・211系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
クハ210-5以下15連
113系から編入の2階建てグリーン車を組み込んだ、クハ210-5以下10連+クハ210-2006以下5連
2005.9.18 東海道本線新子安駅にて撮影
 1986(昭和61)年、前年の山手線用205系に続いて東海道線と東北・高崎線に投入された3扉車体のセミクロス車及びロングシート車で構成される形式で、主要機器は205系に準じ、歯数比の違いで最高速度を110km/hとされています。
 国鉄時代に登場した車両では東海道線の基本10連はセミクロスの0番代、付属5連はロングの2000番代、東北・高崎線は5連を基本としセミクロスの1000番代、ロングの3000番代に区分されています。JR化後には東日本では2000・3000番代のみが大量増備され、東海でも2〜4連のロング車5000・5600・6000番代などが独自の仕様で製造されました。
 2008年10月現在、国鉄仕様の車両は田町に10+5連14本(大部分の編成に113系から編入の2階建てグリーン車組込)、高崎に10連17本(113系や田町211系から編入されたグリーン車組込)、5連25本、幕張に5連14本(元新前橋車と小山車)、大垣に4連2本が所属しています。
 モハ211-5(外扇形)走行音[211-5a.rm/862KB]
 205系同様、1989年度製造分の途中までは台車付近の床に主電動機点検蓋が存在しています。録音した車両はセミクロスシートの車両で、国鉄時代、211系の1次車として製造されています。当時は、東海道線向けの基本編成はセミクロスシートの0番代、付属編成はロングシートの0番代として、明確に区別されていました。東北・高崎線での1000番代(セミクロス)と3000番代(ロングシート)についても、連結位置を固定するなどされていたようですが、JR化後はいずれもロングシート車のみの増備となり、どちらが来るかは運次第になってしまいました。
 音の特徴としては、起動時の唸り方が205系よりは重たいものの、特急形のような力強さもなく、やや中途半端な感じがします。高速域は205系の外扇形と大差はないわけですが、速度を出せば出すほど張り裂けるような爆音になっていきます。この区間は回復運転モードになっていたんでしょうか、100km/hを超えているように思います。
 録音は東海道本線東田子の浦→吉原間です。雨が降っていましたので、少し空転しているようです。この区間には現在JR東日本の211系は入線していませんので、ある意味貴重な記録かもしれません。
 クモハ211-3031(外扇形)走行音[211-3031.rm/849KB]
 こちらは東北本線・高崎線などで活躍する3000番代車です。将来の短編成化でも見込んだのか、先頭をMc車とした5両編成が特徴です。従って、録音は先頭のMc車で実施しています。クモハ211-3031ということで、後期車のイメージを持っているのですが、この車両も点検蓋付でした。1988年度車ですので、増備の真っ最中だったんでしょうね。外扇形装備で造られた最後の時期かもしれません。
 録音は東北本線野木→間々田間です。東北本線上野口では、随一の高速運転区間です。110km/hには届いていないかもしれませんが。
 モハ211-2021(外扇形)走行音[211-2021.rm/835KB]
 こちらは主電動機点検蓋のない、東海道線の最終増備に近いグループになります。検査時にモータが外扇形に換装された車両になるようです。やや落ち着いた響きなのは、そういうモータなのか、スピードが出ていないだけなのか…、よく分かりませんね。
 録音は東海道本線辻堂→藤沢間です。
 クモハ211-3037(内扇形)走行音[211-3037.rm/995KB]
 主電動機点検蓋付で内扇形モータ装備車の走行音です。最高速度である110km/h目一杯まで加速しており、ここまで行くと、外扇形で聞こえるような甲高い音の成分も少し聞こえてくるように思います(音量は違うし、厳密には音程も違うと思いますが)。211系だと内扇形の方が「らしい」音なのかもしれませんね。
 録音は東北本線古河→野木間です。この区間で110km/h運転で、次の野木→間々田は105km/h止まりでした。
 モハ211-2024(内扇形)走行音[211-2024.rm/820KB]
 こちらは東海道線の最終増備に近いグループで、点検蓋なしの車両になります。高速まで加速すると、このモータのように、何回か、段階的に音程が変化(少し唸るように聞こえる)するところがあるのも、MT61の特徴かもしれませんね。特に内扇形で顕著だと思いますが(外扇では聞こえないだけかも)。
 録音は東海道本線茅ヶ崎→辻堂間です。
 クモハ211-3001(内扇形/異音車)走行音[211-3001.rm/903KB]
 国鉄時代の211系第一陣に含まれる車両ですが、現在は内扇形モータになっているようです。ただし、「シュワシュワ…」と、異音をたてる車両になっていました。惰行時も、内扇形の中では音が大きめかもしれませんね。
