・営団地下鉄→東京メトロ07系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
07-101以下10連
営団地下鉄時代の07101以下10連
2002.3.17 西武池袋線東久留米駅にて撮影
 1993年1月、有楽町線の輸送力増強用として千代田線の06系と共に登場した車両で、ほぼ同一の設計とされています。機器類も直通運転の相手線区の関係で多少異なるだけで、基本的に06系と同一となりました。
 06系と同様のアルミ車体で20m4扉、前面は丸みを帯びた形状となっています。制御方式はVVVFインバータ制御で、個別制御の3レベルIGBTインバータを装備し、4M6Tの10両編成となっています。
 当初は2編成、1994年秋に増備されて6編成の陣容となり有楽町線と東武東上線、西武池袋線で活躍していましたが、副都心線が開業する際にホームドアへの適合が難しい車体寸法(ドア同士の間隔が不揃い)ということもあり、東西線に転用されることとなりました。2006年度に2次車4編成が、2008年度に残り2編成が転用されました。2008年の転用の際には一時的に千代田線で運用されたことも特筆されます(ラインカラーは当時東西線仕様になっていた)。東西線への転用目的は最初の4編成は5000系の置き換え、後からの2本は増発用でした。
 2018年からは更新工事が実施されており、2レベルIGBTの制御器への交換とモータのPMSM化が行われました。システムとしては13000系前期グループと同等と思われます。2022年4月現在、10連6編成が全て東西線と東葉高速鉄道、JR中央総武緩行線への乗り入れに使用されています。更新工事も全車完了となった模様です。
 走行音(三菱/登場時)[sub07ma.mp3/762KB]
 1次車の01・02編成には三菱製のインバータ装置が装備されていました。06・07系は国内初のIGBTインバータ車であり、当然この07系1次車は三菱製の初めてのIGBTインバータ車ということになります。登場時は、結構甲高い一定の高さの非同期でしたが、動き出す瞬間と間もなくで高さがやや違い、最後に少し高くなってから爆音が一度鳴って1パルスモードに移るという流れになっています。
 ただ、この音も西武池袋線との直通の頃か、いつの間にか変化していて、7000系三菱が高い音になったのに対し、この車両ではやや低い音に変わりました。
 録音は有楽町線要町→千川間です。
 走行音(三菱/登場時)[sub07mb.mp3/827KB]
 同じく三菱編成登場時の、東武線内での録音です。雨が降っていたかどうかは記憶にないのですが、微妙に空転しているような、という感じですね。そこそこの速度が出ていたと思います。
 録音は東武東上線みずほ台→鶴瀬間です。
 走行音(三菱/ソフト変更1)[sub07mc.mp3/4.53MB]
 最初のソフト変更は、おそらく西武線乗り入れ開始の頃だったのだと思われます。起動時、非同期モードの始まりの音が低く太め(?)の音になりました。その後、非同期モードの大部分は割と甲高い音でした。
 録音は西武池袋線稲荷山公園→武蔵藤沢→狭山ヶ丘間です。
 走行音(三菱/ソフト変更2)[sub07md.mp3/3.57MB]
 2度目のソフト変更は東西線に転属してからのことでした。1台車だけ一つ前の音だったとかいう時期もあるようなのですが、そのときには乗れませんでした。このソフト変更で、初期タイプの音ではなく、03系や9000系などの三菱2レベルIGBT車と同じ、「ヒュルヒュル」系の非同期モードになりました。と言うか、このタイプを使えるハードウェアだったのであれば、西武乗り入れの時点で使えば良かったのに、とも思ってしまいますが、そうもいかない事情はきっとあったのでしょうね。
 録音はJR中央緩行線荻窪→阿佐ヶ谷→高円寺間です。
 走行音(日立)[sub07ha.mp3/3.46MB]
 こちらは2次車の日立IGBT搭載車の走行音です。03〜06編成が該当します。これ以前に日立製で世に出ていた02系や03系では非常に静かだったのですが、なぜかこの07系ともう少し後で登場する9000系ではインバータ装置付近で甲高い音が力行、あるいは回生制動中常に鳴り続ける、非常に不快なものになってしまいました。
 録音は有楽町線小竹向原→千川→要町間です。
 走行音(日立)[sub07hb.mp3/5.94MB]
 同じく2次車の日立IGBT搭載車の走行音です。東西線転属後、JR線内での録音になります。地下での録音と比べればおとなしいですがね…。
 録音はJR中央緩行線吉祥寺→西荻窪→荻窪→阿佐ヶ谷間です。
 走行音(日立)[sub07hc.mp3/19.8MB]
 同じく2次車の日立IGBT搭載車の走行音です。東西線転属後、東葉高速線内での録音になります。空いた車内なのですが、それでも近くにいた人の鼻すすりの音が目立ってしまいますね(最初の方だけですが)。しゃべり声などは全くなしで東葉線内全区間を録れてしまいましたので、切るのも面倒だからまとめて載せておきます。
 録音は東葉高速鉄道線東葉勝田台→村上→八千代中央→八千代緑が丘→船橋日大前→北習志野→飯山満→東海神→西船橋間です。
