・東急電鉄2000系/9020系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
2102以下10連
スカートの取り付け、行先・種別表示器がフルカラーLED化された後の2102以下10連
2016.12.20 田園都市線あざみ野駅にて撮影
 1992年に田園都市・新玉川線用に登場した車両で、6M4Tの10両編成、4扉20mのステンレス車体となっています。9000系とよく似たVVVFインバータ制御車両ですが、搭載する装置は8500系で試験を積んできた1C8M式を本採用しています。
 車内についてはロングシートの蹴込みの拡大、東急沿線の名所をデザインしたカーテン、7人掛シートの中間仕切部へのポールの設置など、細かい部分に工夫が見られるようです。
 92年に2本、93年に1本が製造され、第3編成は6M2Tの8連で登場し、数ヶ月の間東横線で使用された後で田園都市線に転用されました。
 しばらく田園都市線で運用され、特に、半蔵門線を介しての東武伊勢崎線・日光線との直通運転が始まった2003年以降は東武には行けない車両とされたため、入れる運用が限定されました。2004年にスカート設置、2007年頃に種別・行先表示器のフルカラーLED化などの改造を受けました。
 2017年からは改造工事が開始され、2018年には田園都市線での運用終了と、2000系更新車としての暫定的な大井町線での運用開始があり、2019年に入ってから、9020系としての大井町線での運用が始まりました。9020系は3M2Tの5両編成で、先頭車は2000系3本の先頭車が順番通りに流用され、中間車は2003編成の全ての電動車が、9020系の各編成の2両ユニットの電動車とされ、2002編成の制御器付だった電動車が9020系の各編成の1M車とされました。9020系には2020系と類似のSiC適用MOSFETのVVVF装置が搭載されました。
 2022年4月現在、2000系は現存せず、9020系となった5連3本の15両が大井町線で活躍中です。
 2000系走行音[toq2ka.mp3/10.4MB]
 2000系2201号車の走行音です。日立製の1C8Mインバータということで、標準的な音と言えるのではないでしょうか。8500系の最終増備車に積まれたインバータと酷似していますが、減速音は8500系VVVF車のような無骨さはなく、結構きれいな日立GTO車らしいVVVF音だと思います。それにしてもこの時期の東急のVVVF車はどの車両も高速域の音が良く似ていて、結構な音量になります。後に登場するIGBTインバータの3000系でさえも同じような雰囲気を出しています。
 録音は田園都市線あざみ野→江田→市が尾→藤が丘→青葉台→田奈→長津田間です。高速運転区間が続きます。
 2000系走行音[toq2kb.mp3/8.28MB]
 2000系2401号車の走行音です。上のファイルとの特段の違いはありません。8500系VVVF車のように、回生ブレーキの失効直前に非同期モードらしき「おまけ」が付くことが、2000系でもあるらしいのですが、録ったことあったかなぁ…、という感覚です(一応VVVF装置付近での録音の中にあるのですが)。
 録音は田園都市線あざみ野→江田→市が尾→藤が丘→青葉台→田奈間です。それにしても、江田→市が尾→藤が丘の間はよく速度が出ますね。
 2000系走行音[toq2kc.mp3/7.02MB]
 2000系2403号車の走行音です。この録音のみだいぶ古い(以前から公開していたファイルを、当時録音していた区間全てに再編集しての公開)ものになります。ドアチャイムなし、自動放送が古いなどの違いをお楽しみください。
 録音は田園都市線長津田→田奈→青葉台→藤が丘→市が尾間です。
 2000系走行音[toq2kd.mp3/7.74MB]
 2000系2403号車の走行音です。こちらは田園都市線からの撤退にだいぶ近づいた時期の録音となります。途中で待避駅を挟んでいますので、ファイルを2つに分割しての公開としています。
 録音は田園都市線溝の口→梶が谷→宮崎台→宮前平→鷺沼間です。この区間の中では、梶が谷→宮崎台で割と速度が上がります。
 2000系走行音[toq2ke.mp3/6.98MB]
 2000系2403号車の走行音で、上のファイルの続きの区間になります。
 録音は田園都市線鷺沼→たまプラーザ→あざみ野→江田→市が尾間です。このファイルの中で2カ所ほど、回生失効直前に非同期モードらしき音が聞こえるところがあります。
 2000系走行音(VVVF装置付近)[toq2kf.mp3/4.54B]
 日立製のこの世代のインバータ車ではよくVVVF装置本体(もしかするとフィルタリアクトル辺りかもしれませんが)から激しい音を出している車両があります。この2000系にもその傾向があります。そして、最後の区間の停車直前には、8500系VVVF車で聞く機会の多かった、非同期モードらしき音が聞けます。
 録音は田園都市線長津田→つくし野→すずかけ台→南町田間です。まだ南町田が南町田だった頃なんですね。
 2000系走行音(VVVF装置付近)[toq2kg.mp3/8.95MB]
 こちらもVVVF装置付近での録音です。地下区間から始まり、地上に出て駅間の非常に短いエリアを行くところでの録音となります。
 このファイルでも、最後の区間の停車直前に非同期モードらしき音が聞こえます。
 録音は田園都市線駒沢大学→桜新町→用賀→二子玉川→二子新地→高津間です。