 録音は東北本線野木→間々田間です。残念ながら100km/h止まりでした。
 クモハ211-2(東海仕様内扇形)走行音[c211-2.rm/949KB]
 国鉄末期に、名古屋地区に4連2本だけ導入された車両で、0番代でありながら東日本地区とは異なり、クモハを先頭とする4連になりました。東海地区では2本だけの、主電動機点検蓋付の211系です。JR化後はモータが5000番代のものに換装されており、高速域では低い音ながら、それなりに大きな音をたてています。JR東日本の内扇形とはかなり違った雰囲気です。
 この録音をした時期も含め、JR東海の211系0番代2編成は、120km/h運転対応に改造されています。この録音でも、120km/hに到達している可能性が高いと思われます(夜間で、速度計が見えなかった)。
 録音は東海道本線木曽川→尾張一宮間です。
 クモハ211-5041(東海仕様内扇形)走行音[211-5041.rm/663KB]
 こちらはJR東海で製作された211系5000番代で、クモハが先頭の3連または4連、インバータクーラを装備するなど、独自仕様となっています。この走行音は3連+3連の編成での録音で、211系とは思えない軽快な加速感が特徴となっています。最高速度である110km/h運転もしていました。
 こちらも高速域の音がJR東日本の内扇形よりも低めの傾向になります。録音した車両の個体差か、ちょっとこもり気味の音になっています。
 録音は東海道本線三河大塚→愛知御津間です。
・その他の写真
 JR化後間もなく、東海道線の211系には2階建てグリーン車が1両連結されました。10両編成そのものの増備途中で実施されたため、新造編成には2階建てグリーン車2両(トイレ付サロ213と車掌室付サロ212)を組込、0番代既存編成から車掌室付サロ210を抜き、代わりにサロ212を組込、新造した編成にはサロ212の代わりにサロ210を組込、といった方法で組み替えが行われました。
 写真は0番代のクハ210-6を先頭とする編成で、4号車には2階建て・車掌室付のサロ212、5号車にはトイレ付のサロ211が組み込まれています。ちなみに、付属編成はクハ210-2020以下5連でした。
 2002.6.1 東海道本線新子安駅にて撮影
 こちらは上記の組み替えにより、サロ213とサロ210を組み込む形となった2000番代の編成で、クハ210-2009以下10連+2010以下5連です。この頃は既に113系からのサロ124・サロ125の転用改造がかなり進んでおり、ほとんど最後まで残っていた編成と言っても良かったのではないかと思います。ちなみに、時々見かける、2階建てグリーン車でラインカラーが太い車両(トップの写真の4号車のようなもの)は、元は横須賀線で使用されたサロ124が、東海道線113系で使用された後、211系に編入された車両です。
 2005.9.17 東海道本線新子安駅にて撮影
 東海道線向け211系の最終増備車で、クハ210-2022以下10連です。快速「アクティー」で10連とはいかなることか、とは思いますが、そういう運用だったみたいですね。最後に増備された2編成は、2階建てグリーン車を2両連ねた編成で製作されました。113系からの転用改造の際も、この2編成に使用されるグリーン車は、他に移動することなく、そのままの組成でグリーン車Suicaシステムの組込改造などが行われたようです。
 2005.9.17 東海道本線新子安駅にて撮影
 東北本線上野口と高崎線で活躍する3000番代車で、クモハ211-3056以下5連+3038以下5連の10連です。特に前5両は、1991年度製で211系の最終増備のグループになります。また、この写真は、「湘南新宿ライン」として211系1000・3000番代が運用されていた非常に短い期間の記録になります。
 2004.8.14 山手線原宿駅にて撮影
 E231系の本格投入後も東北・高崎線上野口に残る211系には、グリーン車が組み込まれました。113系からの転用車と、東海道線211系からの玉突きでの捻出車両の2種類が組み込まれています。写真はクハ210-3004以下3連+サロ213-1005+サロ210-1005+クハ210-3005以下5連で、中間のグリーン車2両は、東海道線211系(N5編成)から、そのままの組合わせで転用されたものです。先頭車とグリーン車との連結面に、そそられるものがありますね(笑)
 2008.1.13 東北本線小山駅にて撮影
 東北・高崎線へのE231系大量投入に伴い、一部の211系3000番代は幕張車両センターに転属され、千葉県内の各線への転用が行われました。その際、帯色の変更が行われ、従来の113系の塗装である横須賀色に近いようで、まるで違う、不思議な配色に変更されました。また、パンタグラフの増設された車両も多く、幕張所属の車両では、このように2基のパンタグラフを堂々と使用している姿が見られます。できることなら形を合わせて欲しいですがね…。
 2008.11.29 総武本線四街道〜物井間にて撮影
