・近鉄3220系
3121以下6連
“シリーズ21”標準塗装の3121以下6連
2000.4.8 京都線竹田駅にて撮影<松井さん提供>
 2000年3月の、地下鉄烏丸線直通の国際会館〜奈良間急行の新設に伴い登場した「シリーズ21」第1弾の車両です。長らくGTOインバータを使用してきた近鉄一般車の中で、初のIGBT採用となり、その中身も高耐圧IGBTを使用した2レベルインバータでベクトル制御を採用するなど、また一歩進んだものとなりました。
 室内には「らくらくコーナー」を設置したり、様々な高さのつり手を設置するなどの新たな試みが見られたり、LED式の車内表示器の設置や、全車両への車椅子スペースの設置、片持ち式のバケットシートの採用などが行われています。
 2000年3月までに3編成が製造され、地下鉄直通運用の他、奈良線、橿原線、天理線にも運用範囲を広げているようです。また、2・3番編成は登場時からペイント列車とされています。
 走行音(近鉄線内)[knk3220a.ra/231KB] 直接再生
 近鉄線内での走行音です。近鉄線内では東京都営地下鉄の車両によく似たドアチャイムが使用されているのと、発車直前によく近鉄の車掌が言う「扉が閉まります、ご注意下さい」だけを自動放送にしていることなどが特徴となっています。
 モーター音についてはIGBTが採用され始めたばかりの時期に当たる小田急30000形などにもやや似た雰囲気があるものの、最近流行している2レベルIGBTインバータで日立製の209系950番代(現E231系900番代)や西武20000系などと比較的共通点が多いです。それにしても、高速域に入っても静かなモータ音で、以前奈良線の急行か何かに乗ったとき、大阪近郊の平野部を走行中、感覚的には90km/hくらいなのかと思い速度計をのぞいてみたら110km/h近く出ていて驚いたことがありました。この走行音も速度的には大変物足りない思いを抱くのですが、これでも80km/hは軽く越えているのではないかと思います。
 録音は京都線富野荘→寺田間です。
 走行音(地下鉄線内)[knk3220b.ra/172KB] 直接再生
 こちらは地下線内での走行音です。モーター音には違いはありませんが、近鉄線内ではドアチャイムが使われているのに、地下鉄に入ると突然3200系や京都市交10系と同様のドアブザーに変わってしまうことが特徴です。また、地下鉄では自動放送が使用されていて、この放送内容も直通急行運転開始に合わせて内容が変更されたそうです。
 録音は松井さん提供で十条→九条間です。
 空転・滑走音[knk3220c.ra/255KB] 直接再生
 やはり日立製IGBTインバータなだけあって、滑るときには滑るようです。従来車は増粘着剤の使用でかなりよくなったようですが、シリーズ21の場合は加速度が高いせいか、あるいは車体が軽いせいか、空転・滑走撲滅とはいかないようですね。もちろん、この程度滑ってもダイヤには影響はないと思いますがね。
 録音は松井さん提供で、国際会館行列車の小倉発車時と小倉到着時です。
・その他の写真
 こちらは3123以下6連で、京都地下鉄と奈良を結ぶ直通急行運転開始を記念したペイント列車です。同じ塗装が3122以下6連にも施されています。
 2000.9.5 京都線久津川駅にて撮影
 モ3223の日立製のVVVFインバータ装置です。日立IGBTの象徴のような網状の表面が特徴ですが、内部の構成が全く想像できないような形です。右端の普通の箱の部分がゲート制御部であることは間違いないのですが、中央の幅の狭いブロックと左端のブロックとの関係がさっぱり・・・。
 中央部に何も入っていないようにも見えるので、もしかすると左側のブロックだけにしか素子が入っていないのかもしれません。
 ちなみに、5820系や9820系にも日立製インバータを積んだ車両がありますが、もちろんこれと同じ形状のはずです(5820系は確認済み、9820系は音を聞いただけで、形状未確認)。
 2000.9.6 京都線東寺駅にて撮影

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