっています。特に、確かエアクリーナだったと思いますが、従来車は縦型でエンジンの向かって右端のあたりに配置されていたのが、エンジンの左側に横向きに配置されているあたりが大きな違いでしょうか。エンジン本体部分はほとんど同じ形状のようです。
 2020.7.31 リアス線釜石駅にて撮影
 36-R3のエンジン付近です。36-R1、R2との大きな違いは見られないようです。微妙に形状が違うのか、撮影した角度の違いで別物のように見えるのか、イマイチ分からないですね。
 2020.9.19 リアス線宮古駅にて撮影
 36-Z1のエンジン付近です。すごくきれいな状態だったので載せてみました。稼働の少なそうな車両なので、ほとんど汚れていないということなのでしょうかね。
 2020.9.19 リアス線宮古駅付近にて撮影
 36-R2の動台車です。割と一般的なスタイルのボルスタレス台車となります。
 2020.7.31 リアス線釜石駅にて撮影
 36-R3の動台車です。形式名は36-R1、R2とは異なるものですが、形状は特に違わないようです。
 2020.9.19 リアス線宮古駅にて撮影

前のページに戻る