 JR東海流のアレンジが加えられた5000番代車で、クハ210-5042以下3連+クハ210-5036以下3連です。屋上の冷房装置が、国鉄仕様の集中形から、インバータクーラーの2代分散形に変更されたのが最大の特徴ではないでしょうか。側面表示器をLED式とされた車両など、細かな差異も見られます。
 2004.5.15 東海道本線弁天島〜新居町間にて撮影
 同じくJR東海の車両で、213系と同等の1M仕様の足回りとなった6000番代編成です。クハは5000番代が付番されており、写真の編成はクハ210-5054+クモハ211-6006+クハ210-5049+クモハ211-6001の4両編成です。
 この頃はレンズ保護フィルターを付けて撮影していたもので、写真のような悪条件(霧雨でした)では、正面に近いヘッドライトがレンズの光学系に悪影響を与えて、この写真のように「緑色の火の玉」が写り込んでしまうんですよね。この失敗以降、レンズ保護フィルターは使わなくなりましたね。
 2006.5.2 東海道本線金谷〜菊川間(東峰踏切)にて撮影
 モハ210-1001からクモハ211-1001方向の室内です。211系0番代と1000番代が該当する、セミクロスシート車の室内の様子になります。背もたれが斜めになったセミクロスシートは、なかなか座り心地のいいものです。最近ではさすがにくたびれてしまった座席なので、登場時ほどの良さを味わえませんが…。
 2008.1.13 東北本線上野駅にて撮影
 モハ210-3022からクハ210-3022方向の室内です。グリーン車が組み込まれた編成のため、モハ210形のすぐ向こうにクハ210がつながる編成となりました。2000番代と3000番代はロングシートで、205系とは異なるバケットタイプのシートが特徴となっています。
 2008.1.13 東北本線上野駅にて撮影
 サロ210-1006の室内です。国鉄時代、211系の登場と同時に製作された、サロ211形・サロ210形はいずれもこのような室内でした。写真はグリーン車Suicaシステム整備後のものですので、荷棚の下面にカードリーダーと表示灯が追加されています。
 2008.1.13 東北本線上野駅にて撮影
 東海道線で活躍するサロ212-8の階下部の室内です。グリーン車Suicaシステムの準備工事が完了した頃の撮影と思われ、蛍光灯と窓の中間部は、既にそれと思しき部材が取り付けられています。
 2005.11.5 東海道本線東京駅にて撮影
 東北・高崎線に転用されたサロ213-1006の階下部の室内です。グリーン車Suicaシステム整備後の撮影ですので、天井にはカードリーダーと表示灯が座席数分だけ並んでいます。
 2008.1.13 東北本線上野駅にて撮影
 同じくサロ213-1006の、車端平屋部の室内です。2階建て車では、階上、階下とも荷棚がありませんが、平屋部分にはこの通り、荷棚がありますし、セミコンパートメントみたいなこの雰囲気、個人的には好きです。
 2008.1.13 東北本線上野駅にて撮影
 後に211系に転用されることとなる、サロ124-11の階下部の室内です。元々がサロ124やサロ125と共通の設計で造られていますから、目立った違いもありません。当然ながらグリーン車Suicaシステム整備前の、ほぼ原形の室内になります。
 2005.2.14 東海道本線熱海駅にて撮影
 同じくサロ124-11の、階上部の室内です。窓が斜め上まで上がっており、このために室温が上がりやすいようです。そういったこともあって個人的にはあまり2階席には…。
 写真はだいぶ斜めになってしまいました。すでに同じ写真は撮れない存在ですし、仕方ないですね。
 2005.2.14 東海道本線熱海駅にて撮影
 JR東海のモハ210-5068から、クモハ211-5620方向の室内です。5000番代は全てロングシート車ですが、国鉄〜JR東日本の車両と比べると、しっかりした作りのバケットシートになっており、座り心地も上々です。
 2002.11.16 中央本線多治見駅にて撮影
 モハ211-2012の台車です。動力台車は、ブレーキテコ(?)が枕バネの下部によく目立つ存在になっています。検査上がりだったようで、大変きれいな状態です。このタイプの黒塗装は、逆に写真で細部が見えにくいという難点もありますが…。
 2008.4.19 東海道本線川崎駅にて撮影
 サハ211-3122の台車です。3000番代車は1編成につきサハ2両を製作したため、これは第61編成ということになり、最後から2番目の編成です。撮影時は、ちょうど検査直後だったようで、かなりきれいな状態になっています。
 2008.4.12 山手線御徒町駅にて撮影
 JR東海のクモハ211-5606の台車です。JR東海では下回りをグレーに塗装していますので、当然この台車も汚れてはいるものの、グレーになっています。色は違いますが、形状は国鉄仕様のものと特に違いはないと思います。
 2008.11.22 名古屋駅にて撮影

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