 更新車走行音(三菱)[sub07pma.mp3/11.1MB]
 更新(B修)車の走行音です。元の搭載機器のメーカーに関係なく、三菱製のPMSM駆動システムに更新されました。モーターは例によって東芝製みたいです。時期的には13000系後期車も登場済で、その気になればフルSiCの制御器にもできたんでしょうけど、普通のIGBTの制御器で、要は16000系後期車や13000系前期車の仕様で登場した、と理解すればいいかと思います。
 録音はJR中央緩行線三鷹→吉祥寺→西荻窪→荻窪→阿佐ヶ谷→高円寺間です。
 SiC・PMSM試験車走行音(日立)[sub07pha.mp3/19.2MB]
 更新車が登場し始めた頃に、07706号車で長期試験が行われた、日立製のPMSM駆動システム試験車の走行音です。17000系の8連に採用される前提での試験だった模様で、制御器は日立製のフルSiC仕様、PMSMは最近の6極モータでは飽き足らず、なんと8極モータとのことです。例によって、「試験車はすごくいい音」のパターンになってる気がします。非同期モード以外は17000系8連にも雰囲気が引き継がれましたが、非同期モードは似ても似つかぬものです。
 この編成の更新工事後も試験品の駆動システムが載っていたらしいとも聞くのですが、私が更新後の06編成を撮影した時には全て三菱製の量産品に揃っていました。
 録音は東葉高速鉄道線西船橋→東海神→飯山満→北習志野→船橋日大前→八千代緑が丘→八千代中央→村上→東葉勝田台間です。
・その他の写真
 1次車の07002以下10連です。東西線への転属により05系と同様のラインカラーに改められました。転属の頃に01編成が千代田線で運用されたこともありましたが、残念ながらその当時の写真はありません。
 2018.8.13 東西線西葛西駅にて撮影
 2次車の07103以下10連です。更新工事(B修)施工後の写真で、行先表示器がフルカラーLEDになったことや、すカードの形状が変更されたことが特徴となります。
 2019.3.24 東西線西葛西駅にて撮影
 2次車のラストナンバー07106以下10連です。この編成も現在は更新工事済ですが、写真は更新前で、第7車両に17000系への使用前の試験用VVVF装置を搭載した状態です。更新後も残されていたらしい話も聞くのですが、2021年夏に見たときには普通の更新車用のVVVF装置になっていました。
 2019.3.24 東西線西葛西駅にて撮影
 07から号車方向の室内です。有楽町線時代の撮影になります。06系の青緑色のシートに対して、07系はワインレッドのシートでした。袖仕切の水平方向の棒にモケットが巻かれている点などは06系や同世代に増備された03系、05系等各形式との共通点です。
 2004.6.5 西武池袋線飯能駅にて撮影
 07706から006号車方向の室内です。東西線転属〜更新工事前の時代では05系と同様のモケットになっているようです。
 2019.3.13 東葉高速鉄道線東葉勝田台駅にて撮影
 07803から103号車方向の室内です。07系の更新車(B修)の室内となります。袖仕切の大型化やLED式の案内表示器から液晶ディスプレイへの変更などが目立ちます。
 2019.3.12 JR中央本線三鷹駅にて撮影
 07402のVVVF装置で、三菱製のものです。06系とともに初めてIGBTを実用化した車両ですので、三菱製の中では初めてのIGBTを使用したVVVF装置と言うこともできるはずです(試作とかは知りませんが…)。この頃は横から見るとくの字になった断面形状が特徴ですね。個別制御のうちの、モータ2個分のパワーユニットがこの写真では見えています。裏側にも同じ装置が積まれています。初期だし3レベルだし、大きいですね。
 2018.8.13 東西線西葛西駅にて撮影
 07903のVVVF装置で、更新車に採用された三菱製のものです。16000系後期車や13000系初期車と同様の、2レベルIGBTによるPMSM駆動システムとなります。2in1の構成のようで、両方の側面に同様の装置が見られます。
 2019.3.24 東西線西葛西駅にて撮影
 07406の日立製IGBTのVVVF装置です。日立製に関してはたぶん03系の方が早く登場していたと思うので、これが初めてではないと思います。03系の方が静かではありますが…。パワーユニットの形状は異なりますが、構成は三菱製と同様で、写真の面にはモータ2個を制御する分のパワーユニットが見えていて、裏側にも同じ形状のパワーユニットが並んでいます。
 2019.3.24 東西線西葛西駅にて撮影
 07706に試験搭載された日立製VVVF装置です。いろいろな情報を総合すると、SiC適用MOSFET(要はフルSiC)のVVVF装置と8極の三相同期電動機(PMSM)を組み合わせた駆動システムらしい、ということです。17000系8連で実用化されたものとなります。
 2019.3.24 東西線西葛西駅にて撮影

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