・E235系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
クハE234-1以下11連
クハE234-1以下11連
2016.4.3 山手線御徒町駅にて撮影
 2015年、次世代の通勤車両として山手線に量産先行車が投入されました。レーザー溶接などを取り入れたステンレス車体「sustina」が採用され、ホームドア設置駅でもラインカラーが判別しやすいよう意識した縦のラインカラー採用などが特徴となっています。
 走行機器は、従来のJR東日本の直流通勤車とは大きく異なり、各電動車に自車用のVVVF制御装置を搭載する編成構成となりました。VVVFインバータ制御装置は2レベルインバータによる1C4M/両(1C2M×2群/両とする資料もある)の構成で、素子はSiC(炭化ケイ素)適用MOSFET(フルSiCとも呼ばれる)を採用した三菱製と、IGBTとSiC適用SBDを採用(ハイブリッドSiCとも呼ばれる)した東芝製の2種類があります。歯数比は209系やE231系と同じ7.07に設定され、山手線用についてはE231系500番代と同じく6M5T組成、加速度3.0km/h/sになっています。モータについては全閉外扇式が採用されています。また、E231系やE233系のTIMSから世代が進み、情報制御装置としてINTEROSが採用され、伝送速度の向上や各種機能の追加などが行われています。
 2015年に1編成10両が製造され、E231系500番代の全車4扉化時に製作された10号車1両をE235系に改造のうえ編入され、11両編成となって11月に営業投入されましたが、初日のトラブルでしばらく運用から離脱してしまい、本格的な営業運転は2016年3月からとなりました。
 量産先行車走行音(三菱)[E235ma.mp3/3.68MB]
 フルSiC素子が採用された三菱製VVVF装置は、東京駅基準で北側になる3両の電動車(モハE235-1、234-1、235-2)に搭載されています。VVVF音のパターンはE233系三菱車と似た感じですが、非同期モードの高さは901系A編成(209系900番代)などの富士電機製VVVF装置に似ているように思います。非同期モードもE233系より長くなっていると思われ、同期モードへの移行時に「爆音」が鳴らないのも特徴です。ちなみに、モハE234形にはコンプレッサが搭載されていますが、残念ながら結構音が大きめです。せっかく各電動車に制御器が搭載されたものの、モハE235形のみが録音に適しているように思います。
 録音は山手線田端→駒込→巣鴨間です。
 量産先行車走行音(東芝)[E235sa.mp3/11.0MB]
 ハイブリッドSiC素子が採用された東芝製VVVF装置は、東京駅基準で南側になる3両の電動車(モハE234-2、235-3、234-3)に搭載されています。東京メトロ9000系東芝車やつくばエクスプレスTX-1000系、JR九州の東芝IGBT車などと類似のVVVF音になります。全閉式のモータの場合、民鉄向けで出始めの頃の車種では起動時に激しい駆動音が鳴る傾向もありましたが、E235系では特に耳に付くことはないようです。
 録音は山手線恵比寿→目黒→五反田→大崎→品川→田町間です。
 量産先行車走行音(三菱、東芝連結部)[E235msa.mp3/3.43MB]
 編成中央のモハE235-2とモハE234-2のユニットは、隣同士の車両で制御器のメーカーが異なります。ということで、連結部で両方の混ざった録音をしたものです。起動時は三菱側の音が目立つように感じますが、東芝の非同期モードの音程が高くなっていくあたりははっきりと東芝側の音とわかるように感じます。とは言っても、極端にタイプの異なる混ざりでもないため、思ったほどわかりやすいものではなかったですね。
 録音は山手線浜松町→新橋→有楽町間です。
・その他の写真
 クハE235-1以下11連です。2両目のサハE235-4620は、E231系500番代の全車4扉化時に新造された車両で、元々E235系編入を前提としていて、ほぼE233系な造りになっていた車両です。E235系ではsustinaが採用されたこともあり、車体断面の違いが目立ちますね。
 2016.4.9 東京駅にて撮影
 モハE234-1のVVVF制御装置で三菱製のSC104形です。E233系の1C4M×2群の制御器と比べても、どう見ても半分以下に縮小されていると思われますし、パワーユニット部分にまだ若干の余裕も見えるので、その気になればもう少し小さくすることも可能なのだと思われます。
 2016.4.3 東京駅にて撮影
 モハE235-3のVVVF制御装置で東芝製のSC105形です。パワーユニットの外観に東芝らしさもあまり感じられませんが、網の中に見えるのはボルトのような突起が多数見える、いかにも東芝製という雰囲気のようです。
 2016.4.10 東京駅にて撮影
 クハE234-1のSIVです。SIVは両先頭車と7号車のサハE234-1の3ヶ所に積まれていますが、SC106形とSC107形の2種類が採用されているそうです。クハE235-1とサハE234-1の2両は反対の側面にSIVのパワーユニットが見える配置であることもあり、撮影ができていません。そのため外観の比較もできておらず、形式もまだ特定はできていないですね。
 2016.4.10 東京駅にて撮影
 モハE235-3の台車です。軸梁式のボルスタレス台車で、DT80形となっています。E233系用と比べても極端な違いはないように見えます。
 2016.4.3 東京駅にて撮影


前のページに戻る