・近鉄7000系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
7610以下6連
ラストナンバーである、7610以下6連(更新後)
2009.5.1 大阪市営地下鉄中央線九条駅にて撮影
 東大阪線と大阪市交中央線との相互直通運転のために1986(昭和61)年から量産が開始された近鉄唯一の第三軌条用の車両です。1984年には先行車4両が製造されていて、東大阪生駒電鉄で試運転を行い、86年の東大阪線開業と同社の近鉄への併合に伴い近鉄の所属となっています。
 1990年に1編成が増備され、現在6連9編成の陣容となっているものの、第9編成が欠番となり、10番まで存在しています。これは奇数編成には三菱製、偶数編成には日立製の制御装置を搭載するよう区別した結果です。
 制御方式はVVVFインバータ制御で、大阪市交20系と同仕様の1C2M×2群を各電動車に搭載しているものの、20系が2台のインバータを1個のゲート制御部で制御しているのに対し、7000系では別々の制御部を持たせたため冗長性の向上が図られています。
 車体は普通鋼製であるものの、車体幅は他線区より広く、大きく裾部が絞り込まれた独特の形状となっています。塗装も従来の近鉄車とは大きく異なるものとされました。
 2004年からは2006年のけいはんな線開業(生駒〜学研奈良登美ヶ丘延伸)に備えての高速化(95km/h対応)、ワンマン化対応改造が実施され、この際にVVVF装置のプログラムも変更されたようです。
 走行音(三菱/登場時)[knk7km1a.rm/416KB]
 鉄道線用VVVF車の第一号である大阪市交20系と同仕様のインバータ装置なだけあって、この車両も1420系同様8ビットマイコンをゲート制御部に用いているようです(3200系以降は16ビットが主流)。
 音的にはやはり大阪市交20系の三菱インバータの車両と全くと言っていいくらい同じもので、4つ目のパルスモードが異常に長い、アンバランスさもそのままです。異なると言えば、高速域のモータ音くらいなものです。モータではなく、駆動装置から聞こえるのかもしれませんが、特徴的な低い音が聞こえてきます。
 録音は東大阪線(当時の名称)長田→荒本間です。
 走行音(日立/登場時)[knk7kh1a.rm/426KB]
 こちらは日立インバータを積んだ車両の音ですが、やはり大阪市交20系と同様です。三菱に比べるとかなり均整がとれた音で、減速音などはGTO世代の最後の頃の車両を連想できるくらいいい音をたてていると思います。もちろん、高速域の音は三菱車と同じモーターであるため低い音になります。
 録音は東大阪線(当時の名称)長田→荒本間です。
 そう言えば、1999年春頃から地下鉄内の自動放送の音声が男声から女声に変わってしまったそうです。男声の方が、何か大阪の地下鉄らしい印象があったものですが…。近鉄線内は変わらず男声です。でも、そもそも声の主が違うらしい?
 走行音(三菱/更新後)[knk7km2a.rm/412KB]
 2004年から実施された高速化などの改造時、登場から20年近くが経過していたこともあり、VVVF装置の電子部品も更新が行われました。この時にゲート論理部が交換されており、同時にVVVF音にも変化が生じており、特に起動加速時には、2つ目のパルスモードが異常な長さになっています。4つ目のパルスモードが長かった登場時よりも、更にアンバランスになっています。減速音はそれほど大きな変化ではなかったように思います。
 録音は大阪市営地下鉄中央線弁天町→九条間です。
 走行音(日立/更新後)[knk7kh2a.rm/426KB]
 日立車の高速化改造後の走行音です。三菱車のような劇的な変化はありませんが、1つ目のパルスモードが少し高く、細い音になったようで、どうも頼りない感じがしますね。その他の変更点は、大阪市交の車両と同じドアチャイムが付いたことくらいでしょうか。
 録音は大阪市営地下鉄中央線弁天町→九条間です。
 走行音(日立/更新後・高速運転)[knk7kh2b.rm/1.12MB]
 日立車の最高95km/hでの走行音です。出発時、一旦従来の最高速度程度で加速をやめてしまいますが、その後最高速度まで加速していきます。トンネルの反響もあって、かなりの響き方になりますし、ノッチオフするとしっかりとWN継手の「ゴロゴロ」音が聞こえてきます。
 録音はけいはんな線生駒→白庭台間です。
・その他の写真
 高速化、ワンマン化等の改造工事が施工される前の、原形時代の第4編成で、7604以下6連です。側面の客室窓が2連の1段下降窓であったこと、行先表示器が字幕式であったことが、改造後の姿との最大の違いだろうと思います。
 2002.12.28 東大阪線新石切駅にて撮影
 7201号車から7101号車方向の、更新後の室内です。シートモケットの変更や窓形状の変更、ドア上への案内表示器の追加が目立ちます。床材も7020系と同じものになっているように思われます。
 2006.1.2 大阪市営地下鉄中央線コスモスクエア駅にて撮影
 7000系のうち、奇数番号の編成に積まれている三菱製のVVVFインバータ装置です。パワーユニットの形状に関しては大阪市交20系と大差ありません。ゲート制御部が、大阪市交20系よりもやや幅が広いようですが、1両に1台のゲート制御部がある20系と、1両に2個のゲート制御部がある7000系の差ではないかと思われます。
 車両はモ7201です。
 2009.5.1 大阪市営地下鉄中央線九条駅にて撮影
 こちらは偶数編成に積まれている日立製のVVVFインバータ装置です。三菱製と外観上大きな違いがあるわけではありませんが、パワーユニット表面が平板に取っ手があるだけであったり、ゲート制御部の前面がふくらんでいるなどの差が見られます。
 車両はモ7208です。
 2009.5.1 大阪市営地下鉄中央線九条駅にて撮影

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