 9020系走行音[toq92a.mp3/2.60MB]
 こちらは2000系が機器更新され、大井町線に転属し9020系に改番された後の録音です。三菱製のフルSiC適用のインバータに載せ替えられたのですが、これが2020系と同じにはならなかった、やや不思議なパターンと言えますかね。非同期モードの高さで言えば、普通のIGBTのVVVF車みたいにも聞こえてきてしまいます(制御のパターンなどは全然違うようですが…)。
 録音は大井町線等々力→尾山台→九品仏間です。九品仏ですので、1両はドアが開かない旨が自動放送にも組み込まれています。
 9020系走行音[toq92b.mp3/2.22MB]
 同じく9020系の走行音で、音の違いはありませんが、上のファイルがユニット車なのに対し、このファイルは1M車の録音です。田園都市線との複々線区間での録音で、多少は速度が出ているでしょうかね。
 録音は田園都市線二子玉川→溝の口間です。
 9020系走行音(竜巻タイプ)[toq92c.mp3/12.3MB]
 こちらは1M車である9223号車での録音で、「竜巻タイプ」とも言われる、非同期モードがヒュルヒュルと言いながらどんどん音程が上がっていくタイプの走行音です。大井町線内の速度はイマイチで、最後の田園都市線区間でそれなりの速度が出ています。モーターも載せ替えられているので、高速域もそれほどうるさくないですね。つくづく、機器更新した時点で田園都市線で営業運転に復帰してもらいたかったと思いますね。そこが残念でなりません。
 こちらのタイプはこの録音の数ヶ月後には上の2つのタイプと同じになって消滅したらしいです。
 録音は大井町線・田園都市線緑が丘→自由が丘→九品仏→尾山台→等々力→上野毛→二子玉川→溝の口間です。
・その他の写真
 スカートなし、行先表示が幕式だった、原形時代の2001以下10連です。2001と2002の編成がこのようなスタイルでした。
 2002.5.2 田園都市線藤が丘駅にて撮影
 行先表示器がLED式で製造された2103以下10連です。この編成の登場時は8連で東横線用でした。後に付随車2両を追加して田園都市線用となりました。
 安物フィルムで撮影していた頃の写真だし、天候も悪かったしで、だいぶ厳しい画質の写真です。こういうのに限ってデジカメにしてから撮ってないんですよね…。
 2000.1.12 田園都市線高津駅にて撮影
 こちらは2003以下10連の、スカート追加、種別・行先表示器のフルカラーLED化後の姿となります。田園都市線での活躍最終時期はこのようなスタイルでした。
 2016.12.20 田園都市線あざみ野駅にて撮影
 大井町線に転用改造され、9020系となった後の撮影で、9021以下5連です。先頭車は元2001編成の車両ですが、中間車は2002編成の車両と2003編成の車両が混用されています。
 2020.2.2 大井町線緑が丘駅にて撮影
 同じく9020系となった9123以下5連です。こちらは1Mの中間電動車1両が2002編成から組み込まれた以外の4両が2003編成からの改造車となります。
 2023.10.28 大井町線旗の台駅にて撮影
 2102号車の室内です。この世代の東急の電車の標準的な内装と言えるのではないでしょうか。ロングシートの途中に肘掛けを入れて、これを着座区分にうまく使っているのも独特なアイデアでしたね。
 本当は、2000系の貫通扉の窓の独特な形状をご紹介したかったのですが、東急ならではの折り返し時間の短いダイヤで、なかなか室内写せないんですよね…。この時は閑散時間帯の急行との接続待ちの時間でしたが、端の1両が奇跡的に無人だった感じです。
 2016.12.20 田園都市線長津田駅にて撮影
 2403号車のVVVF装置です。南側の側面から見るとこのようにパワーユニットが2つ見える配置となっていました。この時期の日立製GTOインバータではよく見られる配置ですが、パワーユニット表面の穴の形は独特で、8500系の新造VVVF車である0718号車とよく似たものとなっています。
 2016.12.20 田園都市線あざみ野駅にて撮影
 2202号車のVVVF装置です。北側の側面を見るとこのようにパワーユニットが1つだけ見えます。
 2016.12.20 田園都市線あざみ野駅にて撮影
 2252号車のSIVです。北側の側面から本体が見える配置となっていました。東芝製のGTOサイリスタを使用したSIVで、INV029-C0形となります。形状は8000系列や9000系、1000系と同様だったりします。
 2016.12.20 田園都市線あざみ野駅にて撮影
 9020系となった後の、9423号車の1C4M×2群タイプのVVVF装置です。フルSiCタイプなだけあって、パワーユニットは小さいですね。制御部含めた本体は、思ったほど小さくもないような…。
 2023.10.28 大井町線旗の台駅にて撮影
 9020系の9223号車の1C4M×1群タイプのVVVF装置です。2群タイプとほぼ同じ箱で、向かって右側のパワーユニットの場所がブランクになっているように見えます。
 2023.10.28 大井町線旗の台駅にて撮影
 2252号車の動台車です。ボルスタレス台車のTS-1010形ですが、9000系や1000系のペデスタル式から、円筒積層ゴム式の軸箱支持方式に変わっています。
 2016.12.20 田園都市線あざみ野駅にて撮影

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