・東急電鉄1000系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
「みなとみらい号」1105以下8連
この系列では一番の花形運用と思われる、「みなとみらい号」1105以下8連
2005.7.23 東横線東白楽駅にて撮影
 1988年に登場した、東横線〜営団地下鉄(後の東京メトロ)日比谷線直通用のVVVF車で、車体長は7000系(初代)と同様18mです。9000系のデザインとよく似たステンレス車体ですが、18m3扉で、VVVF装置は2両分8個のモータを一括制御する大型のものとなり、6M2Tの8両編成を組みました。
 90年には4連2本に分割可能な編成も造られ、これらは目蒲線との共通予備車としても使われました。91年には3M1Tで目蒲線用に投入され、中間のM車2両は1C4M用の小型のインバータが装備されました。93年には池上線向けの車両が投入され、先の目蒲線用と組替えが行われ、いずれも3連として池上線に集中投入されました。この時点で、8両固定編成8本、4+4両分割編成2本、3連11本の計113両が出揃いました。
 2000年の目黒線開業で池上・多摩川両線の車両共通化がなされ、日比谷直通に8連8本と4+4連1本、池上線系に3連13本が配置され、中間車2両が余剰となりました。2003年には日比谷線直通の4+4連を、2000年の組み替えで余剰となった中間車を活用して変則的(この編成だけは横浜方の先頭車がMc車)の8両固定編成に組み替えられました。その後、車内への案内装置取り付け、シングルアームパンタグラフの導入などを経て、2008年から一部編成の廃車(地方私鉄への譲渡)がありました。
 2013年に東横線と日比谷線の直通運転が廃止となったため、当時残っていた8連7本を3連化、2M1T編成化の編成替えと更新工事がされ、池上・多摩川線用となりました。こちらは7000系(2代目)と同様の東芝製IGBT-VVVF装置が搭載されました。同様の工事は、当初からの3両編成の一部も対象となっています。
 2022年4月現在、池上・多摩川線用に3連16編成(うち9本は1500番代のリニューアル車)48両が活躍中です。
 走行音(1C8M)[toq1k8a.mp3/7.39MB]
 1C8M車の走行音です。該当するのは厳密に2両ユニットに組まれている車両ということではなく、ATR-H8130-RG621A形制御装置を積む車両全てということになります。このため、日比谷線直通用車両は全てこのタイプで、池上・多摩川線専用となった元日比谷直通4連の1012Fと1013Fも各電動車がこのタイプです。他に、池上線用として投入された1014F〜1024Fの3連11本については先頭のデハ1310形だけが1C8Mタイプとなっています(これら11本は中間M車デハ1200形が1C4Mタイプ)。
 で、音についての特徴ですが、実は1C8Mと1C4Mでそれほど大きな違いはありません。基本的には非同期部分の音に違いがあるだけで、1C8Mでは少し震えながら徐々に高い音になっていく非同期の音の中に一定の高さの音になる部分がなく、純粋に高くなり続けていくということが特徴となります。逆に1C4Mでは一瞬ですが一定の高さになる部分があります。
 という説明を入れたところで、残念ながら東急の車両は加速度も高く、音の変化も早いのでほとんど聞き取れないんですよね。自分も最初は全く分からなかったし、他人に言われて初めて知ったことなので。
 だいぶ古い録音で、ドアチャイムがない頃のものです。中目黒で本物の(?)発車ベルが鳴るのもなかなかですね。
 録音は東横線中目黒→祐天寺→学芸大学→都立大学→自由が丘間です。
 走行音(1C8M)[toq1k8b.mp3/7.41MB]
 同じく1C8M車の走行音です。東横線と副都心線が乗り入れる直前の、日比谷線直通が廃止となる直前の頃に第1編成を録音したものです。上のファイルと全く同じ区間を、13年も経ってから録音していますので、ドアチャイムが追加されたことや、自動放送の変化、駅側の放送の変化なども分かるかと思います(こんなことを書いていますが、録音から公開までも10年経ってますので、既に古い音ですね…)。
