・営団地下鉄→東京メトロ03系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
03-129以下8連
東急線内を走行していた営団地下鉄時代の03129以下8連
2004.1.27 東急東横線元住吉駅にて撮影
 1988(昭和63)年6月、日比谷線開業時から使用されていた3000系の置き換えと冷房化、新ATCへの対応などのために営団地下鉄では初めての冷房付きの新形式車両として登場しました。18m3扉、1500V架線集電、狭軌線用のアルミ車両です。編成は4M4Tの8連とされ、初期車は高周波分巻方式のチョッパ制御、後期車はIGBTを使用した3レベルVVVFインバータ制御を採用しています。
 1994年までに7次にわたり42編成が製造され、1990年製の3次車途中の第9編成からは第1・2・7・8車両を5扉車とし、1992年の5次車第16編成以降は行先表示器をLED化、同じ5次車の26編成からはVVVF化、1993年の6次車途中の29編成からは再び全車3扉の編成に戻されるというマイナーチェンジが繰り返されてきました。
 2011年度からはチョッパ制御車を対象に更新工事が実施され、車内の更新や制御器のVVVFインバータ制御化などが実施されました。途中で13000系への置き換えが決定したため1〜8番編成が実施されただけとなりました。2014年度には35・36番の2編成のみ、制御装置など一部のメニューに限定した更新工事が実施されました。
 2017年からは20m車体の13000系への置き換えのため廃車が開始され、2020年2月に日比谷線での運用を終了しました。一部車両は熊本電鉄、長野電鉄、北陸鉄道に譲渡され、編成短縮などの改造が行われたうえで各社で運用されています。特に長野電鉄には先代の日比谷線車両である3000系が譲渡されており、この03系の譲渡により旧営団3000系を置き換える模様である点は特筆すべきでしょう。
 チョッパ車(三菱)走行音[sub03cma.mp3/1.61MB]
 5次車途中の第25編成までは01系を基本とした高周波分巻方式のチョッパ制御が採用されました。三菱と日立の2社がありますが音の違いはないようです。01系02系と比べるとチョッピング周波数は低めで音も大きく聞こえます。起動時には4段階に変化する音もはっきりと聞こえます。音色としても結構きれいですよね。
 三菱製チョッパの搭載編成は、01・06〜15編成だったと思われます(06編成は見てないけど製造年次からおそらく)。末期には01〜08編成がVVVF化されました。
 録音は東急東横線学芸大学→都立大学間です。
 チョッパ車(三菱)走行音[sub03cmb.mp3/6.41MB]
 同じく三菱製チョッパ車で、東武線内の走行音です。東急東横線のような本気モードの走りではありませんが、地下鉄線内よりは速度も出ます(一応100km/hにかなり近づく)。
 録音は東武日光線東武動物公園→杉戸高野台→幸手間です。
 チョッパ車(三菱)走行音[sub03cmc.mp3/1.57MB]
 同じく三菱製チョッパ車で、末期には乗り入れなくなってしまった東急東横線内の走行音です。
 録音は東急東横線都立大学→学芸大学間です。
 チョッパ車(三菱)走行音(異音その1)[sub03cmd.mp3/4.77MB]
 同じく三菱製チョッパ車の走行音ではありますが、起動時、普通ならモーター音は「ウォーーン」という感じに聞こえ始めるところが、なぜか「ギュルギュル・・・」と鳴り出す、独特の雰囲気の異音車両です。もっとも、なんかこういう音の方がおもしろくさえ感じたりもしますが。
 録音は東急東横線祐天寺→学芸大学→都立大学→自由が丘間です。特に学芸大学から都立大学の走り方はなかなかすごいものがあります。残念ながら携帯電話の(?)電波ノイズが少し入ってしまいました。
 チョッパ車(三菱)走行音(異音その2)[sub03cme.mp3/1.88MB]
 同じく三菱製チョッパ車で、第1編成の走行音です。これは2000年1月に録音したものですが、1999年4月に乗った頃にはまだ「異音その1」のような鳴り方であったものの、いつの間にかこのような、まるで釣り掛け車のような激しいうなり方をするようになっていました。いっそのこと、「釣り掛けチョッパ」と呼んでみましょう、と言いたくなりますね。
 録音は東武伊勢崎線せんげん台→大袋間です。本当は待避駅を含む区間になどしたくはなかったのですが、準急と接続した直後のこの区間だけしか静かなところがなかったので妥協してしまいました。逆に待避駅のゆっくりとした加速の方が雰囲気出てるという面もあったり…。
 チョッパ車(日立)走行音[sub03cha.mp3/6.58MB]
 こちらは日立製チョッパ車の走行音です。三菱車の項にも書いた通り、特に違いはありません。
