・熊本市交8200形(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
8202
制御器更新後の8202号車(標準色)
2012.2.27 健軍町電停にて撮影
 1982(昭和57)年、国内初のVVVFインバータ制御電車として登場しました。同じ頃に「軽快電車」として広島や長崎に導入されたチョッパ制御車と類似の車体で登場しました。室内は1人掛けの転換クロスシートとロングシートが左右に配置され、中央ドアを境にで左右が反転する、点対称の室内配置となっています。
 VVVFインバータはスイッチング素子として逆導通サイリスタを使用しており、当時の技術面でも手探りであったこともあり、路面電車としては大出力の120kWモータ1個のみを搭載し、直角カルダン駆動方式となったことが特徴です。
 2両が製造され、連結運転が可能な構造であることや、連結のために2両の車体が逆向きになっていることが特徴ですが、試験運転以外での連結運転の実績はないそうです。
 2006年頃から制御器の載せ替えが行われ、現在ではIGBTを使用したVVVF装置に換装されています。
 余談ですが、この形式以降、形式名の上2桁は、当該車種の登場年度の西暦下2桁にされています。
 走行音(8201号車/原形)[kmm8201a.mp3/2.16MB]
 登場時の8201号車の走行音です。初期のVVVF車らしく、非同期モードはなく、とにかく何度もパルスモードが切り替わるのが特徴です。また、制御器自体はバリバリとスイッチング音を大きく響かせていました。直角カルダン駆動による駆動音は、ほとんど吊り掛け車と変わらないのではと思ってしまう独特の響きです。コンプレッサも古いタイプで、ボコボコと音をたてる、雰囲気のいいものを積んでいます。
 録音は神水橋→健軍校前→動植物園前→健軍交番前→健軍町間です。一部電停の名称が現在は変わっていますが、録音時点での名称で記載しています。速度については、8202号車の録音の方が速かったです。
 走行音(8202号車/原形)[kmm8202a.mp3/3.46MB]
 登場時の8202号車の走行音です。特に8201号車との違いはありませんが、このファイルの方が速度が出ています。
 録音は市立体育館前→商業高校前→八丁馬場→神水橋→健軍校前→動植物園前→健軍交番前→健軍町間です。
 走行音(IGBT化後)[kmm8202b.mp3/1.05MB]
 8202号車の、IGBT化後の走行音です。非同期モードの音はかなり小さく、「ヒュルヒュル…」と鳴っているものの、何かはっきりしないまま、直角カルダン駆動による低音が響いてくるのが特徴です。原形の時は一生懸命加速している感がありましたが、残念ながらそういう雰囲気は一切なくなっています。
 録音は市立体育館前〜商業高校前間→八丁馬場間です。
 走行音(IGBT化後)[kmm8202c.mp3/1.75MB]
 同じく8202号車ですが、上熊本方面の区間での録音です。左右の乗車用ドア開閉時のブザーが全く違っていて、このファイルで聞こえてくる音程は独特です。
 録音は蔚山町→段山町→杉塘〜本妙寺入口間です。
・その他の写真
 機器更新される前の8201号車で、標準色だった頃の写真です。8201号車は健軍町方に連結器が備えられているため、この写真ではその様子はわかりません。
 1999.3.4 味噌天神前電停にて撮影
 こちらも機器更新前で、8202号車の標準色時代の写真です。8201号車とは逆向きの車体なのですが、この車両は健軍町方からの撮影のため、上にある8201の写真と同じような形態にしか見えないですね…。
 1999.3.4 健軍町電停にて撮影
 8201号車で、「チキンラーメン号」になっていた時の写真です。この写真は8201号車の健軍町方からの撮影のため、先頭には連結器も写っています。
 2001.3.6 水前寺駅通電停にて撮影
 こちらは8202号車で、8201号車のチキンラーメン号と同じ時期、広告車となっていた際の写真です。焼酎の広告ですね。登場から約20年経っていたとは言え、広告車にされていたということはそれなりに運用頻度が高かったのでしょう。それが更新された今では標準色をまとったままということは、積極的に使う気があまりないんでしょうかね。2007年に休日に2度訪れた際は運用される気配なしでしたし。
 2001.3.6 水前寺駅通電停にて撮影
 逆導通サイリスタを使用した原形時代のVVVF装置で、8201号車のものです。もっとも、「それっぽい」形ではないんですが…。
 2001.3.6 健軍町電停にて撮影

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