 録音は東横線中目黒→祐天寺→学芸大学→都立大学→自由が丘間です。
 走行音(1C8M)[toq1k8c.mp3/5.43MB]
 同じく1C8M車の走行音で、これも日比谷線直通の廃止直前に録音したものです。編成の違いだけで、特に違いはないと思います。
 録音は東横線中目黒→祐天寺→学芸大学→都立大学間です。
 走行音(1C8M)[toq1k8d.mp3/6.42MB]
 1C8M車を1C4Mで運用している車両の走行音です。残念ながら速度の出ない路線でしか今は運用されていません。
 録音は池上線御嶽山→久が原→千鳥町→蓮沼間です。
 走行音(1C4M)[toq1k4a.mp3/6.53MB]
 こちらは池上線用車両の中間車で、1C4Mタイプの車両です。加速が良すぎで、正直なところ、非同期モード途中の一定音を聞き取るのが非常に難しいんですよね。
 録音は池上線戸越銀座→荏原中延→旗の台→長原→洗足池→石川台間です。
 走行音(1C4M)[toq1k4b.mp3/2.74MB]
 同じく1C4Mタイプの車両です。上のファイルと重複する区間での録音ですが、録った時期は異なります。
 録音は池上線戸越銀座→荏原中延→旗の台間です。
 走行音(1500番代更新車)[toq1ksa.mp3/5.45MB]
 こちらは日比谷線直通の任を解かれた後の8両編成を短縮し、更新工事が行われた1500番代の車両の走行音です。東芝製のIGBT素子を使用したVVVF装置に換装されており、7000系(2代目)と同様のVVVF音に変わっています。
 録音は多摩川線矢口渡→武蔵新田→下丸子→鵜の木→沼部間です。
・その他の写真
 こちらは1312以下4連です。2000年8月の目蒲線系統分離に備えて既に目蒲線用の4連2本に分割されていた状況ですが、更に1012編成と1013編成の制御電動車である1312号車と1313号車の振替が行われた後の写真でもあります。まだ連結用の幌は残っていたんですね。
 この時点では3M1Tの4連ですが、1C8MのVVVF装置を積んだ車両が2両(1両目と3両目)となっています。
 2000.2.12 蒲田駅にて撮影
 これは3連化の工事が完了した後の1312他の編成です。上の写真と比べて、VVVF装置が2両連続で搭載されているのが分かると思います。もっと時代が下ると緑1色のラッピングが施されたりもします(少し下で紹介してます)。
 2008.1.4 蒲田駅にて撮影
 池上線用に3連で投入された1323他の編成です。14〜18編成は91年に4連で目蒲線に投入され、19〜24編成は14〜18編成の中間車1両を組み込んだ3連として93年に池上線に投入されました。この時に14〜24編成が池上線用となったわけですが、2000年8月からは池上・多摩川線共通運用となっています(その後、廃車・他社譲渡という車両も発生しています)。
 この写真は、池上線全通80周年のヘッドマーク(シール)が取り付けられた編成だったのと、この頃には池上・多摩川線の1000系にもスカート付き始めていたんですね。
 2008.1.4 蒲田駅にて撮影
 池上・多摩川線で運用されている1317以下3連は、昔池上線などを走っていた3000系車両の塗装の一種であったツートンカラー風にラッピングした「きになる電車」となっています。
 2022.4.30 池上線洗足池駅にて撮影
 1312以下3連は、緑1色にラッピングされているのが特徴です。これも昔の3000系車両の塗装の一種としてのリバイバル企画ですね。
 2023.11.26 池上線久が原駅にて撮影
 1500番代の更新車で、1503以下3連です。五反田方から1500、1600、1700の純に並ぶ、5000系列以降の付番方式になりました。この編成は元日比谷線直通車を編成短縮、機器更新などが行われた車両ですが、池上・多摩川線で運用されてきた3連を更新した編成も少数ながら在籍しています。