 日立製のチョッパの搭載編成は02〜05・16〜25編成だったようです。02〜05編成は末期にはVVVF化されています。
 録音は東武日光線南栗橋→幸手→杉戸高野台間です。
 チョッパ車(日立)走行音[sub03chb.mp3/3.78MB]
 同じく日立製チョッパ車の走行音です。これも東武線内の録音ですが、本当は東急線内で録り直したかったんですよね。録る前に乗り入れがなくなってしまった…。
 録音は東武日光線南栗橋→幸手間です。
 チョッパ車(日立)走行音(異音車)[sub03chc.mp3/10.5MB]
 同じく日立製チョッパ車ですが、こちらは異音車です。三菱車の方に載せている走行音と比べると、大した異音ではないですね。
 録音は東武日光線東武動物公園→杉戸高野台→幸手→南栗橋間です。
 VVVF車(日立)走行音[sub03vha.mp3/11.1MB]
 こちらは第26〜35編成が該当する日立製IGBTインバータ車の走行音です。この車両も02系と同様、モーターのうなりが聞こえ始めた頃に少しの間だけ「キーン」という甲高い音がかすかに聞こえてくるだけ、というなかなかよくできたインバータを積んでいます。
 録音は東武日光線東武動物公園→杉戸高野台→幸手→南栗橋間です。
 VVVF車(日立)走行音[sub03vhb.mp3/3.65MB]
 同じく日立製VVVF車の走行音で、こちらは地下鉄線内の録音です。日比谷線に関しては地下線内があまりにカーブだらけでいい録音ができるところが少ないので、地下線内の音をあまり載せていません。この録音の区間はそこそこの速度が出せる区間ですね。もっとも、地下線内なら非同期の音も少し聞こえやすくなるかな?と思って録った程度のものですが。
 録音は日比谷線三ノ輪→入谷→上野間です。
 VVVF車(三菱)走行音(ソフト変更)[sub03vma.mp3/1.51MB]
 こちらは第36〜42編成の三菱製IGBTインバータ車の走行音です。登場当初から2回ほどソフトの変更が行われ、この音に落ち着いたそうです。なんでも登場当初は起動時などに激しい前後衝動があったとか…。
 録音は東急東横線学芸大学→都立大学間で、精一杯の走りをしています。高速域のノッチオフ時、WN駆動の激しい「ゴロゴロ」音が聞こえてきます。
 VVVF車(三菱)走行音(ソフト変更)[sub03vmb.mp3/10.3MB]
 同じく三菱製VVVF車の走行音です。こちらは東武線側での録音です。
 録音は東武日光線南栗橋→幸手→杉戸高野台→東武動物公園間です。
 VVVF車(三菱)走行音(ソフト変更)[sub03vmc.mp3/1.95MB]
 同じく三菱製VVVF車の走行音です。同じく東武線側での録音で、比較的短い区間での録音です。東武線内の男声自動放送も懐かしいです。
 録音は東武伊勢崎線武里→一ノ割間です。
 VVVF改造車走行音[sub03ima.mp3/7.98MB]
 初期車である01〜08編成はVVVF制御への更新工事が行われました。改造始めた時点では13000系の投入計画はなかったと思われます。更新用のVVVF装置は08系や05系最終増備車、10000系辺りと共通のMT比1:1での使用を念頭に置いたタイプの2レベルIGBTインバータになります。車体構造の関係か、結構尖った非同期モードの音ではありますが、ほぼ想定通りな音をたててくれますね。
 録音は日比谷線北千住→南千住→三ノ輪→入谷→上野間です。
 VVVF改造車走行音[sub03imb.mp3/10.2MB]
 同じくVVVF改造車の走行音で、東武線内での録音です。このタイプそのものは東急乗り入れをしていた頃に登場していたのですが、あまり動けていなかった時期なので、録りたいと思った時には既に遅かった、という感じです。
 録音は東武日光線南栗橋→幸手→杉戸高野台→東武動物公園間です。
 VVVF更新車走行音(日立モータ)[sub03imc.mp3/10.8MB]
 VVVF制御で登場したグループも、日立車は35編成、三菱車は36編成の各1本だけ、VVVF装置の更新が03系の最末期に行われました。これって故障対策や予備品確保のためにとかかな、と想像するところです。おそらく13000系への置き換えが決まった頃の工事のようなので。
 で、こちらは35編成の元日立VVVF車の改造です。初期編成の更新と同じく三菱製2レベルIGBTへの交換がされていて、モータはおそらく元からの日立モータと思われます。歯数比などもいじられていませんので、初期車の更新とはちょっとだけ雰囲気が異なります。
 録音は東武日光線東武動物公園→杉戸高野台→幸手→南栗橋間です。
 VVVF更新車走行音(三菱モータ)[sub03imd.mp3/7.81MB]
 こちらは36編成のVVVF更新後の走行音です。日立モータ車との差は分かりません。初期車の更新よりも非同期モードの音が滑らかなような?
