・東急電鉄7700系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
7710以下3連
7700系の標準的なスタイルの7710以下3連
2008.1.4 蒲田駅にて撮影
 1987年以降に7000系(初代、最初の東横線〜営団日比谷線直通運転用車両)をVVVF化した車両です。オールMからMT比1:1に変更されています。同時に冷房改造や更新工事が行われ、台車や補助電源装置などの新製が行われたほか、内装も新車同然になりました。
 改造開始当初は従来のブレーキ方式のままでワンハンドルマスコンとしていたものの、電気指令式車両との応答の違いが問題となり、途中から電気指令式を採用すると共に初期車も改造されました。
 当初の配置は4+2連で大井町線でしたが、89年から4連14本を目蒲線に集中させ、95年からは7912F〜7914Fの3本を3連化し池上線に移ることとなり、この時に外された付随車3両を先頭車化や電装改造した編成(7915F)も誕生しました。更に2000年の目黒線開業時には池上・多摩川線が3連で共通運用となり、一部の編成(04、09、11の3編成)やサハが余剰となり、以後は3連12本が活躍を続けました。
 7000系(2代目)の登場や、日比谷線直通用1000系の改造投入(1500番代)などにより、2018年までに全編成が引退しました。一部の車両は他社に譲渡され、2023年現在も活躍中の車両があります。
 走行音(4連時代)[toq77a.mp3/4.01MB]
 4連で目蒲線を走っていた時代の走行音です。目黒線と多摩川線に分断されるタイミングでサハを抜いた3連となって、というところですが、この録音の編成はまるごと廃車になってしまいました。
 それにしても変な音になったものです。改造当初は7600系と同様の音だったそうですが、いつからかこのような、1000系と似ていると言えば似ている、違うと言えば全然違うような、妙な音に変わってしまったわけです。非常に独特ではあるのですが…。そして、減速時の「逆爆音」が本当に激しいですね。
 録音は目蒲線鵜の木→下丸子→武蔵新田→矢口渡間です。以前は1区間だけ公開していた音声を、複数区間の走行音として再編集して公開しています。
 走行音(3連)[toq77b.mp3/1.47MB]
 こちらは3連化後の第1編成の走行音です。7700系は蒲田方が先頭M車なのですが、この走行音は最後尾のMc車での録音です。池上線随一の高速運転区間です。
 録音は池上線旗の台→荏原中延間です。
 走行音(3連)[toq77c.mp3/2.68MB]
 こちらは3連化後の第14編成(一般編成のラストナンバー)の走行音です。こちらは先頭電動車での録音で、運転士さんと、添乗(指導?)の方のダブルの喚呼の声が聞こえてきます。そして、池上線随一の高速運転区間を2駅続けての収録となります。ただ、空調が動いているような感じですね(それ以上にVVVF音が強烈ですが)。
 録音は池上線戸越銀座→荏原中延→旗の台間です。
 IGBT車走行音(7815)[toq7815a.mp3/10.2MB]
 こちらは3連化と共に池上線に投入する際の余剰サハ3両をかき集めるにあたり、先行して改造された中間車、7815号車の走行音です。
 詳しくは、元々4連14編成を改造したところ、12〜14編成を3連化し池上線に投入すると共に、その3編成から抜いたサハを96年に1両は先頭車化、1両は電動車化、もう1両は先頭電動車化、というメニューとし、同時にこの編成ではIGBTインバータの実用化を行おうとしたようです。しかし、新方式をいきなり導入することは避け、95年3月に第12編成のサハをデハ7815と改称し、この1両に先行して装備し、在来車と混結して運用することとなったようです。
 もちろん、両先頭車の改造が終了した96年にはデハ7715-デハ7815-クハ7915の3連となったわけです。
 このようにして少なくとも日本国内では初めての東洋電機製IGBTインバータの誕生となりました。音は日立製の一部(例えば福岡市交2000系IGBT編成や1000N系初期改造車、東京モノレール2000形など)と近い雰囲気になります。後に登場する2レベルインバータの世代も含め、東洋電機のIGBTと言えばこれ、という感じでずいぶんと長いこと、こういう単純なパターンですね。