 それにしても見事な緑化軌道ですね。
 2022.4.30 池上線洗足池駅にて撮影
 同じく1500番代の更新車で、1524以下3連です。1000系のラストナンバー車で、池上・多摩川線で常に運用されていた編成も更新工事済となっています。試験的に取り付けられた「戸挟みセンサー」が全ての側ドアの上部に取り付けられていますね(使ってないと思いますが…)。
 2023.11.26 池上線久が原駅にて撮影
 1258号車から1008号車方向の室内です。3扉車なので、相対的にドア間のロングシートが長いんですよね。ロングシート途中の肘掛けを兼ねた仕切りは初めからあったか、後付けだったか、忘れてしまいました。
 2004.8.29 東京メトロ日比谷線北千住駅にて撮影
 1212号車から1012号車方向(たぶんそっち方向だったかと)の室内です。池上・多摩川線に転用されてからもだいぶ時間が経ってからの撮影となります。車端に車椅子スペースがあったり、シートモケットが緑色に変更されたりと言った変化がありました。
 2023.2.23 蒲田駅にて撮影
 1601号車から1701号車方向の室内です。1500番代の更新車は、このように木目調の壁に緑の座席の、まるで阪急のような室内(ステンレスむき出しドアは阪急のイメージではありませんが)になっていますね。
 2023.2.15 蒲田駅にて撮影
 1402号車の車内の製造銘板です。第2編成の落成日は1989年2月1日とされているわけですが、部品調達の都合などでこのプレートが付いたんでしょうね。現在は1500番代にリニューアルされた車両なので、たぶん取り外されているものと…。(飯坂電車とかへの譲渡車に選ばれてくれたら残ったんだろうけど)
 1998.4.8撮影
 1319号車のVVVF装置です。8連組成の車両全てと、4+4組成の編成、元は4+4組成だった1012Fと1013F、池上・多摩川線用の1314〜1324号車に装備されているものはこの形で、大形の8個モータ制御用となっています。4個のモータだけが接続されている場合も当然ありますが、VVVF制御の場合複数のモータが接続される場合必ず並列接続されているので個数が減ったところで特に問題が起きることはないわけです。今となっては2両ユニットで運用する車両は皆無ですが、ユニットに戻すことも可能と言えば可能ですね。まさかとは思いますが、2両目の1C4Mの制御装置が故障した時に、先頭車の1C8Mの装置で2両分のモーターを駆動する、なんて機能は備えてないんでしょうね(あったらいいなとか思ってしまいますが、一時的に1M2T編成で運用して車庫入れして終わりでしょうね…)。
 2008.1.4 池上線蓮沼駅にて撮影
 1217号車のVVVF装置です。池上・多摩川線用の1214〜1224号車にだけ使用されているタイプで、1C4M専用の装置となっています。形状は1C8M用と類似していますが大きさが全然違うことが分かると思います。
 2022.4.30 池上線洗足池駅にて撮影
 更新車である1607号車のVVVF装置です。1C4MのVVVF装置が2群と、SIVが1群内蔵されています。東芝製ということでそれらしい形状かと思います。7000系(2代目)とも同等の装置になっています。
 2022.4.30 池上線洗足池駅にて撮影
 1022号車のSIVです。未更新車のみが搭載する、SIV単体の装置で、INV020-A1形という、東芝製のGTOインバータで、120kVAの容量となっているそうです。形状は8000系列でもよく見かけたタイプですし、9000系や2000系も同様です(あくまで外観の話で、車種によって容量の違いなどがあります)。
 2023.11.26 池上線久が原駅にて撮影
 1217号車の動台車です。TS-1006形となっていて、ペデスタル式軸箱支持のボルスタレス台車です。9000系ともよく似たものになっているはずです。
 2022.4.30 池上線洗足池駅にて撮影

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