 録音は日比谷線上野→入谷→三ノ輪→南千住→北千住間です。
 VVVF更新車走行音(三菱モータ)[sub03ime.mp3/8.88MB]
 同じく36編成のVVVF更新後の走行音です。東武線内での録音です。
 録音は東武伊勢崎線武里→一ノ割→春日部→北春日部→姫宮間です。
・その他の写真
 全車3扉で、行先表示器が字幕式の初期車、03807以下8連です。チョッパ制御車は全て角形キセの冷房装置を搭載し、車外スピーカーが車体側面にあり、目立っているというのが特徴です。
 1999.7.18 日比谷線南千住駅にて撮影
 両端の2両ずつが5扉車、行先表示器が字幕式でチョッパ制御の03112以下8連です。1991年製の4次車(10〜15編成)のグループに属します。
 2018.7.1 日比谷線南千住駅にて撮影
 両端の2両ずつが5扉車、行先表示器がLED式でチョッパ制御の03120以下8連です。1992年製の5次車前半(16〜25編成)のグループに属します。
 2016.12.25 日比谷線南千住駅にて撮影
 両端の2両ずつが5扉車、行先表示器がLED式でVVVF制御の03126以下8連です。1993年頭に落成した5次車後半(26・27編成)のグループに属します。VVVF制御になっただけではなく、ボルスタレス台車の採用や社外スピーカーが側面幕板部ではなくクーラーのキセに内蔵されて側面がすっきりするなどの変化もありました。1993年度の6次車のうち28編成も5扉車で製造されています。この写真は営団時代で、かつ晩年は乗り入れなくなってしまった東急線内での撮影となります。
 2004.1.27 日比谷線南千住駅にて撮影
 全車3扉車のVVVF制御車で最終増備グループでもある7次車(36〜42編成)に属する03139以下8連です。1994年製となります。6次車も含めて座席幅が少し広がったり貫通扉の幅が広がったりといった差分がありました。こう見ていくと6次車の28編成はVVVF車での5扉3編成のうちの1本ですが、貫通扉や座席幅が広がった6次車に属するとなると、なんだか妙に特異な編成に見えてきますね。
 2019.3.24 日比谷線南千住駅にて撮影
 2次車に属する03105以下8連です。1〜3次車(ただし3扉車の〜08編成)を対象とした更新工事実施後の撮影になります。02系の更新車とは異なり、外観の変化がほとんどないですね。行先表示器も字幕式のままですので(撮影するにはありがたいけど…)。
 2016.12.25 日比谷線南千住駅にて撮影
 7次車の最初の番号である03136以下8連です。こちらは晩年に機器更新が行われました。VVVF車は更新工事をせずに13000系による置き換えを待つ方向になっていたものの、三菱車(この36編成)と日立車(6次車の35編成)の各1本ずつをわざわざ機器更新したのは予備の制御器を確保するためだったのかな、と予想をしています。それにしてもこの写真の時点ではすごくきれいな車両でした。
 2016.11.23 東武伊勢崎線東武動物公園駅にて撮影
 03319から819号車方向の室内です。床がこの写真のように単色の車両と、ツートンになった車両があったようです。ツートンが更新した車両とは思うものの、正直よく分かりません。シートモケットは変更された後ということになります。ロングシートの途中にある縦方向の握り棒は後から追加されたものです。
 2017.2.11 東武伊勢崎線東武動物公園駅にて撮影
 03219から119号車方向の室内です。5扉車になります。5扉車は本当にドアだらけですね。ドア間の側窓は戸袋窓ですので。その戸袋窓のサッシはFRP製です。
 2017.2.11 東武伊勢崎線東武動物公園駅にて撮影
 03207から107号車方向の室内です。更新工事が施工された初期車になります。02系や05系の更新車と比べてしまうと、工事のメニューをかなり絞ったんだなぁ、と。少なくとも03系の更新工事始めた段階では13000系への置き換えの話はなかったはずなんですけどね。
 2016.11.20 東武伊勢崎線東武動物公園駅にて撮影
 03213から113号車方向の室内です。更新車ではないチョッパの5扉車なのですが、更新車と室内の見つけ(というか床だけか)がほぼ同じですね。違いは車椅子スペースの設置がされていないくらいかと。終着駅到着前のひととき、誰も乗ってませんでした。
