・近鉄3200系
3704以下6連
3704以下6連
2000.9.5 京都線小倉駅にて撮影
 1986(昭和61)年1月に、将来の京都市交乗入用車両として4連3本が製造されました。その後3編成が増備され、1988年の直通開始時にはすべて6連化され、その後さらに1編成が増備され、現在では6連7本が活躍しています。
 インバータ装置は1420系をベースに16ビットマイコン化等を行い、システム構成は将来にわたり三菱製GTOインバータの基本となりました。第4編成以降では歯数比の変更などを行い、電動機のインダクタンスと回転数を増加させ、騒音防止を図っているそうです。
 ブレーキ方式も電気指令式電磁直通ブレーキとなり、6両固定編成であることから、単独運用による限定運用となっています。京都市交烏丸線直通以外に奈良、天理等への急行運用も受け持っています。
 走行音(その1近鉄線内)[knk3200a.ra/308KB] 直接再生
 歯数比が5.73でVVVF車としては高速向きの歯数比と言える設定なのが1次車の4連3本です。現在では第1〜3編成の両端から2両目の電動車が該当します。後期車と比べると同じ速度であってもモータの回転数が低いことになりますから、加速音の変化はゆっくりであるはずです。また、中〜高速域ではこのタイプの方がいい音が出ているように感じます(5200系などでは後期車がこれと同じ歯数比なので、3200系の場合とは全く逆の関係になります)。
 録音は京都線富野荘→新田辺間です。ほとんどの列車は新田辺到着時に待避線に入ってしまい、ポイント通過後に電制を切ってしまうという近鉄の「慣例」があるのですが、乗った列車は新田辺の下り本線に到着したので最後まで減速音が聞けたわけです。そもそも他の区間で全然速度が出ず、こういう区間でしか飛ばしてくれないからこんなことまで考える羽目に合うんですが・・・。
 走行音(その1地下線鉄内)[knk3200b.ra/151KB] 直接再生
 こちらは同じく初期車の京都市営地下鉄線内での走行音です。地下と地上とで加速度を変化させている様子もないので、両方の音を載せる意味もあまりないのかもしれませんが、イメージ的に地下鉄の方がしっかりと加減速をさせているような感じがしますね。このファイルの場合は1ノッチ起動でもしていそうな音が聞こえてきますが・・・。
 録音は地下鉄烏丸線九条→十条間です。
 走行音(その2近鉄線内)[knk3200c.ra/202KB] 直接再生
 こちらは第4〜6編成の両端から2両目の電動車が該当するグループで、歯数比が高加速向きになっています。そのぶん同じ速度であってもモータの回転数は高くなる傾向にあり、パルスモードの変化も素早くなっているはずです。写真の脇の解説に書いてある、「回転数を増加させることで騒音を低減する」という意味がそこにあるわけです。つまり、パルスモードの変化をより低い速度のうちに終わらせてしまおうということらしいです。ただし、その後の地上線用VVVF車で元の歯数比に戻されたのはあまり効果がなかったと判断されてのことなんでしょうかね・・・。
 録音は京都線久津川→寺田間です。これぞ「無惰行運転」という、すばらしい走りです。駅間が短すぎるため、90km/hまで上がったかどうか、というところですが・・・。
 走行音(その2地下鉄線内)[knk3200d.ra/164KB] 直接再生
 これは上記と同タイプの地下鉄線内での走行音です。地下ではドアの開閉時にブザーが鳴るのですが、近鉄線内では一切鳴らないんですよね・・・。「バリアフリー法」で設置が義務づけられる動きになっているというのに、せっかくの設備を生かさないのももったいない話です。
 録音は地下鉄烏丸線鞍馬口→今出川間です。
 走行音(その3地下鉄線内)[knk3200f.ra/187KB] 直接再生
 こちらは3次車で、第1〜6編成の奈良方から3両目に組み込まれています。最初は全く気にしていなかった車両なのですが、下の方に音を載せているように、2次車とも音が違っていることに気づいて録音してみたものです。結局のところ単独で聞いても2次車との違いはわからないんですが・・・。
 録音は地下鉄烏丸線くいな橋→十条間です。
 走行音(その1&その3mix)[knk3200m.ra/RealPlayer5.0以上専用/382KB] 直接再生(56kbpsモデム・ISDN推奨)
 第1〜3編成の2・3両目の連結部付近に乗るとこのような世にも奇妙なVVVF音が聞こえてきます。それぞれ別個に聞くとかなり「太い」音が聞こえてくるものなんですが、なぜか重なると軽々しい音になってしまうから不思議なものです。それにしても、この車両の場合は歯数比の違う電動車が隣接しているにも関わらず、加減速時にほとんど前後衝動などがありませんから、ずいぶんうまく加減速度の設定をしたものだと感心してしまいます。どこかの地下鉄には加減速力の設定を変えた車両を増結してガコガコ鳴ってる車両がありますからねぇ・・・。
 録音は地下鉄烏丸線くいな橋→十条間です。ちなみに、ステレオ録音されたファイルの、Rチャンネルが3次車、Lチャンネルが1次車です。
 起動音(その1&その3mix)[knk3200n.ra/RealPlayer5.0以上専用/123KB] 直接再生(56kbpsモデム・ISDN推奨)
 これは上記と同様の1・3次車混成編成の起動時の音を車外から録音したものです。ステレオ録音なわけですが、最初の段階ではRチャンネルが3次車、Lチャンネルが1次車となっているはずです。マイクを別々に設置している等ということはしてませんからそこまで厳密に別れてもいないと思いますが・・・。
 録音は地下鉄烏丸線十条駅です。
 空転・滑走音(その1&その3mix)[knk3200o.ra/219KB] 直接再生
 1・3次車混成編成の空転・滑走時の加減速音です。元々何だかわからない音が余計わからない音になっています。よく聞いてもどの音がどっちの車両の音なのかわからない、というより理解する気にもなりません・・・。
 録音は松井さん提供で、京都線向島→小倉間です。
 走行音(その2&その3mix)[knk3200p.ra/RealPlayer5.0以上専用/473KB] 直接再生(56kbpsモデム・ISDN推奨)
 第4〜6編成の奈良方から2・3両目の連結部付近ではこのような音が聞こえてきます。微妙にずれているだけ、という気はしますが、全く同じ音が鳴っているわけではないようです。
 録音は地下鉄烏丸線今出川→丸太町間です。ステレオ録音のRチャンネルが2次車、Lチャンネルが3次車です。
・その他の写真
 3200系に積まれている三菱製のVVVFインバータ装置です。GTO世代のインバータ車では音のタイプに関わらず1C4Mを1台だけ積む場合にはこの形のものが多用されました。
 1997.9.4 京都線竹田駅にて撮影

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