・熊本市交9700形(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
9703と9704
9703A車(左)と「パト電」の9704A車
2012.2.27 通町筋電停にて撮影
 1997年に導入された、国内で初めての超低床式路面電車です。ドイツのアドトランツ社(現在はカナダのボンバルディア社)の設計で新潟鉄工(現・新潟トランシス)が製作した2車体連接構造の車両で、当初の電装品はアドトランツ社製の機器が採用されたり、空気ではなく油圧式のブレーキが採用されたりするなど、外観だけにとどまらない、在来車との多くの相違点があります。
 VVVF制御の路面電車では、これまで床下に制御器を積むのが一般的でしたが、この9700形では低床化した分、床下のスペースがなくなったため、パンタ直近の屋上に制御器が積まれています。また、モータは連結部寄りの、ドア向かいにあるロングシート部の座席下スペースに収納されているそうで、ここから車輪へは直角に動力伝達をしています。また、左右の車輪は独立しているため、ねじり軸を介し、車輪中心よりも低い位置で反対側の動輪への動力伝達をしています。
 1997年に1編成、1999年に2編成、2001年に2編成(この2編成は三菱製の制御器を搭載)の計5編成が製造され、現在も活躍中です。
 走行音(1次車)[kmm9701a.mp3/1.18MB]
 9701A車での録音です。初期の日立IGBT車(営団07系や9000系など)のように、力行中や回生中常に甲高い音が鳴り続けるのが特徴です。駆動音は8200形ほどの重さはないものの、よく響くのが特徴です。この駆動音は後に他の事業者に多数導入される低床車にも共通の特徴となります。
 録音は健軍校前→動植物園前→健軍交番前→健軍町間です。カセットテープでの録音のため、音質には期待しないで下さい。なぜかこの録音以外に9701編成に乗ってない気がします…。
 走行音(2次車)[kmm9702a.mp3/2.01MB]
 2次車のうちの1本、9702B車での録音です。1次車と特に違いはないと思いますが、デジタル録音(PCMレコーダ使用)になっていますので、1次車のファイルよりも聞きやすくなっているはずです。
 録音は神水・市民病院前手前→健軍校前→動植物園入口→健軍交番前→健軍町間です。いくつかの電停の名称が変わった後での録音です。
 走行音(2次車)[kmm9703a.mp3/1.26MB]
 同じく2次車の、9703B車での録音です。こちらもデジタル録音(MD使用)のファイルで、電停名称の変更前の録音になります。特に編成による明確な個体差もないと思います。
 録音は交通局前→味噌天神前→水前寺駅通間です。
 走行音(3次車)[kmm9704a.mp3/1.37MB]
 こちらは三菱製の制御器を使用する3次車で9704A車の録音です。鉄道線の電車(JR西日本223系2000番代三菱車など)だったり新交通だったりと、いろいろなところで聞く三菱の「ヒュルヒュル…」の非同期モードと、非同期モードの終わった後の比較的はっきりしたモータ音が特徴です。路面電車系の車種では東急世田谷線300系に続く採用で、以後に登場する各地の低床路面電車の三菱IGBTでもこのタイプのVVVF音が続いて採用されています。
 録音は健軍町→健軍交番前→動植物園前→健軍校前間です。乗った時は現地で初めて見た車両で、しかも1・2次車と全く違う音で、本当に驚いたものです(10年以上も公開せずに温存するな、というツッコミはなしで…)。
 走行音(3次車)[kmm9705a.mp3/1.67MB]
 同じく3次車の、9705A車での録音です。特に9704との違いも感じられません。9700形の録音を探していたら各編成ともに録音していたので揃えてみましたという面も半分くらいありますので…。
 録音は神水橋→八丁馬場→商業高校前→市立体育館前→水前寺公園間です。
・その他の写真
 9701A車です。最初に登場した9701号だけは、車体下部に青いグラデーションが入っているのが特徴です。
 1999.3.4 味噌天神前電停にて撮影
 9701A車の、やや上から見下ろした写真になります。上の写真からは8年ほど経過してからの撮影です。
 2007.2.18 九品寺交差点電停にて撮影
 2次車である9702B車になります。9701とは異なり、青のグラデーションがなくなり、かなりあっさりした印象に変わっているのが特徴です。また、行き先表示器が9701ではLED式でしたが、9702以降は幕式に変更されています。
 2007.12.9 交通局前電停にて撮影
 9703A車になります。2次車の標準色になります。
 2007.2.18 熊本駅前電停付近にて撮影
 9703B車で、広告車(?)になっていた時の写真です。広告と言っても、「熊本都市圏に政令指定都市の実現を」って、普通の企業広告とは毛色が違いすぎますね。まだ熊本に到達していなかった九州新幹線のイラストなどもあり、もう少し側面寄りに撮影するべきでした…
 2007.12.9 交通局前電停にて撮影
 9703A車で、「政令指定都市くまもと誕生!」の文字などが入っているんですね。上の写真の広告の続きということになります。左右で色違いのイラストになっていたようです。
 2012.2.27 辛島町電停にて撮影
 9703B車で、上の写真と反対の側面が見える写真になりますが、熊本城がバックに写る場所ですが、あまり車両が大きく写せない場所のため、雰囲気しかわからないとは思います。
 2012.2.27 通町筋電停にて撮影
 標準色だった頃の9704A車です。3次車では、車体裾部にも「kUMAMOTO CITY TRANSPORTATION」の標記があるのが特徴です。この年にこの車両がパト電車に化けています。
 2007.2.18 九品寺交差点電停にて撮影
 パト電車となった後の9704B車です。正面のバンパーで発生した段差をちょうど塗り分け線にするなど、違和感なく仕上げられていますね。最近では、正面窓下の「交通安全」のところが、「KCT」のマークに変更されるなど、少し変化していますね。
 2007.12.9 交通局前電停にて撮影
 9705B車です。この車両に関しては、ラッピングされていた印象はなく、このシンプルな姿で通しているように思われます。
 2007.2.18 九品寺交差点電停にて撮影
 9703A車の屋上機器です。写真右端が客室用の空調装置、そしてその左にアドトランツ社製のVVVF装置、次にパンタグラフと続きます。
 2007.2.18 九品寺交差点電停にて撮影
 9704A車の屋上機器で、写真を見て一目瞭然の、三菱製のVVVF装置が鎮座しています。しかし、1〜2次車では空調とVVVFとで別箱になっていたところに、より大形のVVVF装置だけが配置されるのでは不自然ですね。まさかVVVF装置と空調の一体箱?そんなことあるんでしょうかね…
 2007.2.18 九品寺交差点電停にて撮影

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