 2016.12.3 東武日光線幸手〜南栗橋間にて撮影
 03728から828号車方向の室内です。6次車でただ1本の5扉車なのですが、5次車後半と同じで袖仕切へのモケット設置はされていないみたいですね。6次車でその辺りの変更が加えられたっていう某誌の情報なのですが…。座席幅、貫通路の幅、本当のところはどうだったのでしょうかね…。
 2016.11.23 東武日光線南栗橋駅にて撮影
 03336から136号車方向の室内です。機器更新を受けた7次車ですが特に大きく手を加えられた訳ではない(と言うか、手すりを増やしたりとかは機器更新ではなくもっと前に別メニューでやってるみたい)ということになります。他の7次車の室内も写真あったけど同じにしか見えないので省略で…。
 2016.11.23 東武伊勢崎線東武動物公園駅にて撮影
 03209の三菱製チョッパ装置です。パワーユニットのわきにある網状の部分などが特徴となっています。日立製はそういう部分に穴が空いていたりということはないので(いや、晩年はもっとすごいことに…、は置いておこう)。
 2013.2.11 日比谷線中目黒駅にて撮影
 03203の日立製チョッパ装置です。三菱製と比べると放熱性があまり良くなさそうに見えてしまいます。だかあら後ですごい外観になったんでしょうかね。
 2008.2.24 日比谷線中目黒駅にて撮影
 03225の日立製チョッパ装置です。末期にはこのような妙な穴が開けられていました。熱がこもっての動作不良でもあったのかな、と想像してしまうところです。
 2016.12.25 日比谷線南千住駅にて撮影
 03234の日立製VVVF装置です。日立製のIGBTインバータというとパワーユニットの表面が網状になっているのが特徴ですが、この時期はまだこのような形をしていました。ほとんど同じ仕様と思われる9000系用のインバータでは比較的最近の日立IGBTらしい形になっています。
 2016.12.25 日比谷線南千住駅にて撮影
 03241の三菱製VVVF装置です。07系1次車などとよく似た形で、営団向けの三菱3レベルインバータ共通の特徴ともなっている、横から見た断面がくの字のようになっているという点も当てはまっています。9000系用の三菱IGBTインバータもこれとほぼ同じ形状のようです。
 2008.2.24 日比谷線中目黒駅にて撮影
 03236の三菱製VVVF装置です。01〜08編成の更新車と、35・36編成の機器更新車に採用されたもので、どちらも同じ形状です。JRのE233系なんかともパワーユニットの形状が同じように見えます。そういう世代なので、といえばそれまでですが。1C4M×2群ですが左右に2群の箱を振り分けていて、反対の側面にはちょうど左右をひっくり返したような形状で取り付けられています。
 2016.11.23 東武伊勢崎線東武動物公園駅にて撮影
 03328のDC/DCコンバータ(補助電源装置)です。VVVF車世代だとこんな感じにインバータらしく見えるのですが、チョッパ車の場合は単なる箱しかぶら下がっていなかったり…。ちなみに、この写真はパワーユニットが1個だけ別形状のものに交換されていますね。末期はこのように混在する車両が多々ありました。飛び飛びで形状が違う場合とかもあったくらいです。
 2017.6.11 日比谷線南千住駅にて撮影
 03336のSIVです。こちらはチョッパから更新された01〜08編成と機器更新された35・36編成に搭載されたもので、三菱製になります。あまり三菱らしくはない気もしますが、VVVF装置だよと言われてもそうだね、と答えてしまうそうな形状です。
 2016.11.23 東武伊勢崎線東武動物公園駅にて撮影
 03209の台車です。ゴム付き片板バばね式軸箱支持(SU形)ボルスタレス台車ということになるそうで、SS111形となります。このタイプの台車で残念ながら中目黒駅付近のカーブでの脱線事故が起きてしまいました。あれからですかね、メトロでボルスタレス台車が忌避されるようになったのは。
 2013.2.11 日比谷線中目黒駅にて撮影
 03227の台車です。モノリンク式ボルスタレス台車というタイプで、SS135形となります。
 2013.2.11 日比谷線中目黒駅にて撮影

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