・E501系

試運転中のクハE500-1001以下10連  1995年、上野-取手間の快速列車を土浦に延長運転するという名目で製造された交直両用の通勤形電車です。交直両用のVVVF車という点ではJR西日本の681系しか例がなく、既にICEなどで実績のあったドイツ・ジーメンス社のCI装置が採用されました。同時に、国内で初めてのベクトル制御・クリープ制御が採用されるなど、非常に先進的なシステムを採用した車両と言えます。
 209系と同様のMT比2:3の編成で、歯数比はE217系と同じ6.06とされ、120km/h運転対応とされています。
 運用は10連+5連の15両編成で営業に供され、1995年に1編成、1997年に3編成製造され、4編成が土浦運輸区常駐で上野-土浦間を1日14往復運転されています。
1995.9.8 常磐線我孫子駅にて撮影
 第1編成走行音(直流)[E501-1a.ra/332KB] 直接再生
 第1編成の直流区間での走行音です。第1編成は以前非同期モードの終わったあたりで「バヒューン」という音がかなり大きく聞こえたのですが、今ではこのファイルに入っている程度になってしまっています。まぁ、時々どこかにひょこっと大きな音が混ざっていることもあるみたいですが・・・。
 で、「直流」とわざわざ書いているのは、どうも直流と交流で微妙に音が違うようだからです。非同期モードの次に来る音がややぼやけた感じに始まり、すかさず次の音が上がってきてもう一回はっきりと変わり目がある、というのが直流での流れのようです。一方交流では、非同期の次がいきなり爆音ですぐに次の音がやや弱めに上がってきて、もう一度音の変わり目がある、という流れになるようです。最初の音以外は第1編成だけやや強めのようにも感じられますが・・・。
 録音は常磐線我孫子→天王台間です。この区間にしては結構スピードを出していたようです。その割に時間がかかっているのはブレーキを緩くかけているからですね。
 第1編成加速音(交直切替)[E501-1c.ra/241KB] 直接再生
 同じく第1編成の交直切替を含む加速音です。交流側の藤代を出発して、デッドセクションを通過し、取手に向けて加速を終了するところまでのファイルとしています。
 第1編成の交流での加速はこのファイルで聞いていただければ、とも思います。また、これはまだ第2編成以降が一部落成しただけで、営業には投入されていない頃に録ったものでして、「バヒューン」もかなり大きく聞こえます。デッドセクション通過に当たっては、「次は取手です」と放送が入り始めたあたりで一度「ガコッ」というような音がパンタグラフ付近から聞こえ(たぶん真空遮断機からの音ですが、どうもジョイント音と重なってほとんど分からないみたいです)、その後しばらくして、ジョイント音がいくつか聞こえる頃にまた「ガコッ、バヒューン」となって電源がつながり加速開始、というような流れになります。
 それにしても第1編成は本当に音の変わり目がはっきりしているみたいです。このファイルを聞くと、少し速度が上がってからも2回分くらい余計に変わり目があるように聞こえてしまいますね。量産車なんかは非同期の次の次あたりからほとんどぼやけてしまうというのに・・・。
 第1編成走行音(空転&滑走)[E501-1d.ra/309KB] 直接再生
 本家本元の209系とは違って、この車両では本当の降り始めなどにしか加速不能になるような空転は起きないのが特徴なのですが、たまたま小雨の時に乗ったらこんなにひどく空転してしまいました。何と言っても非同期が終わってうなり始めたかと思ったらまた非同期に一瞬だけ戻ってしまうという、音を聞くだけの立場からすれば何ともおもしろい滑り方でした。まぁ、滑走に関しては慎重にブレーキをかけたようで、高速域でちょこっと滑っていただけですんでいるみたいですね。
 これだけ派手に滑った音をたてていながら、209系とは違ってそれなりに加速できているというのもすごいところだと思います。空転していても一定の加速力を得ようとして制御するのがクリープ制御の考え方らしいのですが、その通りの効果が得られていると言っていいようです。
 録音は常磐線藤代→佐貫間です。
 第1編成走行音(雨の非常ブレーキ)[E501-1e.ra/216KB] 直接再生
 これは雨の日の録音で、空転や滑走を期待してテープを回していただけなのですが、近くの区間で「踏切支障」があったとかで防護無線の緊急停止信号が飛んできたようでした。空転もなければブレーキも途中少し滑走していたのかもしれませんが結構きっちり止まっていたようです。それにしても、よく考えてみると最近のJR東日本の車両は常用8段と非常というブレーキの刻みになっているのですが、非常に入れた場合電制も効かなくなると思うので、最初から非常ブレーキをかけたわけでもないようですね。どちらにしても8段目のブレーキと非常ブレーキは同じ程度のブレーキ力らしいのですが(トレインシミュレータをやってみると分かるんですが)・・・。
 録音は常磐線佐貫→藤代方面です。
 量産車走行音(直流)[E501-2a.ra/309KB] 直接再生
 こちらは第2編成の直流区間での走行音です。もはや第1編成も大きな違いはなくなったと言えばそれまでなんですが、そうは言っても少し音の変わり目が弱いかな、というのが量産車の特徴のようです。その他の交流と直流の音の違いについては第1編成の場合と同じです。
 録音は常磐線天王台→我孫子間です。これも結構スピードは出ていたようです。この区間を2分38秒といったらかなり短いですし。ブレーキもそれなりに強かったみたいですね。
 量産車走行音(交流)[E501-3a.ra/280KB] 直接再生
 こちらは第3編成の交流区間での走行音です。やはり一つ目のうなり以外はあまりはっきりしていないのが分かると思います。これもこの区間としては結構速く走っている方です。2分30秒もかかってないですからね・・・。
 録音は常磐線藤代→佐貫間です。
 量産車走行音(120km/h運転)[E501-3c.ra/RealPlayer5.0以上/344KB] 直接再生
 こちらは第3編成の120km/h運転の音です。以前はもう少しこういった走りをする列車もあったのですが、いつの間にか1日2本くらいしか待避線に入らないでこの区間でストレートに120km/hまで上げるような列車がなくなってしまいました。でも2分間も加速をし続けるというのはすごい迫力ですね・・・。かなりやばそうな音にもなっているし。でも実はE653系なんかはもっと楽にこのくらいの速度に上げているんですよね。
 録音は常磐線佐貫→牛久間です。
・その他の写真
 営業運転開始直後のクハE501-1以下10連です。この頃はまだ昼間は10両編成で動いていたのですが、いつの間にか15両固定編成状態になってしまったので、この先頭車は勝田電車区での交番検査施行時の回送でしか先頭に出なくなってしまいました。また、この時期は一応ヘッドマークが付けられていました。でもベニヤ板・・・。
 1995.12.9 常磐線土浦駅にて撮影
 これは1998年1月の大雪(と言っても首都圏の基準での話ですが)の時に撮った写真です。ちょうど常磐線が部分開業から全線開業まで「100周年ラッシュ」でして、2年くらいにわたって正面にシールが貼られていました。車号はクハE500-1002以下15連です。
 1998.1.16 常磐線佐貫駅にて撮影
 モハE501-4のVVVFインバータ装置です。甲種輸送の際に撮影したものですのでまだピカピカでした。これは山側を写したものですが、海側から見ても全く同じ様子です。もちろん、素子の冷却部とゲート制御部の位置関係は逆順になりますが。
 ちなみに、何ヶ所かに黄色いシールで「高圧危険」などと書いてあるのですが、これはいつの間にか全てはがされてしまいました。検修側に周知徹底されたから、ということなんでしょうかね・・・。
 1997.2.18 常磐線牛久駅にて撮影


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