 録音は池上線池上→千鳥町→久が原→御嶽山→雪が谷大塚→石川台→洗足池間です。
 IGBT車走行音(7815)[toq7815b.mp3/1.47MB]
 同じくIGBTの中間車、7815号車の走行音です。こちらはある程度の速度が出る1区間の走行音です。モーターは在来車と特に変更なし、撓み板継手が使われていることなどから、高速域は純粋にうるさくなりますね。これも東急のVVVF車の特徴ではありますが…。
 録音は池上線旗の台→荏原中延間です。
 IGBT車走行音(7715)[toq7715a.mp3/2.78MB]
 こちらは上記の7815号車と同様にサハを改造した車両で、96年に先頭車化改造と電装化を同時に施工した7715号車の走行音です。
 音は7815号車と特に違いはないようです。7815号車の項目でも書いた通り、日立製のものと似てはいるわけですが、もっと言うと非同期モードの音の高さは日立製と似ていて、鳴り方はと言うと東芝製の一部のものに似ているとも言えます。いったん「キーン」という音が鳴り始め、一瞬消えたかと思えばもう一度少しの間だけ「キーン」という音が聞こえてきて、今度は同期モード(IGBT車なので、GTO車では高速域で使っていた1パルスモードにたぶんいきなり入っていると思います)に移るというわけです。
 録音は池上線旗の台→荏原中延→戸越銀座間です。速度の出る2区間を続けての収録ですが、最後部のMc車になります。
 IGBT車走行音(7715)[toq7715b.mp3/4.04MB]
 7715号車が先頭となった状態での録音です。こちらは速度は期待できない区間です。
 録音は池上線旗の台→長原→洗足池→石川台間です。
・その他の写真
 2000年8月に目蒲線から目黒線と多摩川線分割された際に、4連のままで廃車となった、7711以下4連です。4連の時代はMTMTの順序でしたので、この構図ですと、先頭車と3両目にVVVF装置があるのが見えると思います。3連化されると(この編成は3連化されませんでしたが)、2両目のT車が抜かれる形となります。
 2000.2.12 蒲田駅にて撮影
 1995年頃に3連化されて池上線に転属し、同時に内装の改造などが行われた7713以下3連です。8000系の更新車と同様の「歌舞伎塗装」となったことが特徴ですが、同時期に7600系もこの塗装にされてしまったため、遠目には区別が付きにくいですね。この塗装だと7600系の「ダイヤモンドカット」の先頭部も分かりにくかったですし。
 2008.1.4 蒲田駅にて撮影
 こちらは1996年に誕生した7715以下3連です。サハ3両を、先頭電動車化改造、電動車化改造、先頭車化改造という三者三様の改造をしたという、これぞ魔改造車だという改造メニューですよね。しかも先頭車化された前面もどことなく不格好なところとか、本当に興味深い車両でした。
 2008.1.4 池上線大崎広小路駅にて撮影
 7802号車のVVVF装置です。7600系と何ら変わりのないことが分かると思います。当時の東洋電機製GTO標準品ですね。
 2008.1.4 池上線旗の台駅にて撮影
 7815号車のVVVF装置です。東洋電機製のIGBTインバータという、国内では非常に珍しいものであり、これはその第一号に当たるものでもあります。同じ1C2Mの3000系の装置よりも小さいようにも思いますが、どうなんでしょうかね。故障が多発したとも言われており、この車両以降に東急に東洋製の制御装置が入っていないあたり、本当に克服できなかったんでしょうかね…。
 2000.2.12 目蒲線下丸子駅にて撮影(現在は多摩川線に改称)
 7715号車のVVVF装置です。ちょっと遠いところからの撮影で、少しブレたりもしているようですが、7815号車のものとの違いはないと思います。
 2008.1.4 池上線雪谷大塚駅付近にて撮影

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